以下においては、当社グループの事業展開その他に関する事項のうち、リスク要因となる可能性が考えられる主な事項、及びその他投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で、行われる必要があるものと考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定のブランド及び商品への依存
当社グループは「消費者のライフスタイルを豊かにする」をコンセプトに様々なカテゴリーに亘るブランド及び製商品の開発及び販売を行っておりますが、現在主力とするブランドはBOTANISTとSALONIAになります。シャンプー・トリートメントを中心としたBOTANISTシリーズは「ボタニカル」(注1)の概念の浸透とともに、販売も拡大し、一定の認知を得たと認識しておりますが、同時に大手メーカー各社も「ボタニカル」をコンセプトとして掲げた商品を次々とリリースしており、「ボタニカル」カテゴリー内での競争は激化しております。
大手メーカーの更なる参入による競争激化や、「ボタニカル」カテゴリーについての消費者の嗜好の変化により、当社の主力ブランドであるBOTANISTシリーズへの支持が変動した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、BOTANISTに続く主要ブランドであるSALONIAについても、美容家電というカテゴリー内で大手メーカーと競合しているとともに、消費者の嗜好に影響を受ける商品であり、これらの状況が変化することで当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(注1)ボタニカル:植物由来の原料を使用して作られた化粧品などの製品
(2) 経済情勢の変化及び市場動向の変化に関するリスク
当社グループは、収益の大部分を日本国内及びアジア地域で得ているため、日本及びアジア地域の経済情勢の影響を受けます。今後、日本国内においては経済情勢や景気動向の変化、少子高齢化の進展、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う、経済活動や個人消費動向の変化が、アジア地域においては中国の経済情勢や景気動向等の変化による地域全体の動向の変化が、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの製商品の売上の大部分はヘアケア(美容家電を含む)、ボディーケア、スキンケアのカテゴリーに含まれており、これらのカテゴリーの市場動向の大きな変化によって当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料価格の高騰
当社グループの商品に含まれる原材料には、海外から調達されたものも含むため、国際情勢の状況次第では原材料価格が高騰する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 自然災害・感染症等のリスク
地震、台風、津波等の自然災害が発生した場合、当社グループの事業活動が遅延または中断する可能性があり、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。加えて、新型コロナウイルスなどの感染症の拡大により、供給元、納入先、物流などのサプライチェーンに影響が生じた場合や、当社グループの従業員に影響が生じた場合にも、同様の影響が生じる可能性があります。
新型コロナウイルスに対して当社グループでは、顧客や取引先、社員の安全を第一に考え、不要不急な外出やミーティングの禁止、在宅勤務(テレワーク)の積極推進、海外出張の禁止等感染予防等に努めております。また、供給元や販売先その他関係先とのコミュニケーションを取りながら事業への影響の低減に努めております。
しかしながら、新型コロナウイルスの収束に長期間を要し、経済環境への影響が大きくなることも想定され、その場合は当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法規制及び主要な事業活動の前提となる事項について
当社グループが取り扱うヘアケア及びスキンケア(以下「化粧品」)、健康食品及びサプリメント(以下「食品」)、及び美容家電の各商品は、その製造、品質・安全管理、表示・広告、販売等において各関係法令の規制を受けております。例えば、化粧品は主に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」)」、食品は「食品衛生法」、「健康増進法」、美容家電は「製造物責任法(PL法)」等の規制を受けます。
なお、各商品の表示・広告においては、それらの法規制以外にも「不当景品類及び不当表示防止法」の規制を受けます。更に、販売方法により「特定商取引に関する法律」、容器の種類により「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」等が適用されます。
当社グループでは、各関係法令のチェック体制を整備し法令遵守に努めておりますが、将来的にかかる法令の変更又は新たな法令の施行等があった場合は、当社グループの主要な事業活動が制限される可能性があります。
(6) 安全性
当社グループは製造及び梱包作業委託先に対する厳正な管理体制を整備し、安全性を確保できるように努めております。しかし、指定要件を満たさない原材料の使用や異物混入等を防止できなかった場合には、「製造物責任法(PL法)」に基づき損害賠償請求の対象となる可能性があります。また、商品の安全性に関する悪い風評が発生する可能性もあります。こうした場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 広告宣伝及びマーケティング
当社グループにおいては、インターネット等の広告宣伝により新規顧客を獲得しており、広告宣伝は重要なファクターであります。当社グループは、マーケティング戦略を重要な経営課題と位置づけ、効果的な広告宣伝を追求しておりますが、期待する効果をあげられない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 顧客情報に関するリスク
当社グループはインターネット販売を主要な販売チャネルとしていることから、多数の個人情報を保有しております。個人情報については、公益社団法人日本通信販売協会が定める「個人情報保護ガイドライン」および社内規程を遵守するとともに、情報セキュリティ部会を設置して情報管理体制の強化と社員教育の徹底に取り組んでおります。しかしながら、万一外部からの不正アクセス等により個人情報が社外に漏洩した場合、当社グループに対する損害賠償請求の提起、信用失墜等が生じることにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産保護及び重要な訴訟等
当社グループでは、自社商品の保護及び競合他社との優位性を保つため、特許権、商標権、意匠権等の知的財産権確保による自社権益の保護に努めておりますが、模倣品等による権利侵害がなされる可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないよう、商品開発には十分な調査を行った上で事業活動を行っておりますが、万一、当社グループが、第三者より権利侵害として訴えを受けた場合、その結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 海外販売のリスク
