課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、経営の透明性、健全性、機動性を確保し、「理念」「ビジョン」「行動指針(アイビーの誓い)」を原点とした企業活動を行うことにより、理念と戦略と行動を一致させ、積極的な情報開示を行うことにより、全てのステークホルダーから信頼、満足される企業の実現に努めております。

[理 念]

 「愛と美と豊かさの実践と追求」

[ビジョン]

 「日本の肌はアイビーがつくる」

[行動指針]

 「アイビーの誓い」

   一、アイビー化粧品は、美と美の限りなき追求をします。

   一、アイビー化粧品は、自信と誇りをもった製品をとどけます。

   一、アイビー化粧品は、心を豊かにし、幸福の輪を広げます。

   一、アイビー化粧品は、地域社会への奉仕と還元につくします。

 具体的には、企業理念「愛と美と豊かさの実践と追求」に基づき、創業以来、人と人が直接出会い、コミュニケーションを取りながら、品質、機能性を追求した製品や、お客様視点にたったサービスを提供していく訪問販売、対面販売を展開する総合化粧品メーカーとして、「目の前の人を美しくすること」「美しくなった喜びや実感を伝えること」を地道に行い、幸せの輪、豊かさの輪を伝え続けています。

 そして、訪問販売領域の販売組織満足度を高めるとともに、全てのステークホルダーの満足度の向上を目指し、企業活動を行っています。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、これまで育んできた創業の精神を大切にしながら、変えてはいけない当社の独自価値である「製品力」「美容力」「教育力」はさらに磨きあげ、販売組織や時代の変化に対応して変えていくことが必要なものは変化をさせながら、「日本の肌はアイビーがつくる」というビジョン実現を目指してまいります。

 当社は、目標売上高の達成を最も重視しております。販売会社とは上代金額(定価ベース)で目標を共有し、その達成に必要な要素の構築を、販売会社とともに行っています。具体的には、販売組織を育成するための各種研修・イベントの開催や、自信と誇りを持てる製品の開発、販売組織が販売しやすい環境の整備等を行っています。それらを通じて、研修動員等を強化し、顧客の増客、販売組織の増員を図っております。

 そして、ビジョンを目指していく過程を通して、当社にかかわるすべての人が、当社の志や目指す生き方を、自身の生き方「私はアイビー」と捉えて行動することを全国の販売組織とともに取り組むことで、「出会った誰もが成長できるアイビー化粧品」、「買う側、売る側、つくる側が良いと感じる 三方よしのアイビー」の質を向上させてまいります。

 具体的には、「当社独自のビジネスモデルへのこだわりと、当社らしい営業スタイルの再構築」を通して、多くの方々が、自己の夢に向かってチャレンジできる環境の再構築を推進してまいります。同時に、大きなチャレンジや変化にも対応可能な強い財務体質への再編を行ってまいります。

 次に、「差別化できる高機能製品へのこだわり」です。当社の永遠の美のテーマ「ノーマライジング」の実現に向けて、エイジングケアを軸にした高品質・高機能製品の開発を推進します。また、美容液のトップブランド化を推進するための取り組みを継続的に展開してまいります。

 最後に、「地域に根差した活動」です。Face to Faceの信頼の上に成り立つ地域密着の販売・支援活動を継続的に推進し、販売組織のロイヤリティと顧客満足の向上に努めるとともに、人をより美しく、輝かせたいという販売員のモチベーションアップに尽力してまいります。

 今後も訪問販売事業拡大に集中展開し、ステークホルダーの信頼と満足、並びにより一層魅力のある企業に成長できるよう、現在の経営資源や価値を再研鑽しながら、経営基盤の強化と企業価値向上を図ってまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 当社は、売上に対する利益のレバレッジが高いという特徴を持っているため、目標売上高の達成を最重要視しておりますが、それとともに棚卸資産回転期間(当事業年度約11.4ケ月、目標6.0ケ月)、自己資本比率(当事業年度末51.9%、目標60.0%)、売上高経常利益率(当事業年度2.3%、目標15.0%)を経営重要指標(Key Performance Indicator)として、経営状況を常にチェックすることで、バランスのとれた経営を目指しております。

 今現在当社は無配でありますが、当事業年度におきましては、経営数値の改善に取り組みました。その結果、当社が復配の目安としていた自己資本比率50%を超え、当期末51.9%まで回復してきました。継続して、自己資本比率約50%を復配する上での目途としております。
 また、普通株式の希薄化にも十分配慮し、資本政策を行っております。当社としてはこの先も有利子負債の削減を行う予定です。

 

(4)経営環境

 当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染対策としてワクチン接種の促進や治療薬の確保、医療提供体制の強化等が通年行われ、感染動向に注視しながら各種政策に万全を期し、経済社会活動の正常化が図られてまいりましたが、厳しい状況が続き、社会的には「ウィズコロナ」といわれる環境への進展が加速しました。具体的には、テレワークの進展、非接触型ツールによるコミュニケーションの取り方の変化等が挙げられます。その一方で、本質的な人間活動は変わることがないため、リアルな関わりは逆にその価値を高め、重要性を増していくと考えております。

