研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループは、顧客から支持されるヘアデザイナーなど、高い美容のノウハウを持つ方に、顧客の代表として参画していただく「TAC製品開発システム」という仕組みで製品開発を行っています。ヘアデザイナーのデザインづくりなど、感性的な美容のノウハウを科学的な手法で解明し、製剤化技術で製品に創り込みます。

当連結会計年度におきましては、基礎・基盤研究に注力することでヘアケア分野を強化し、また、SDGsの観点から環境への配慮を重視した研究開発活動に取り組みました。また、研究開発拠点を初めて海外(米国)に開設しました。

今後は新型コロナウイルス感染拡大の影響により加速した世の中の変化への対応、また、海外市場に向けては、従来の日本発のグローバル商品に加えて、各地の特性に合わせたローカル商品の開発に取り組み、世界の美容師、その先の顧客により喜んで頂ける商品創りを進めたいと考えています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,741百万円(売上高に占める割合は4.2%)であり、主な研究開発活動とその成果は次のとおりであります。

 

(1)ヘアケア分野

最新の毛髪研究成果と革新的な製剤開発技術の融合によってサロン品質を実現し、美容師の施術によって悩みを本質的に解決するサロンケア商品と、お客様の価値観やライフスタイルに合わせた美しい髪の実現を提案するホームケア商品の開発に取り組んでいます。

近年では、高明度ヘアカラーデザインの流行に伴って、ブリーチ処理によって引き起こされた毛髪ダメージに着目した商品を開発しています。

代表的な新商品として、プレミアムブランド「オージュア」からは、ブリーチのダメージで硬くなった毛髪内部の微細な構造特性を解明し、毛髪内のタンパク質を動きやすくさせる技術を開発して、柔軟性のあるやわらかな髪へと導く「オージュア リペアリティ」を発売しました。また、プロフェッショナルブランド「エルジューダ」からは、ブリーチのダメージで引き起こされる毛髪のうねりが、毛髪の親水化と毛髪内結合のひずみが原因であることを解明し、ブリーチ毛になじみやすく、毛髪内結合を緩める技術を開発して、ブリーチ毛をしなやかにまとまる髪へ導く「エルジューダ ブリーチケア」を発売しました。

 

(2)ヘアカラー分野

顧客に新たなヘアカラーデザインを提供する追加アイテムの開発と、最新の毛髪研究成果に基づいた付加価値の高い製剤開発に取り組んでいます。

ヘアカラーブランド「オルディーブ」においては、培ってきた基礎研究の成果を応用することで発色技術とダメージ耐性力を進化させ、様々な色相でヘアカラーによる肌映えを叶える「ルーセントライン」を発売しました。「オルディーブ アディクシー」からは、毎年増加しているブリーチ剤を活用した高明度ヘアカラーデザインへの対応幅を広げるために、ブラウンフリー設計により透明感のあるベージュ系の色味表現を叶える「ネイキッドライン」、酸の力でダメージの原因となるアルカリを軽減しながらも均一な染まりを叶える「AC2.5」を発売しました。

また、欧米圏専用ヘアカラーブランド「ソフィストーン」において、現地のニーズを調査することで開発した、柔らかなブロンドカラーの表現幅を広げるクール系ベージュ色を発売しました。

 

(3)基礎研究分野

最先端の研究を化粧品開発に応用するため、毛髪や細胞をナノレベルで観察できる大型放射光実験施設「SPring-8」の利用や、大学との共同研究を積極的に進めています。これらの成果は、当連結会計年度に発売した、「オージュア」や「milbon」などヘアケアブランドの新製品の特長に活用されています。

また、当社研究開発の強みであるビッグデータを活用して、白髪に関する研究を行った結果、白髪化の抑制に高い効果がある成分を発見しました。この研究内容を、第30回 日本色素細胞学会学術大会にて発表し、Best Presentation 賞を受賞しました。

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