文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「液体包装の分野において、たゆまぬ研究と実践で培ったノウハウを、『安全、安心、便利』そして『持続可能な社会の実現』のために提供し続けます」を企業の使命としております。
当社グループの製品・サービス、液体包装にかかわるノウハウをお客様に提供し、お客様及び消費者の皆様、そして社会に対し安定的かつ高度な価値と満足をお届けすることを目指しております。
これら活動を継続・発展させることを通じ、当社グループ事業を支えてくださる仕入先様を含む協力会社の皆様、そして中長期的企業価値の向上による株主の皆様との利益を共有できると考えております。
(2) 経営の基本戦略
当社グループは、小容量の液体包装分野において利用される包装機械「液体充填機DANGAN」シリーズと、最適な包装性能を実現する高機能包装フィルムの双方を提供しております。
加えて、高いスキル・ノウハウの求められる液体包装オペレーションに対し、当社グループが長年にわたり培ってきた液体包装にかかわる経験と技術をもとに、アドバイザリー機能やお客様研修等、知見の提供も積極的に行っております。
液体包装分野において、「包装フィルム」「包装機械」「オペレーションサービス」を三位一体でワンストップ提供するわが国唯一の企業であり、これが当社の「強み」となっております。
この「強み」をさらに強く、継続的に提供価値の向上及び新たな価値の創造に生かし、お客様・社会の要請に応えていくことを基本戦略としております。
当社グループは、経営方針に基づき安定かつ継続的な成長と利益の確保を経営目標としております。
当社を取り巻くこれまでの経営環境は、日本国内、海外ともに総じて堅調な景気に支えられ、需要は概ね拡大基調にありました。一方、長期的には日本の人口減少に伴い、「需要総量」「労働力」の漸減が予想され、国内の経済成長を下押しするリスクがあります。
また、短・中長期的には、社会的重要課題である環境負荷低減、コロナ禍の長期化や地政学リスクの高まり等、経営環境が想像以上のスピードで変化する中での臨機応変な対応とともに堅固な経営態勢の強化が求められております。
このような経営環境を踏まえ、長期的視点から、経営リスクをコントロールしつつ持続的成長を実現する経営を目指し、次の戦略を推し進めてまいります。
「利益額・利益率の最大化の継続」
地政学リスクの高まりを受け、足元では原材料の価格高騰や供給不安が懸念されています。このような状況下で今後も利益を確保するため、強みを生かした付加価値の高い製品やサービスの提供を追求するとともに、販売価格の継続的な見直し及び徹底したコストダウンに取り組んでまいります。中長期では、上記施策に加え、製品の安定供給維持や生産効率向上のためのあらゆる戦略を推進してまいります。
「海外事業基盤の確立」
コロナ禍による物流混乱や輸送費高騰の影響を受け、顕在化した製品の安定供給に対する課題に対応すべくグローバルサプライチェーンの最適化に取り組むとともに、各地域特有のローカルニーズに合わせた戦略を策定・実行することで、量と質を兼備した事業の確立を進めてまいります。
「液体包装事業の新たな価値創造~唯一無二のビジネスへ~」
これまで研究・開発を進めてきた新たな価値づくりを発展させ、お客様の生産性向上へ貢献する液体包装ソリューションの構築を進めてまいりましたが、今後は運用テスト及び評価フェーズに移行し、実用化に向けて取り組んでまいります。
「持続可能な社会の実現へチャレンジ」
フィルム・充填機械の両方を提供する唯一の企業として、新規材料による環境対応フィルムの開発と充填機械との親和性を課題とし、「環境負荷低減」と「生産性・機能性」を両立するソリューション開発を推進してまいります。
また、既に取り組んでおります輸送時のモーダルシフト推進や太陽光発電等に加え、当社グループの事業活動におけるCO 2 削減への取り組みの継続や、DX等による多様な切り口で業務効率化を図り生産性向上への取り組みも推進してまいります。
a. 研究開発
既存の製品・サービス分野では、包装に求められる機能性を維持しつつ環境負荷の低減に貢献する包装フィルムの開発、お客様のさらなる生産性向上に貢献する包装機械の開発に持続的に取り組んでおります。
また、液体包装分野でこれまで培ってきた知見・経験に磨きをかけつつ、新たな価値提供分野の研究・開発にも取り組んでまいります。
b. コスト競争力の強化
地政学リスクの高まりや新型コロナウイルス感染症の影響を受け、世界的なサプライチェーンの混乱に伴う原材料の調達遅延や価格上昇の影響が出始めております。そのような状況においても、安定的な生産体制を維持しつつ、当社製品製造にかかわる生産コスト削減をはじめとし、全社的な全リソースの最適化を図ることで利益率の改善、コスト競争力の強化に努めてまいります。
c. 組織体制の最適化
組織体制の整備は完了し、2020年4月よりユニット制に移行しております。今後も戦略遂行にあたり、スピーディーな意思決定と確実な戦略運営を行うため、適時・的確に組織体制の最適化を行ってまいります。
d. 人財
人財は最重要の経営リソースと認識しております。将来の経営環境と戦略を見据え、最適な人員数運営と能力開発に注力してまいります。人財運営にあたっては、従業員満足と戦略遂行のバランスが不可欠であり、常に必要な人事制度の改革にも継続的に取り組んでまいります。
a. ローカル市場への対応
「生産性向上」「環境負荷低減」等、各地域共通の課題がある一方、各市場それぞれに固有のニーズも多数存在します。このような地域特性に合わせ、きめ細かく対応するローカル戦略の重要性は極めて高いと認識しております。そこで当社グループでは、事業を展開する各地域それぞれで、地域特性に合わせた事業戦略、製品・サービス戦略を進めてまいります。
b. その他
「研究開発」「コスト競争力」「組織体制」「人財」に関する課題は国内事業と共通です。各地域において、ローカルニーズに合わせそれぞれの課題を認識し、対応を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない中、国内外の経済活動は正常に戻りつつあるものの、今後も先行き不透明な状況が続くと考えており、当社グループを取り巻く環境の変化を注視してまいります。引き続きお客様、従業員の安全確保を最優先に感染防止対策を講じ、事業の継続に努めてまいります。
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