業績

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、「人にやさしく、環境にやさしく」をスローガンとする『Vision 2040』のもと、当連結会計年度より中期経営計画『New Global Plan-1(NGP-1)』(2021-2023年度)を始動させ、事業を推進してまいりました。

 

 (経営成績の状況)

当連結会計年度の売上高は、前期比8.0%増162,440百万円となりました。部門別売上高では、フレーバー部門は、当社において飲料向け等が堅調に推移し、前期比6.0%増94,292百万円、フレグランス部門は、米国子会社において芳香剤向け等が好調に推移し、前期比11.6%増48,481百万円、アロマイングリディエンツ部門は、スペシャリティ品等が好調に推移した他、為替変動の影響を受け、前期比9.7%増11,359百万円、ファインケミカル部門は、医薬品中間体が好調に推移し、前期比10.9%増6,860百万円となりました。その他不動産部門は、前期並みに推移し、前期比0.0%増1,446百万円となりました。

利益面では、営業利益は前期比40.1%増8,812百万円、経常利益は前期比39.6%増10,165百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比24.5%増8,909百万円となりました。

セグメントにつきましては、日本は、当社のフレーバー部門が堅調に推移したこと等により、売上高は67,532百万円前期比3.5%増)、営業利益は3,752百万円前期比564.2%増)となりました。米州は、米国子会社においてフレグランス部門等が好調に推移したことにより、売上高は38,365百万円前期比9.4%増)、営業利益は2,359百万円前期比0.2%増)となりました。欧州は、フランス子会社が好調に推移した他、為替変動の影響を受け、売上高は28,177百万円前期比12.1%増)、営業利益は853百万円前期比0.9%減)となりました。アジアは、中国子会社が好調に推移したことにより、売上高は28,364百万円前期比14.0%増)、営業利益は2,311百万円前期比3.4%増)となりました。

 

 (財政状態の状況)

総資産は、前連結会計年度末と比較して12,328百万円増加し、196,841百万円となりました。主なものは、現金及び預金の増加5,267百万円、商品及び製品の増加4,818百万円であります。

負債は、前連結会計年度末と比較して3,383百万円増加し、86,546百万円となりました。主なものは、支払手形及び買掛金の増加3,279百万円であります。

純資産は、前連結会計年度末と比較して8,945百万円増加し、110,294百万円となりました。主なものは、利益剰余金の増加7,873百万円であります。

以上により、自己資本比率は54.2%から55.2%に増加いたしました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,697百万円増加し(前期は1,612百万円の増加)、13,576百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、11,568百万円前期は13,733百万円の増加)となりました。主なものは、棚卸資産の増加5,322百万円であった一方、税金等調整前当期純利益11,002百万円、減価償却費6,912百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の流出は、7,258百万円前期は4,275百万円の流出)となりました。主なものは、有形固定資産の取得による支出6,764百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の流出は、2,364百万円前期は7,860百万円の流出)となりました。主なものは、配当金の支払額1,079百万円、短期借入金の減少767百万円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

54,265

13.7

米州

31,795

8.2

欧州

28,378

9.7

アジア

27,708

20.3

合計

142,148

12.8

 

(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b. 受注実績

当社グループは、受注生産の規模は小さいため、受注実績は記載しておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

67,532

3.5

米州

38,365

9.4

欧州

28,177

12.1

アジア

28,364

14.0

合計

162,440

8.0

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等

当社グループは、当連結会計年度より中期経営計画『New Global Plan-1(NGP-1)』(2021-2023年度)(以下『NGP-1』という。)に取り組んでおります。『NGP-1』においては、3つの基本方針、5つの柱、7つの重点課題を定め、連結売上高及び連結営業利益の数値目標を設定し、着実かつ確実な達成を目指しております。
 『NGP-1』の初年度である当連結会計年度の売上高は、前期比8.0%増(為替の影響を除くと前期比5.2%増)の162,440百万円となりました。『NGP-1』を設定した当初は、多くの領域において、コロナ禍の影響から需要が減少し、売上も伸びず、利益も減益傾向になると想定しておりました。しかし、フレーバー部門では、日本において飲料向けが堅調に推移した他、アフリカ、東南アジア地域のセイボリー分野で伸長いたしました。フレグランス部門では、衛生意識の高まりを背景とした消費、需要は堅調で、特に米州地域の芳香剤向けは、引き続き好調に推移いたしました。結果、売上高において過去最高を更新いたしました。

利益面では、営業利益は前期比40.1%増(為替の影響を除くと前期比38.2%増)の8,812百万円となりました。主な増益要因は、原料価格が安定的に推移したことに加え、増収が寄与したことであります。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比24.5%増8,909百万円となり、利益面でも過去最高を更新いたしました。

セグメントにつきましては、日本では、主に当社のフレーバー部門において、前期はコロナ禍により消費者の外出自粛などの影響で減収となったものの、当期は飲料用香料の需要が戻ってきたこと等により増収となりました。米州では、米国子会社がフレーバー部門において、大手飲料向け香料が好調に推移いたしました。同社のフレグランス部門でも前期に引き続き、コロナ禍において消費者の自宅での滞在時間増加等により芳香剤用香料が堅調に推移した他、衛生意識の高まりによるハンドソープ・洗剤用香料も引き続き堅調に推移いたしました。欧州では、フランス子会社がフレグランス部門において、コロナ禍で減少していた香水用の売上が戻り、加えて芳香剤用香料も前期に引き続き底堅く推移いたしました。アジアでは、シンガポール子会社がフレーバー部門において、飲料用香料が引き続き好調に推移した他、フレグランス部門でも柔軟剤用香料等が好調に推移いたしました。中国子会社は、前期にコロナ禍で物流等の停滞時期があった影響により低調だったものの、当期は正常化し好調に推移いたしました。なお、当連結会計年度の期中平均為替レートは、1ドルは110円と前期比で3円の円安、1ユーロは130円と前期比で8円の円安で推移したため、海外売上高の押し上げ要因となっております。国内売上高は67,532百万円、海外売上高は94,907百万円、海外売上比率は58%となっております。

 

 

 b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(資金需要)

当社グループにおける主な資金需要は、設備投資資金、運転資金、借入の返済及び利息の支払、配当金の支払並びに法人税の支払であります。

 

(資金の源泉) 

当社グループは、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等を資金の源泉としております。なお、当連結会計年度末における長期借入金等の年度別返済予定額は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑤連結附属明細表 借入金等明細表」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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