当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年4月以降断続的に緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用がされる中、段階的な経済活動の再開により持ち直しの動きがみられました。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの高まりを受け、金融資本市場の変動、原材料価格の上昇や供給面での制約を受ける等、インフレリスクと同時に景気の下振れリスクに十分注意する必要があります。
当軟包装資材業界におきましては、コロナ禍の長期化を背景に内食・中食関連商品が引き続き底堅く推移いたしましたが、世界的なサプライチェーンの混乱に伴う原材料の調達遅延や価格上昇の影響が出始める等、先行きは不透明な状況です。
このような状況下、当連結会計年度の業績は、売上高は28,161百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益は2,999百万円(同24.6%増)、経常利益は3,070百万円(同26.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,163百万円(同91.9%増)となりました。
増収の主な要因は、以下の部門別概況に記載のとおりであります。増益の主な要因は、運送費や原材料費の値上げ影響を受けたものの、国内・米州地域をはじめとする増収によりコスト増加をカバーしたことによるものです。親会社株主に帰属する当期純利益の増加要因は、前連結会計年度において、海外連結子会社Taisei Lamick Malaysia Sdn. Bhd.の固定資産に係る減損損失を特別損失として計上したこと等によるものです。
部門別概況は以下のとおりであります。
国内市場においては、コロナ禍の長期化を背景に内食・中食需要が引き続き底堅く推移したことにより、前年同期の売上高を上回りました。海外市場においては、ASEAN地域で新型コロナウイルス感染状況により景気動向が起伏を繰り返す中で、包材需要は回復基調であることに加え、米州地域でミールキット市場が引き続き堅調に推移したことにより、前年同期の売上高を上回りました。その結果、売上高は25,046百万円(前年同期比6.1%増)となりました。
国内市場においては、コロナ影響は一定程度あるものの、経済活動の再開に伴い検収が順調に進んだことに加え、新機種の販売及びメンテナンス売上の伸長により前年同期の売上高を上回りました。 海外市場においては、東アジア地域、ASEAN地域で新型コロナウイルス感染拡大の影響により営業活動が制限され、受注案件の減少により前年同期の売上高を下回りました。米州地域ではコロナ禍での衛生面への配慮から調味料等の個包装化が進んだことに加え、当社包装機械のブランド定着が進捗したことにより販売台数が増加した結果、海外全体では前年同期の売上高を上回りました。その結果、売上高は3,114百万円(前年同期比33.4%増)となりました。
なお、財政状態の状況は以下のとおりであります。
a. 資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ1,967百万円増加し、31,398百万円となりました。
このうち流動資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,632百万円増加し、16,587百万円となりました。これは主に、売掛金が559百万円、商品及び製品が468百万円、現金及び預金が333百万円、原材料及び貯蔵品が191百万円増加したことによるものです。
固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ334百万円増加し、14,810百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が240百万円、土地が101百万円増加したことによるものです。
b. 負債
当連結会計年度末における総負債は、前連結会計年度末と比べ605百万円増加し、8,560百万円となりました。
このうち流動負債合計は、前連結会計年度末と比べ763百万円増加し、8,153百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が274百万円減少した一方で、買掛金が662百万円、未払金が312百万円増加したことによるものです。
固定負債合計は、前連結会計年度末と比べ158百万円減少し、406百万円となりました。これは主に、長期借入金が213百万円減少したことによるものです。
c. 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ1,361百万円増加し、22,838百万円となりました。これは主に、自己株式が659百万円増加した一方で、利益剰余金が1,679百万円、為替換算調整勘定が268百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ323百万円増加し、5,284百万円となりました。
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,601百万円(前年同期比10.0%減)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,097百万円、減価償却費1,044百万円等であります。
支出の主な内訳は、法人税等の支払額1,014百万円、棚卸資産の増加額616百万円、売上債権の増加額468百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は766百万円(前年同期比35.7%減)となりました。
これは主に、国内生産設備の改修及び生産性向上設備の導入等に伴う有形固定資産の取得による支出725百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,573百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
収入の主な内訳は、短期借入れによる収入107百万円であります。
支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出661百万円、長期借入金の返済による支出488百万円、配当金の支払額483百万円等であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、包装フィルム及び液体充填機の製造・販売事業の単一セグメントであるため、部門・区分別に記載しております。なお、当連結会計年度より区分方法を一部変更しており、当連結会計年度の比較は変更後の区分方法に基づいております。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1. 上記の金額は販売価格によっております。
2. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
3. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
当連結会計年度における製品仕入実績は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は仕入価格によっております。
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
(注) 1. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
2. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
2. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
3. 主要顧客については、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると判断される項目は識別されておりません。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前連結会計年度と比較して2,224百万円増加し、28,161百万円(前年同期比8.6%増)となりました。なお、売上高の増加要因については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
営業利益は、前連結会計年度と比較して591百万円増加し、2,999百万円(同24.6%増)となりました。営業利益率は10.7%となり、前年同期比1.4%上昇しました。その主な要因は、運送費や原材料費の値上げ影響を受けたものの、国内・米州地域をはじめとする増収によりコスト増加をカバーしたことによるものです。
経常利益は、前連結会計年度と比較して645百万円増加し、3,070百万円(同26.6%増)となりました。経常利益率は10.9%となり、前年同期比1.5%上昇しました。その主な要因は、営業利益が591百万円増加したことに加え、為替差損益が好転したこと等によるものです。
特別利益は、前連結会計年度と比較して37百万円増加し、39百万円(前年同期は1百万円)となりました。その主な要因は、保有株式の売却による投資有価証券売却益30百万円があったこと等によるものです。
特別損失は、前連結会計年度と比較して747百万円減少し、12百万円(前年同期は760百万円)となりました。その主な要因は、前連結会計年度において、海外連結子会社Taisei Lamick Malaysia Sdn. Bhd.の固定資産に係る減損損失を特別損失として667百万円計上したこと等によるものです。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して1,035百万円増加し、2,163百万円(前年同期比91.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は7.7%となり、前年同期比3.4%上昇しました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態の分析については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性のキャッシュ・フロー分析については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入金により資金調達を行っております。このうち、運転資金は自己資金及び短期借入金、設備投資資金は長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)により調達しております。短期借入金及び長期借入金の当連結会計年度末の合計残高は555百万円で、すべて金融機関からの借入によるものです。
また、新型コロナウイルス感染症による影響については、現状において事業活動に必要十分な手許資金を保有しており、資金調達手段についても確保しているため、特段影響を与えることはないと考えております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、収益率の向上と健全な財務体質が企業の安定成長に重要であると考え、営業利益等の損益項目を重視しております。
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