文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、接着剤、シーリング材等の製造販売業であるボンド、化学品を専門に扱う商社業である化成品、補修・改修・補強工事等を請負う土木建設工事業を行う工事事業、その他の事業において、顧客のニーズにあった製品・商品の開発や製造、サービスの提供を通じて社会およびステークホルダーの信頼に応えていくとともに、株主の皆様への利益還元を図るため、収益力の向上、企業価値の増大に努めて参ります。
(2) 経営環境
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、感染者数減少やワクチン接種の普及拡大等に伴い、個人消費や企業活動が回復する見込みとなっております。しかしながら、ウクライナ情勢の悪化による地政学リスクの高まりや、資源価格の更なる高騰、供給網混乱などが企業収益を押し下げ、日本経済の回復に大きく影響を及ぼす可能性もあり、依然として予断を許さない状況が続いております。
このような中、ボンド事業においては、住関連分野では住宅着工戸数は景気持ち直しの動きが本格化していく中で住宅需要も回復し、戸建て住宅を中心に増加すると予想されます。また、土木建築分野においてもビル・マンションなどのストック市場およびインフラ市場における補修・改修は堅調に推移することが予想されます。しかしながら、接着剤やシーリング材に使用される原材料価格の更なる上昇、輸送コストの高騰により利益が圧迫されることが予想されます。化成品事業においては、情報通信機能の強化・拡大、自動車の電装化、人手不足を背景としたロボット需要の高まりなど、先端分野では引き続き成長が続くと予想されます。工事事業においては、国土強靱化基本計画が推進され、老朽化したインフラの整備や維持管理の需要の拡大が引き続き見込まれています。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ボンド事業におきましては、住関連分野向け接着剤や土木建築用接着剤・シーリング材などのコア事業強化だけではなく、電子電材、自動車業界などの成長市場への新規開拓活動強化に努め、事業領域の拡大に努めて参ります。一方で、昨年度に引き続き今年度も更なる原材料価格の高騰が見込まれており、再度製品価格改定を実施するものの、利益面では厳しい状況となる見込みです。
化成品事業においては、自動車、電子電機、化学工業へ営業強化を図り、放熱、耐熱用途商材の拡販に努めて参ります。また、従来の売上重視から利益志向へシフトし、営業活動の見直しや自社技術を生かした新製品の市場導入をめざし、利益率の向上を図って参ります。
工事事業においては、高利益率工事の受注や元請工事の比率向上を行い、社会インフラ・建築ストック市場における補修・改修工事事業の拡大を強化して参ります。人手不足に対する課題については、採用強化、雇用確保の施策を検討し、事業拡大が維持できるような体制の構築に努めます。
研究開発部門はニーズに応えお客様から選ばれる製品開発を行って参ります。また、生産部門の効率化、物流体制の再構築による物流サービスの質的向上を推進するとともに、徹底した低コスト体質への変革にも取り組んで参ります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業活動の成果をあらわす経営指標として事業拡大と収益性を重視し、売上高、営業利益、営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)を重点経営指標としております。当連結会計年度における売上高は113,671百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益は7,298百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益率は6.4%(前年同期は6.6%)、自己資本当期純利益率(ROE)は7.7%(前年同期は7.9%)となりました。
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