(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,786,001千円増加し、10,053,522千円となりました。このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,105,963千円増加し8,795,997千円となり、固定資産は、前連結会計年度末に比べて680,037千円増加し1,257,525千円となりました。
流動資産の主な増加要因は、銀行からの借入に伴う現金及び預金の増加454,330千円及び製品の増加424,335千円等によるものです。固定資産の主な増加要因は、有形固定資産の増加407,084千円、無形固定資産の増加132,139千円、及び投資その他の資産の増加140,813千円等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて583,183千円増加し、1,657,436千円となりました。このうち流動負債は、前連結会計年度末に比べて285,327千円増加し1,243,425千円となりました。流動負債の主な増加要因は、短期借入金の借入による増加79,877千円及び1年内返済予定の長期借入金の増加83,000千円等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べて297,856千円増加し、414,010千円となりました。固定負債の主な増加要因は、長期借入金の借入による増加256,956千円等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,202,817千円増加し、8,396,086千円となりました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益が1,116,666千円増加したこと等によるものです。なお、自己資本比率は83.5%(前連結会計年度末は87.0%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、ワクチン接種拡大や行動制限の緩和により緩やかな回復はみられたものの、円安傾向は続き原材料価格の高騰やウクライナ情勢の緊迫した状況等から国際社会の混乱による経済の下振れ懸念を抱えており、依然として先行き不透明な状態となっております。
国内化粧品市場においては、円安や原材料の高騰による各種の値上げにより、消費マインドの回復も遅れており厳しい市場環境となりました。
海外化粧品市場においても、新型コロナウイルス感染症によるロックダウン(都市封鎖)の影響を受け中国においては先行き不透明な状況が続き、中国市場の景気が減速しましたが、Eコマース市場では緩やかな回復傾向が続いております。
このような市場環境のもと、当社グループでは、中国本土で広告投資を強化し、販売力の強化を図るとともに、次世代の成長製品を創出すべく取り組みを進めてまいりました。
中国においては、中国ECチャンネルの拡大・深耕のため、中国子会社(Xiaozi Cosmetic (Shanghai) Inc.)において、動画プラットフォームTikTokの中国本土版「抖音(Douyin)」、Eコマースプラットフォーム「JD.com(京東)」に旗艦店を出店するとともに、越境ECでは動画プラットフォーム「Kuaishou(快手)」に旗艦店を出店しております。また、中国本土におけるSEO対策としてBaidu(百度)を活用しブランド力・認知度の強化にも努めるなど、広告投資や販売力の一層の強化を図るとともに、次世代の成長製品を創出すべく取り組みを進めてまいりました。特に中国市場を主なターゲットとして製品開発を行い、中・高価格帯の製品もEコマースで販売できるという中国の特性を活かし、更なるブランド力の向上を目指し、知名度を上げていく取り組みを進めております。
日本国内においては、2022年4月1日に化粧品・医薬部外品の製造工場を持つ株式会社ユイット・ラボラトリーズの全株式を取得し連結子会社化しており、製品開発のスピードアップや小ロットでの生産が可能となる地盤を整え、翌連結会計年度以降のシナジー創出に向け取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は8,215,618千円(前期比42.0%増)となって過去最高を更新し、利益につきましたも、増収効果により売上総利益は6,221,287千円(前期比52.6%増)と過去最高を更新いたしました。また、昨年と同様に、認知度・ブランド力向上に向け積極的に広告等の先行投資を実施した結果、販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は1,633,768千円(同18.1%増)、経常利益は1,746,872千円(同27.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,116,666千円(同28.6%増)となり、各利益につきましても過去最高となりました。
なお、当社グループは化粧品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業の区分別の販売先は、次のとおりであります。
区分 |
前連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
前年 同期比 (%) |
||||
金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
構成比 (%) |
||||
|
中国 売上 |
サロン |
1,046,201 |
18.1 |
1,318,236 |
16.0 |
126.0 |
|
Eコマース (Tmall Global、RED旗艦店、TikTok、 Taobao、その他ECプラットフォーム、 Tmall 卸) |
4,095,506 |
70.8 |
6,088,691 |
74.1 |
148.7 |
|
|
リテール (中国小売店・百貨店、日免・ 深免等中国空港免税店) |
84,557 |
1.5 |
92,876 |
1.1 |
109.8 |
|
|
|
計 |
5,226,265 |
90.3 |
7,499,804 |
91.3 |
143.5 |
|
日本 売上 |
サロン |
209,018 |
3.6 |
258,283 |
3.1 |
123.6 |
|
リテール (ドラッグストア、小売店、百貨店、 羽田・成田等日本空港免税店、直営店) |
56,404 |
1.0 |
237,294 |
2.9 |
420.7 |
|
|
その他 (Amazon、Yahoo、楽天、自社EC) |
118,755 |
2.1 |
90,513 |
1.1 |
76.2 |
|
|
|
計 |
384,178 |
6.6 |
586,092 |
7.1 |
152.6 |
|
その他 地域 売上 |
リテール (ロッテ・新羅免税店、シンガポール・ チャンギ空港免税店等) |
17,479 |
0.3 |
20,981 |
0.3 |
120.0 |
|
その他 (ロシア・オーストラリア・米国等) |
159,570 |
2.8 |
108,741 |
1.3 |
68.1 |
|
|
|
計 |
177,050 |
3.1 |
129,722 |
1.6 |
73.3 |
|
販売実績合計 |
5,787,495 |
100.0 |
8,215,618 |
100.0 |
142.0 |
[業績の概要] |
|
(単位:千円、%) |
|
|
前連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
|
金額 |
金額 |
対前期比 |
|
売上高 |
5,787,495 |
8,215,618 |
+42.0 |
営業利益 |
1,383,039 |
1,633,768 |
+18.1 |
経常利益 |
1,370,649 |
1,746,872 |
+27.4 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
868,637 |
1,116,666 |
+28.6 |
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ454,330千円増加し、6,389,690千円となりました。
当連結会計年度におけるにおける各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、797,693千円(前年同期は1,059,038千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,746,872千円に対して、棚卸資産の増加による支出237,944千円、及び法人税等の支払額688,430千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における投資活動の結果使用した資金は、775,356千円(前年同期は84,511千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7,231千円、無形固定資産の取得による支出57,602千円、及び子会社の取得による支出646,864千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における財務活動の結果得られた資金は、386,430千円(前年同期は3,959,187千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出110,044千円はあったものの、短期借入金及び長期借入金の借入による収入がそれぞれ79,877千円及び450,000千円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは化粧品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