  当化粧品業界におきましては、海外からの入国制限によりインバウンド需要がほぼ消失し、令和3年の年間化粧品

 販売金額は前年比9%減(出典:経産省生産動態統計)の推移となりましたが、百貨店などの商業施設の営業状況が

 改善され、ワクチン接種が開始されたことから外出機会も増加しており、新しい生活様式へ順応しながら化粧品市場

 も徐々に回復に向かいました。オンラインでの販路拡大、顧客コミュニケーションの強化、デジタルカウンセリング

 の導入・定着、ライフスタイル提案型商品の訴求などコロナ禍に対応した施策や、“おうち美容"への関心の高まり

 によりスキンケアステップを見直す消費者が増え、美容液などのスペシャルケアの提案などにより需要も回復しまし

 た。前年は市場が伸び悩んだ美白訴求商品は、外出機会の増加に伴い需要回復が見込めることから市場拡大が期待さ

 れています。また、マスクの着用が定着したことから目元を明るくするポイントメークアイテムやマスクに色移りし

 にくいファンデーションの需要も高まりました。

  訪問販売化粧品市場では、チャネルを横断した展開が拡大・加速し、企業間競争は激しさを増しております。人を

 介したサービスを機軸にする訪問販売業界では、生活様式の変化に伴う販売活動の変化や離客などにより市場は縮小

 傾向となっています。また、中・高年齢層を中心とした需要へとシフトが進むなか、若年層の新規顧客・販売員の獲

 得、インターネットを用いた情報収集によって気軽に購入するという消費者ニーズの変化に対応することも重要な成

 長課題となっております。各社の強みを活かしながら「職業としての販売員の魅力」や、「活動意欲を高める教育制

 度の点検・見直し・充実」を推進し、新たな顧客との接点拡大と愛用者獲得に向け取り組んでいます。物質的な豊か

 さより精神的な豊かさが求められる昨今の消費スタイルや多様化する消費者層に対応するため、Webも活用した積

 極的なコミュニケーション、オンラインカウンセリング等で身近な存在であり続け、柔軟性のある販売・サービス体

 制の構築・提供はもとより、訪問販売だからこそできる価値、すなわち誠実・信頼を顧客に提供し続けることが求め

 られています。

 

(5)会社の対処すべき課題

 不況知らずといわれてきた化粧品業界ですが、少子化による国内人口の減少は最も深刻な課題となっており、ウィズコロナ・アフターコロナ時代の国内化粧品市場の伸び率は鈍化する見通しで大きなターニングポイントを迎えております。SNSの普及により企業が消費者と直接コミュニケーションを取れるようになったことで消費者にダイレクト訴求するビジネスモデルが確立しています。また、異業種の化粧品分野への参入、国内需要減少をカバーするためグローバルに海外販売網を広げる動きも加速しています。今後も企業間競争は激しさを増し、各企業とも企業価値の向上が必須となってきております。訪問販売化粧品市場においては、環境変化対応力や若い世代の顧客獲得も重要な課題となっており、リアルコミュニケーションと合わせて今後もオンラインカウンセリング、非接触型エステティックサービス等のビジネスモデルのDX化が進展すると見られております。

そうした状況下、当社は、「愛と美と豊かさの実践と追求」の理念のもと、長期ビジョンである「日本の肌はアイビーがつくる」を目指していく過程を通して、当社にかかわるすべての人が、当社の志や目指す生き方を、自身の生き方「私はアイビー」と捉えて行動することを全国の販売組織とともに取り組んでおります。重要課題としましては、これまで以上に環境の変化に対応できる強い財務体質、販売体質を再構築すると同時に、スピーディに多くの方が自己の夢に向かって挑戦できる環境づくりに引き続き尽力してまいります。また、当社のすべての独自価値を再研鑽し、変えてはいけない当社の強みは活かし、時代の変化によって変えていく必要があるものは、時代に合わせてより良い方向へ変化させ、「出会った誰もが成長できる会社」を目指してまいります。

翌事業年度の営業政策としましては、販売会社と共有した「同じ志をもつ仲間づくり、愛用者づくり」を具体的な目標に設定し推進してまいります。また、販売会社教育施策の展開、販売員の販売意欲の醸成及び育成、販売活動を支援する的確なセールスプロモーション、AI画像認識を活用した肌解析システムの活用拡大、当社独自のスマホアプリによる会員登録、販売データ管理等の継続推進、それらを支える営業社員の再戦力化を展開することで、基幹レギュラー製品、「レッドパワー セラム」、「ホワイトパワー セラム」(医薬部外品)、及び発売予定新製品の販売拡大を図ってまいります。

製品政策としましては、「美容液のトップブランド化の実現」を長期目標とするとともに、中期売上高目標を実現するため、競争力を保有する高機能製品の企画・開発、当社創業50周年に向けた大型製品の研究開発を強力に推進してまいります。また、「Labo営業担当」を置き、開発した新規基材、当社の価値等を顕在化させる取り組みを行ってまいります。生産管理体制においては、営業戦略に基づく仕事のやり方と連動する新・強化製品の需要予測の精度向上を図るとともに、販売ロス、在庫ロスの低減ができる効率的な調達・生産計画の構築、製品品質のさらなる向上を図ってまいります。

財務政策としましては、安定、かつ強固な本社基盤の再構築を最優先課題とし、キャッシュフローの改善に継続して取り組んでまいります。同時に棚卸資産の低減、原価管理、経費予実管理、営業系経費の費用対効果の検証の徹底、経費処理・売上債権チェック機能の強化を推進してまいります。また、コーポレート業務を担う管理系部門は、少数精鋭により業務の合理化を強力に推進してまいります。また、全部門長による最小の経営資源で最大の成果につなげるマネジメントを実行し、諸問題等の審議・共有・意思決定を迅速化し、解決行動をより一層、強化してまいります。

 

 

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