課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中には、様々な業績予想及び目標数値、並びにその他の将来に関する情報が開示されております。これらの業績予想及び目標数値、並びにその他の将来に関する情報は、将来の事象についての当連結会計年度末現在における仮定及び予想、並びに当社グループが現在入手可能な情報や一定の前提に基づいているため、今後、様々な要因により変化する可能性があり、これらの予想や目標の達成及び将来の業績を保証するものではありません。

 

(1)経営方針

社会環境が大きく変化するなかで、当社グループは、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値を向上させ持続的に成長していくため、企業理念体系を再定義し、最上位概念として社会における存在意義を示すパーパスを新たに制定するとともに、経営理念を改定しております。

 

<パーパス>

社員、お客様や社会のすべての人に寄り添い、多様性を尊重するという創業以来の企業文化を大切に、ユニークな技術とサービス、ダイナミックな発想により、社会課題を解決していくことで、誰もが活き活きとわくわく胸躍るような明るい社会を実現させることが、当社グループの存在意義であるとの認識のもと、以下のとおり「人の鼓動、もっと社会へ。」をパーパスとして制定しております。

 


 

<経営理念>

ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する。

 

当社グループは、パーパスの実現に向け、サステナビリティ推進を重要な経営戦略と位置づけ、DX推進や人的資本経営への取り組みなどを積極的に行い、持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。

 

(2)経営戦略、目標とする経営指標

<経営環境>

国内における少子高齢化、急速な技術革新の進展や人々の価値観の多様化など、社会構造変化のスピードは、ますます加速しております。また、引き続き新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という)拡大の影響が懸念されますが、ワクチンの普及等による規制緩和が進み、緩やかな回復基調で推移するものと予測しております。しかしながら、ウクライナ情勢に伴う資源価格の高騰など、先行き不透明な状況は続くと見込まれます。

このような状況下、当社グループの属する情報サービス業界におきましては、労働環境の変化や中長期の成長を見据え、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に積極的に取り組む企業の増加傾向が見られます。また、2022年1月施行の改正電子帳簿保存法によりペーパーレス化が推進されるなど、今後もDX需要は高まっていくことが予想されます。

自転車駐輪場業界におきましては、駐輪場利用状況については、感染症の影響は受けつつも、復調傾向が見られます。また、機器販売については、感染症対策を取り入れた都市再開発計画なども各地で進行しており、需要は緩やかな回復基調で推移するものと見込んでおりますが、半導体を含む資材不足による駐輪場関連機器の材料費高騰などが懸念されます。

 

 

<中期経営計画>

当社グループは、2021年3月期から2023年3月期の3事業年度を対象期間とする中期経営計画「Vision2023」(以下、「本中計」という)を策定し、スローガンを「Change & Challenge for Smile」としております。

当社は、経営理念「ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する。」のもと、1967年の創業以来、常にお客様の満足を第一に考え、最適なシステムときめ細かなサービスの提供に努めてまいりました。

その結果、IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)及びパーキングシステム事業において、長期取引を背景とした、保守・運用などのストック業務に強みをもっております。この強みを活かしつつお客様や社会の課題を解決していくためには、ストック業務を通じて得た豊富な経験とノウハウを企画・開発領域にスムーズかつ効果的に連携していくことが極めて重要であると認識し、基本方針を「ストックとフローの連携強化による更なる付加価値の向上」としております。

事業ドメインに関しましては、IT関連事業とパーキングシステム事業との連携強化などにより新たな事業機会を創出しつつ、一層の拡大を図ります。また、これらの戦略を支える体制として、企画管理機能の強化やグループ会社間の機能分担の見直しなどによるグループフォーメーションの最適化を推進しております。

また、人的資本経営への取り組みにおいては、「NCDグループの求める人材像」や「人事ポリシー」を整理のうえ当社グループ統一の新たな人事制度を導入し、人材育成やキャリア開発、組織開発の再整備に注力しております。また、コンプライアンス・リスク管理の高度化やガバナンス態勢の強化などに関連する各種施策を継続的に展開しております。

 

<経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標>

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、本中計の最終事業年度である2023年3月期の連結売上高、連結営業利益、売上高営業利益率、ROEであります。当該指標を採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解するうえで重要な指標であり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や企業価値の的確な把握が可能であると判断するためであります。

 

なお、当社は、2022年5月に以下のとおり当該指標を見直しました。

見直しの理由

パーキングシステム事業におきましては、感染症の影響長期化により、本中計策定時に想定していた水準ほどの、機器販売の需要や新規案件の獲得は見込めないと判断しております。また、全社的な取り組みとして人的資本やDX推進に伴う戦略的投資を拡大していることもあり、営業利益、営業利益率、ROEについては当初計画を下回るものと想定しております。

一方、IT関連事業におきましては、既存顧客の新領域の案件獲得等が引き続き伸長することが見込まれることから、売上高は当初計画を上回るものと想定しております。

 

(2023年3月期 通期連結業績見込み)

 

(当初計画)

(修正計画)

連結売上高

20,000百万円

21,000百万円

連結営業利益

1,200百万円

1,000百万円

連結営業利益率

6.0%

4.8%

連結ROE

15%以上

12%以上

 

 

 

<サステナビリティ経営の推進>

当社グループは、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指すため、サステナビリティ基本方針のもと、当社社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、グループ横断的に推進活動を実施しております。また、中長期的な視点で優先的に取り組むべき課題を環境・社会・経済の観点を含めて検討し、以下のとおりマテリアリティ(重点課題)を特定しております。マテリアリティは、当社のパーパスや経営理念を踏まえたものであり、当社グループの経営戦略の策定などにおいて重要な要素と位置付けていきます。

 


 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

IT関連事業におきましては、DX需要の高まりを背景に、引き続き基幹システムの改修案件等の堅調な受注を見込んでおり、今後もIT人材採用活動の強化を行い、グループ子会社やビジネスパートナーの活用を一層推進するとともに、高付加価値業務にシフトすることで、収益力とサービス品質の向上を図り、既存の大手顧客及び保険会社を中心とした取引基盤の拡大に取り組んでまいります。システム開発事業においては、アプリケーション開発基盤を整備し、提案内容を高度化することで既存顧客の深耕、新規顧客の獲得を図ります。サポート&サービス事業においては、業務ごとにサービスメニューを設定し、お客様の選択肢を増やすことで、IT資産の保守運用の最適化を支援してまいります。また、高度なセキュリティ環境を備えたBCP(事業継続計画)拠点を活用し、24時間365日対応の監視業務、システムオペレーション等、お客様のITインフラ全てを包括してサポートすることで、顧客満足度の高い保守・運用アウトソーシングサービスを実施してまいります。なお、当社は、今後も多様な顧客ニーズに対応し、顧客のビジネス変革の支援などを通じた当社グループの持続的成長を目指すため、2022年4月にDX推進部を新設しております。

一方、パーキングシステム事業におきましては、外部環境の変化や需要変動に柔軟に対応できる収益基盤を確立すべく、事業の構造改革を推進しております。具体的には、キャッシュレス決済の拡大、周辺業務の更なる内製化、自転車・バイク搬送コンベア等の高付加価値サービス提供などを行ってまいります。また、月極駐輪場管理システム「ECOPOOL」は、コスト削減効果と利便性の高さが評価され、近年着実に導入実績を伸ばしており、引き続き既存の有人管理駐輪場からの転換を推進してまいります。

 

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