当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」
という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・
検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、感染力が強い新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が再拡大するなか、資源価格の高騰や日米金利差等を要因とした歴史的な円安による企業間物価の上昇もあり、製造業を中心に停滞感が強まっております。一方、世界経済に目を移すと、資源価格の上昇やサプライチェーンの目詰まり感、さらにはロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクやエネルギーの供給不安などから、経済成長のペースが鈍化していく恐れが生じております。また、当社グループの主要販売マーケットである中国の経済においても、相次ぐ主要都市のロックダウンや不動産市況の悪化から、減速懸念が広がっております。
このような経営環境のなか、当社グループにおいては、売上高は計画を若干下回ったものの、ほぼ当初計画どおりに推移しましたが、営業利益が計画を大幅に下回りました。主に、国産ナフサや原油等の資源相場が、期初想定していた2倍程度まで高騰したことにより、原材料や燃料価格を中心に原価が上昇したこと、加えて、中国での販売不振等の継続により長期在庫に対する評価損が解消できなかったことによるものです。
主な活動内容としては、2025 年度を最終年度とする5年間(2021年4月~2026年3月)に亘る第三次中期経営計画を策定し、積極的な営業・研究開発活動を展開するとともに、全社に亘る全ての業務を根本から見直すなど一層の生産性向上・改革に取り組みました。また、同中期経営計画で標榜する派生新事業による新たなビジネスの創出として、当社のコア技術を活用した加硫接着剤フィルム「ACULAH®」の製品化に取り組みました。このほか、茨城工場の新たな高機能テープ一貫生産ラインでの生産を開始し、所有不動産の有効活用にも取り組みました。
その結果、当連結会計年度の 売上高は225億15百万円 ( 前年同期比3.9%増 )、 営業利益は1億34百万円 ( 前年同期比4.7%増 )、為替関係の損益が差引で1億76百万円計上されたことにより、 経常利益は3億70百万円 ( 前年同期比50.7%増 )、 親会社株主に帰属する当期純利益は1億62百万円 ( 前年同期比78.8%増 )となりました。
当社グループは、粘着テープの製造・販売を行っておりますが、製品部門別の売上高状況は以下の通りです。
(梱包・包装用)
巣ごもり需要の一巡によりホームセンター向け需要は低調に推移しましたが、輸出取引が復調したため、当製品部門の
売上高は29億37百万円
(
前年同期比0.8%増
)となりました。
(電機・電子用)
半導体不足の影響により、モバイル機器用テープが低調に推移しましたが、電子部品用テープの需要が堅調に推移したため、当製品部門の
売上高は121億99百万円
(
前年同期比3.8%増
)となりました。
(産業用)
ホームセンター向けポリエチレンクロステープが低調に推移しましたが、オフィス用、インフラ・建築関連の需要が回復したため、当製品部門の
売上高は73億78百万円
(
前年同期比5.4%増
)となりました。
当社グループの事業は、粘着テープの製造・販売の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績につきましては、製品部門別に記載しております。
当連結会計年度における実績は、以下のとおりであります。
(注) 金額は販売価格で表示しております。
当社グループは主として見込生産によっております。受注実績に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度における実績は、以下のとおりであります。
(注) ( )内の数字は海外売上高であります。
当連結会計年度末の総資産は、 前連結会計年度末と比べ1.1%増加 し 374億43百万円 となりました。
流動資産は、 前連結会計年度末と比べ10.2%減少 し 182億2百万円 となりました。これは、主として設備投資に伴う現金及び預金の減少によるものです。
固定資産は、 前連結会計年度末と比べ14.9%増加 し 192億40百万円 となりました。これは、主として茨城工場の高機能テープ一貫生産ライン新設によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、 前連結会計年度末と比べ4.6%増加 し 83億53百万円 となりました。
流動負債は、 前連結会計年度末と比べ0.6%減少 し 63億41百万円 となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の減少によるものです。
固定負債は、 前連結会計年度末と比べ25.4%増加 し 20億12百万円 となりました。これは、主として長期借入金の増加によるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、 前連結会計年度末と比べ0.1%増加 し 290億89百万円 となりました。これは、主として為替換算調整勘定の増加によるものです。
以上の結果、自己資本比率は 77.7% (前連結会計年度末 78.4% )となりました。
当連結会計年度末における現預金及び現金同等物(以下「資金」という)は、 前連結会計年度末と比べ29億67百万円減少 し 48億13百万円 となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、棚卸資産の増加の影響が大きく、 57百万円 の減少(前年同期は 2百万円 の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用した資金は、 31億87百万円 (前年同期は 15億36百万円 )となりました。これは、主に有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、 1億9百万円 (前年同期は 77百万円 )となりました。これは、主に一部固定資産取得のための借入実行によるものです。
資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりとしております。
①資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入および新製品生産や増産対応等にかかる設備投資によるものであります。
②財務政策
当社グループは現在、運転資金および設備投資資金については、主として自己資金を充当することとしております。また、連結子会社で資金が必要な場合には、目的、資金使途等により、グループ会社間融資又は銀行借入を行っております。なお、当連結会計年度末の連結借入金総額は、7億84百万円となりました。
当社グループは財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することを主眼としております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
お知らせ