(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(a) 経営成績の状況・分析
当連結会計年度のIT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)においては、引き続き既存顧客の新領域の案件獲得が伸長するとともに、サポート&サービス事業における利益率の改善が見られたことにより、前年同期比で大幅な増収増益となりました。
一方、パーキングシステム事業におきましては、前年同期に比べ駐輪場利用状況が大きく改善したことに加え、機器販売も第3四半期連結会計期間以降に増加したことにより、増収増益となりました。
以上により、当連結会計年度の売上高は、20,550百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益902百万円(前年同期比272.3%増)、経常利益956百万円(前年同期比146.1%増)となりましたが、社宅及び駐輪場設備に係る減損損失215百万円を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は458百万円(前年同期比214.7%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首 から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照下さい。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
システム開発事業
生損保の既存顧客を中心に、新領域の案件獲得が堅調に推移しました。また、顧客企業の業務効率化やコスト削減意識の高まりを背景に、会計シェアードサービスなどの需要も引き続き旺盛で、前年同期比で増収増益となりました。これらの結果、売上高8,368百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益1,020百万円(前年同期比9.9%増)となりました。
サポート&サービス事業
前年度に受注した大手企業における情報システム部門業務のアウトソーシング案件が本格稼働し順調に進行したことや、サービスモデルを活用した提案営業の成果が徐々に現れ、既存顧客に対するサービス領域が拡大したことで、前年同期比で増収となりました。利益面におきましては、前年同期に獲得した新規案件が安定稼働したことなどにより、前年同期比で大幅な増益となりました。これらの結果、売上高6,099百万円(前年同期比20.2%増)、営業利益620百万円(前年同期比28.7%増)となりました。
パーキングシステム事業
機器販売については、感染症の影響により需要の弱含みが見られたものの、第3四半期連結会計期間以降は大阪市を中心とした鉄道利用者向けの新規案件や、機器老朽化に伴う入替案件の成約などにより、前年の水準を上回りました。駐輪場利用料収入については、感染症の影響は受けつつも、通勤・通学客の鉄道利用状況が順調に改善し、増加しました。また、前年度に受注した指定管理者事業などの大型案件が寄与し、売上高は6,073百万円(前年同期比20.0%増)となりました。利益面におきましては、増収の効果に加え、グループ子会社を活用した外部委託業務の内製化に努めたことなどにより、営業利益は451百万円(前年同期は営業利益13百万円)となりました。
資産、負債及び純資産の状況
総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,074百万円増加し、11,890百万円となりました。増加した主なものは、現金及び預金1,093百万円、リース資産(純額)280百万円、受取手形、売掛金及び契約資産178百万円及び繰延税金資産163百万円であります。一方、減少した主なものは、リース債権及びリース投資資産147百万円、土地123百万円及び投資有価証券109百万円であります。負債は、前連結会計年度末に比べ771百万円増加し、7,422百万円となりました。増加した主なものは、未払法人税等404百万円、賞与引当金330百万円、買掛金230百万円及び契約負債172百万円であります。また、純資産は、前連結会計年度末に比べ303百万円増加し、4,468百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の38.3%から37.3%となっております。
(c) キャッシュ・フロー状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比較して1,093百万円増加し、3,814百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,918百万円の流入(前年同期は218百万円の流入)となりました。主な流入要因は、税金等調整前当期純利益768百万円、賞与引当金の増減額(△は減少)330百万円、減価償却費277百万円、仕入債務の増減額(△は減少)230百万円及び減損損失215百万円です。一方、主な流出要因は、売上債権の増減額(△は増加)△175百万円及び法人税等の支払額105百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、48百万円の流出(前年同期は142百万円の流入)となりました。主な流出要因は、有形固定資産の取得による支出429百万円及び無形固定資産の取得による支出115百万円です。一方、主な流入要因は、有形固定資産の売却による収入348百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、779百万円の流出(前年同期は61百万円の流出)となりました。主な流出要因は、短期借入金の純増減額(△は減少)△400百万円、リース債務の返済による支出238百万円及び配当金の支払額111百万円です。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引は相殺消去しております。
2.金額は、製造原価で表示しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引は相殺消去しております。
2.前連結会計年度までは継続的なシステムの保守運用サービス等の売上見込額を受注残高に計上しておりましたが、管理方法の変更により当連結会計年度から売上見込額を含めない方法に変更しております。
なお、変更により受注残高は大きく減少しておりますが、受注高と販売実績が概ね対応しているため受注高に影響はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引は相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表『注記事項』(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資本の財源に係る情報
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について、営業活動によるキャッシュ・フローまたは借入等により資金調達することとしております。なお、国内外の経済が停滞した場合、IT関連事業では企業のIT投資、パーキングシステム事業では首都圏を中心とした再開発プロジェクトや商業施設リニューアル等が抑制されることが想定され、加えて、新型コロナウイルス感染が再拡大した場合や、ウクライナ情勢に伴う資源価格の高騰及び半導体を含む資材不足による材料費の増大なども、今後の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主要取引金融機関からの短期借入を含め、当面の資金需要に十分対応できる体制を取っており、今後も営業活動によるキャッシュ・フロー及び借入等を基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく所存であります。
② 資金の流動性に係る情報
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、IT関連事業では顧客向けの基幹系業務システムの構築・維持、インフラ基盤における保守・運用、パーキングシステム事業では駐輪場運営管理費、自転車関連商品の仕入れのほか、各セグメントに共通した受注獲得のための販売費及び一般管理費等であります。
投資を目的とした資金需要は、事業拡大に伴う新規駐輪場設備取得及びソフトウエア投資によるものであります。
また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
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