当連結会計年度における当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は103,992百万円(前期比9.5%減)、営業利益は9,771百万円(前期比15.6%減)、経常利益は10,401百万円(前期比11.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,421百万円(前期比7.4%減)となりました。
なお、当社は当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しており、売上高は9,326百万円減少し、営業利益と経常利益はそれぞれ61百万円増加しております。
経営成績においては、より実態に即した分析を行うため、前連結会計年度から同基準を適用した前提に組替えて(以下「組替後」という。)比較しております。
当連結会計年度の売上高は、栄養補助食品関連事業が増収となったものの、化粧品関連事業に加え、前期販売した不織布マスクの反動減などにより、その他関連事業が減収となり、全体では103,992百万円(前期比1.1%減)となりました。営業利益は、売上減による売上総利益の減少に加え、主力製品のリニューアルに伴う広告費の増加や、関西物流センターの稼働に伴う減価償却費の増加、前期に店舗休業に伴う人件費を特別損失に計上していた影響などにより、9,771百万円(前期比15.6%減)となりました。経常利益は10,401百万円(前期比11.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,421百万円(前期比7.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
1)化粧品関連事業
売上高
化粧品関連事業の売上高は、58,809百万円(前期比0.7%減)となりました。
ファンケル化粧品 は、リニューアルした「エンリッチプラス」や「マイルドクレンジング オイル」などが好調に推移したものの、メイクやスペシャルケア製品などが振るわず、42,758百万円(前期比3.2%減)となりました。
アテニア化粧品 は、2021年4月に発売した基礎スキンケア「ドレススノー」や「スキンクリア クレンズ オイル」が好調に推移したことに加え、中国向け越境ECの寄与などにより、13,797百万円(前期比14.3%増)となりました。
boscia( ボウシャ ) は、リアル店舗向けの卸販売が振るわず、1,161百万円(前期比48.5%減)となりました。
販売チャネル別 では、通信販売は30,459百万円(前期比0.7%減)、店舗販売は13,213百万円(前期比4.8%減)、卸販売他は8,339百万円(前期比11.0%増)、海外は6,797百万円(前期比5.0%減)となりました。
営業損益
損益面では、販売促進費の効率的な使用に努めたものの、売上減による売上総利益の減少や、広告宣伝費を積極的に使用したことなどにより、営業利益は7,581百万円(前期比4.7%減)となりました。
2)栄養補助食品関連事業
売上高
栄養補助食品関連事業の売上高は、38,471百万円(前期比1.6%増)となりました。
製品面 では、「内脂サポート」や「カロリミット」が前年を下回ったものの、「年代別サプリメント」が海外を中心に大幅に伸長し、増収となりました。
販売チャネル別 では、通信販売は17,330百万円(前期比2.3%増)、店舗販売は6,586百万円(前期比7.3%増)、卸販売他は9,898百万円(前期比14.9%減)、海外は4,655百万円(前期比48.5%増)となりました。
営業損益
損益面では、新設した三島工場(サプリメント工場)の減価償却費の増加により原価率が悪化したことに加え、関西物流センター稼働に伴う減価償却費や、研究開発費の増加などにより、営業利益は3,902百万円(前期比22.6%減)となりました。
3)その他関連事業
売上高
その他関連事業の売上高は、6,710百万円(前期比16.9%減)となりました。
発芽米、青汁が減収となったほか、前期販売した不織布マスクの反動減などにより、その他が減収となりました。
営業損益
損益面では、減収による売上総利益の減少により、営業損失は25百万円(前期は224百万円の営業利益)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べて2,587百万円増加し、100,121百万円となりました。この要因は、流動資産の増加3,582百万円および固定資産の減少994百万円であります。流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金の増加4,620百万円と、未収入金の増加などによる流動資産「その他」の増加1,046百万円および売掛金の減少1,677百万円であります。固定資産の減少の主な要因は、減価償却等による有形固定資産の減少1,700百万円と、ソフトウエアの増加などによる無形固定資産「その他」の増加334百万円および繰延税金資産の増加749百万円であります。
負債は、前連結会計年度末に比べて269百万円減少し、26,048百万円となりました。この要因は、流動負債の減少425百万円と固定負債の増加155百万円であります。流動負債の減少の主な要因は、未払金の減少803百万円とポイント引当金の減少2,014百万円および契約負債の増加2,461百万円であります。固定負債の増加の主な要因は、役員株式給付引当金の増加108百万円であります。なお、ポイント引当金の減少および契約負債の増加は、収益認識会計基準等を適用したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて2,857百万円増加し、74,073百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金の増加7,421百万円と、配当金の支払いによる利益剰余金の減少4,102百万円および収益認識会計基準等の適用による期首調整の減少602百万円であります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末から1.0ポイント上昇し、73.3%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は30,108百万円となり、前連結会計年度末より4,620百万円増加いたしました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は13,097百万円(前連結会計年度は10,011百万円の収入)となりました。この内訳の主なものは、税金等調整前当期純利益9,575百万円、減価償却費4,563百万円および売上債権の増減額1,779百万円などによる増加と、法人税等の支払額3,304百万円などによる減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4,673百万円(前連結会計年度は8,135百万円の支出)となりました。この内訳の主なものは、有形固定資産の取得による支出4,007百万円および無形固定資産の取得による支出1,081百万円などによる減少であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,155百万円(前連結会計年度は4,170百万円の支出)となりました。この内訳の主なものは、配当金の支払額4,097百万円などによる減少であります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは8,424百万円のプラスとなりました。
当企業集団の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当企業集団の資金需要の主なものは、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは広告宣伝費等のマーケティング費用であり、品質向上のための研究開発費の大部分は費用として計上しております。
また、2019年4月に2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行しております。当該資金の主要な使途は、関西物流センターおよび三島工場(サプリメント工場)への設備投資であります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 生産実績には、見本品等を含んでおります。
当企業集団は、主に需要予測に基づく見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主要な販売先の記載については、総販売実績に対する販売先別の販売実績割合が100分の10
未満のため、記載を省略しております。
経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)中期方針」および「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当企業集団の経営成績に重要な影響を与える要因としては、個人消費の低迷、化粧品関連事業および栄養補助食品関連事業への異業種からの新規参入による競争激化が挙げられます。
化粧品の国内市場は成熟期を迎え市場成長が厳しい中、異業種からの新規参入も相次ぎ競争が激化しております。スキンケア市場では高価格帯商品と低価格帯商品への二極化が続いており、独自技術・サービスによる競争も厳しくなっております。また、海外市場でも同様に競争環境が厳しくなっております。このような環境下において、他社と差別化できる技術をもとに開発した商品・サービスの提供が経営成績に重要な影響を与えると考えております。
栄養補助食品業界は、市場が調整期を迎えて厳しい状況が続く中、高付加価値商品と大衆向け商品への二極化が進んでおります。人口に占める中高年層の割合が増えるとともに、2015年4月より機能性表示食品制度が開始となり、健康への関心がさらに高まっております。それらのニーズに合った商品・サービスの提供が経営成績に重要な影響を与えると考えております。
発芽米は、災害や天候不良などにより原料米価格に影響を及ぼし事業収益を低下させる可能性があります。
青汁は、災害や天候不良などにより生葉の生育に影響を及ぼし事業収益を低下させる可能性があります。
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