当社グループは、中国、アジアを中心に海外での販売を展開しております。そのため、社内における情報収集体制を強化し、海外販売リスクの未然防止に努めております。しかしながら、予測し得ない現地の経済情勢の変化、日本との政治的な関係性の悪化等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 消費者ニーズへの適合
当社グループは、新規ブランド及び商品の開発、育成並びにマーケティング活動の消費者ニーズへの適合状況により、当社グループの売上及び利益に大きな影響をもたらします。当社グループでは、消費者ニーズに応えるため、魅力的な新規ブランド及び商品の開発、マーケティング活動による新規ブランド及び商品の育成並びに既存ブランドの及び商品の強化を行っております。また、消費者ニーズに応えられなくなった既存ブランド及び商品の撤退を継続的に行っております。しかしながら、当該活動はその性質上、さまざまな要因による不確実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12) ブランド価値の毀損
当社グループは、「BOTANIST」「SALONIA」などのマルチブランド展開を図っており、各ブランドは、「商品を通じて世界中を幸せにする」との理念のもと、お客様の信頼に応えた商品・サービスの提供により、ブランドイメージの形成とその維持向上に十分努めております。しかしながら、当社グループの商品・サービスに関する否定的な評判や評価が世間に流布することによって信用が低下し、ブランドイメージが毀損された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13) リコール発生などの品質問題が及ぼす影響
当社グループはChain of Happinessのビジョンに基づいて、継続的に新規ブランド及び商品を生み出しており、常に新しいコンセプトや、機能の商品を開発することに努めております。当社グループは、商品の品質、安全性を担保する品質保証課を設置し、新しい領域の商品開発においても常に品質を重視しております。しかしながら、意図しない商品不良等により大規模なリコールが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 返品発生のリスク
当社グループは、国内小売店及び量販店等の商習慣に影響を受けており、過去に販売した商品について返品が生じる可能性があります。返品条件を契約書に明記し、かつ実際の返品受け入れについて取引先と個別協議を行っており、不必要な返品を防ぐとともに返品発生リスクの最小化を図っております。しかしながら、不良品等止むを得ない場合は返品を受け入れており、返品処理及び代替品の商品の配送等追加的な費用が発生することから、予測し得ない返品が多数発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 在庫のリスク
当社グループは、在庫の保有状況をモニタリングしながら生産数量と発注数量の調整を毎月実施し、滞留が予測される商品について販売施策を追加で立案することで在庫リスクの最小化を図っております。しかしながら、需要動向を見誤ったことによる欠品機会損失、ないし滞留在庫が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 競合の激化
当社グループの属する化粧品業界は、成熟した国内市場での同業他社と競争激化や他業界からの新規参入など競争環境はますます厳しくなってきております。したがって、当社グループがこの競争環境に的確に対処できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 為替リスク
当社グループにおいては、グループ間取引における為替リスクは本社が負うという方針に基づき、外貨取引における為替変動の影響を本社に集約し、本社にて為替管理を行っております。また、今後の海外売上比率の増加状況によっては、為替予約等の導入も検討してまいります。しかしながら、急激な為替レートの変動がある場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 重要な訴訟等
当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 業績の季節的変動について
当社グループの業績は、第4四半期連結会計期間(10月~12月)の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間と比較して増加する傾向にあります。当社グループが取り扱う製商品は、春秋に新商品の発売や定番商品の入れ替えが行われており、特に10月~12月に出荷が集中する傾向にあります。需要見通しに基づいて販売計画を策定しておりますが、消費者の需要動向が変化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社の前連結会計年度(自2020年1月1日至2020年12月31日)及び当連結会計年度(自2021年1月1日至2021年12月31日)の各四半期連結会計期間の売上高は以下のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)2.前連結会計年度の四半期会計期間の数値については、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく有限責任あずさ監査法人の四半期レビューは受けておりません。
(20) 特定の製造委託先への依存について
当社グループの製商品の製造については、国内及び国外のメーカーに製造委託しております。当社グループは各製造委託先と良好な関係を維持しており、安定的な供給を受けております。また、多数の製造委託先と継続的な関係を保つことで、製品製造委託の代替先確保にも努めておりますが、委託先の経営方針の変更、経営悪化、供給能力の低下等により、安定的な供給を受けられなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
BOTANISTブランドの主力商品群を山田製薬株式会社に委託しており、またSALONIAブランドの主力商品群を株式会社東亜産業に委託しており、当該2社への依存度は高くなっております。当該2社の経営方針の変更、経営悪化、供給能力の低下等により、安定的な供給を受けられなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(21) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化
当社グループは、当社グループ役員、従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は311,000株であり、発行済株式総数の約3.6%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、この株式価値の希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(22) 配当政策について
当社グループは、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけております。現時点では、当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
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