a.生産実績
最近2連結会計年度における生産実績は次のとおりです。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
|
金額(千円) |
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
|
化粧品事業 |
1,628,845 |
2,235,103 |
137.2 |
(注) 金額は製造原価によっております。
b.受注実績
当社は見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
c.販売実績
最近2連結会計年度における販売実績は次のとおりです。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
|
金額(千円) |
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
|
化粧品事業 |
5,787,495 |
8,215,618 |
142.0 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は
次のとおりです。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
|||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
愛仕蘭化粧品(上海)有限公司 |
711,159 |
12.3 |
- |
- |
|
大連嘉悦商貿有限公司 |
- |
- |
986,330 |
12.0 |
(注) 当連結会計年度の愛仕蘭化粧品(上海)有限公司に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実
績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。また、前連結会計年度の大連嘉
悦商貿有限公司に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実に対する割合が100分の10未満のた
めの記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
当社グループは、当連結会計年度において、2019年8月からスタートした3ヵ年中期経営計画に基づき、中国本土で広告投資を強化、販売力の強化を図るとともに、次世代の成長製品を創出すべく取り組みを進めてまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は8,215,618千円となり、前連結会計年度に比べ42.0%増加いたしました。
地域別にみると、中国国内売上で7,499,804千円、日本売上で586,092千円となっております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は1,994,330千円、売上総利益は6,221,287千円となりました。売上原価の低減に努めた結果、売上原価は売上高比率で24.3%、売上総利益率は75.7%になっております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費の主な項目として、従業員給料及び手当452,108千円(売上高比率5.5%)、ブランドの認知力向上の為に傾注した広告宣伝費1,578,223千円(売上高比率19.2%)を計上した結果、販売費及び一般管理費合計で4,587,519千円(売上高比率55.8%)となりました。
広告宣伝費の対売上高比率は19.2%、広告宣伝費と主にTmall Global売上高に応じて発生する支払手数料と合わせた対売上高比率は34.5%と、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に掲げた20%前後、35%前後を維持することができた結果、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引きました営業利益は1,633,768千円(売上高比率19.9%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益では主に為替差益113,956千円(売上高比率1.4%)を計上し117,561千円(売上高比率1.4%)となり、営業外費用では主に借入金の増加による支払利息を4,440千円(売上高比率0.1%)を計上し、4,457千円(売上高比0.1%)となりました。結果として経常利益は1,746,872千円(売上高比21.3%)となりました。
(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計で630,206千円(売上高比7.7%)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,116,666千円(売上高比13.6%)となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、10,053,522千円となりました。
当連結会計年度末における負債は、1,657,436千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、8,396,086千円となりました。
主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであり
ます。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が707.4%、自己資本比率が83.5%になっております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループは、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、新製品上市のための研究開発投資、店舗の出店、生産性向上のための設備投資、認知度拡大のための広告投資等があり、主な資金の源泉は、化粧品と健康補助食品の販売による収入となります。
なお、当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高は6,389,690千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成にあたっては、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りが必要となります。この判断及び見積りについては過去の実績等を勘案して合理的に判断しております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しておりますが、以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。また、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(棚卸資産)
製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品は、主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。四半期末及び期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、滞留及び過剰在庫の内、陳腐化した棚卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積もっております。
(有形固定資産)
当社グループでは、有形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の判定を行っております。また、減損リスクの管理として、新たな遊休及び休止資産の発生等の可能性の把握とその対応を行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については、将来キャッシュ・フローをもとにした使用価値により測定しております。経営者はそれらの将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローが減少し、減損損失が発生する可能性があります。
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