業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当社は2021年4月1日に単独株式移転によりあすか製薬株式会社の完全親会社として設立されましたため、前年度との比較は行っておりません。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度の当社グループの売上高は566億7百万円となりました。費用面については売上原価が302億5千5百万円、販売費及び一般管理費は215億5千6百万円となり、その結果、営業利益は47億9千5百万円となりました。経常利益につきましては、営業外収益を3億7千9百万円、営業外費用を2億9千4百万円計上したことから48億8千万円となりました。また当社連結子会社であるあすか製薬株式会社が保有する土地および建物を譲渡したことによる固定資産売却益94億2千5百万円を計上したこと等により、特別利益として96億8千3百万円を計上いたしました。一方で、あすか製薬株式会社が申請したCDB-2914(ウリプリスタル)の開発中止により、無形固定資産の減損処理等による特別損失68億9千1百万円を計上したことに加え、投資有価証券評価損11億5千1百万円を計上したこと等により特別損失が84億円となりました。以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は42億9千万円となりました。

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

(医薬品事業)

医療用医薬品事業につきましては、2021年4月に初めて実施された薬価の中間年改定や医療費抑制策の推進による影響を受けつつも、主力である産婦人科製品の伸長等により総じて堅調に推移しました。製品別にみると、産婦人科領域においてはGnRHアンタゴニスト「レルミナ」が73億3千4百万円、月経困難症治療剤「フリウェル」は34億6千3百万円と大幅な伸長となりました。また内科領域の主力品である甲状腺ホルモン剤「チラーヂン」が74億9千9百万円、難吸収性リファマイシン系抗菌薬「リフキシマ」が48億5千4百万円と増加したほか、他社製品供給問題に端を発する代替需要の高まりにより、オーソライズド・ジェネリック「カンデサルタン類」が123億9千4百万円、泌尿器科領域のLH-RH誘導体マイクロカプセル型徐放性製剤「リュープロレリン」が51億8千3百万円となりました。

 以上の結果、売上高は507億9千1百万円、セグメント利益は50億8千8百万円となりました。

 

(その他)

 動物用医薬品、臨床検査、医療機器等の各事業を展開しているその他事業につきましては、動物用医薬品事業における畜産・コンパニオンアニマル用薬品、飼料添加物を中心に売上が好調に推移しました。

 以上の結果、売上高は58億1千6百万円、セグメント利益は3億6千万円となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、832億9千7百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金121億3百万円、売掛金144億8千2百万円、商品及び製品100億1千6百万円など流動資産が495億5千7百万円、有形固定資産109億3千6百万円、投資有価証券122億2千3百万円など固定資産が337億3千9百万円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、344億4百万円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金31億1千8百万円、電子記録債務37億2千3百万円、未払金48億6千7百万円など流動負債が160億1千1百万円、長期借入金123億2千3百万円、退職給付に係る負債57億3千万円など固定負債が183億9千3百万円であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は、488億9千2百万円となりました。その主な内訳は、利益剰余金458億3千3百万円など株主資本が454億1千9百万円、その他有価証券評価差額金32億3千1百万円などその他の包括利益累計額が34億7千3百万円であります。

 その結果、自己資本比率は58.7%となっております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、171億3百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は、28億4千2百万円となりました。これは主に、有形固定資産除売却益の計上はありましたが、税金等調整前当期純利益、減損損失および減価償却費の計上等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果増加した資金は、67億4千3百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は、29億9千6百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

医薬品事業(百万円)

14,259

合計(百万円)

14,259

 (注)金額は製造原価によっております。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

医薬品事業(百万円)

10,872

その他(百万円)

4,615

合計(百万円)

15,487

 (注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

c.受注実績

当社グループは販売計画、在庫状況に基づいて生産計画を立て、これによって生産しているため、受注生産は行っておりません。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

医薬品事業(百万円)

50,791

その他(百万円)

5,816

合計(百万円)

56,607

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

武田薬品工業㈱

49,439

87.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

当連結会計年度における財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度の当社グループの売上高は566億7百万円となりました。セグメント別の売上状況につきましては、医薬品事業は2021年4月に初めて実施された薬価の中間年改定や医療費抑制策の推進による影響を受けつつも、主力である産婦人科製品の伸長等により総じて堅調に推移し、その売上高は507億9千1百万円となり、動物用医薬品、臨床検査、医療機器等の各事業を展開しているその他事業は動物用医薬品事業における畜産・コンパニオンアニマル用薬品、飼料添加物を中心に売上が好調に推移し、その売上高は58億1千6百万円となりました。

売上原価は302億5千5百万円となりました。この結果、売上総利益は263億5千1百万円となり、当連結会計年度の売上総利益率は46.6%となっております。

販売費及び一般管理費は215億5千6百万円となりました。その主な内訳は、給料手当・賞与42億1千8百万円、運送保管料57億6千7百万円、研究開発費35億9千8百万円などであります。この結果、営業利益は47億9千5百万円となりました。

営業外収益は3億7千9百万円、営業外費用は2億9千4百万円となりました。この結果、経常利益は48億8千万円となりました。

特別利益は96億8千3百万円となりました。これは主に、当社連結子会社であるあすか製薬株式会社が保有していた羽村市(東京都)の土地および建物を譲渡したことによる固定資産売却益の計上によるものであります。特別損失は84億円となりました。これは主に、あすか製薬株式会社が申請したCDB-2914(ウリプリスタル)の開発中止による無形固定資産の減損処理等による減損損失の計上や、TesoRX Pharma,LLC 優先株式の投資有価証券評価損の計上によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計は、18億7千3百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は42億9千万円となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するとともに、資金需要に応じた資金調達を行うことを基本的な方針としております。

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造費用、商品仕入、研究開発費や販売促進費等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期資金需要の主なものは、生産および研究開発のための設備投資や開発パイプラインの拡充に向けた投資等であります。運転資金需要は自己資金および取引金融機関からの短期借入を基本としており、長期資金需要は自己資金および取引金融機関からの長期借入を基本としております。

資金の流動性につきましては、現金及び現金同等物に加え、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、手元流動性を確保しております。

なお、当連結会計年度末における借入金の残高は140億4千7百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は171億3百万円となっております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは2021年4月から2026年3月末までの中期経営計画を策定しております。その最終年度である2025年度には、売上高700億円、営業利益率8%、自己資本当期純利益率(ROE)8%を目標としております。

 

今後も「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題」に記載のとおり、中期経営計画に基づき、目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。

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