研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)における研究開発活動は、当社及びPT. FUMAKILLA INDONESIA、Fumakilla Malaysia Bhd.、フマキラー・トータルシステム株式会社、FSブルーム株式会社が行っております。

 また、昨年7月にイタリアに「FUMAKILLA EUROPE S.R.L」を設立、本年2月には、欧州市場で殺虫剤等の製造販売事業を手掛け、イタリアの園芸小売店での販売力に強みを持つイタリアの会社「Zapi Industrie Chimiche S.p.A.」の株式を取得し、子会社化いたしましたことにより、ヨーロッパにも開発拠点ができました。

 当社は、ひとの命、ひとの暮らし、ひとを育む環境を守る。という経営理念のもと、企画・設計の段階から製造・販売に至るまで、レスポンシブル・ケアの精神に則り、環境負荷を低減した、クオリティの高い商品を社会に提供し、明るく健康で快適な生活環境づくりに貢献します。また、消費者視点に立った新価値創造型商品を開発・上市することで、世界に感動を与え、世界中のお客様から愛される企業になることが我々の企業使命です。この目標に向かい、絶え間なく研究開発を行っております。

 

日本における研究開発活動

 害虫が媒介する感染症の患者数増加や外来生物の日本上陸、そして昨今、猛威を振るうウイルスや細菌による「見えないリスク」に対応する研究開発を国内外の研究拠点と連携し、重点的に実施しています。

くわえて、殺虫用医薬品・医薬部外品をはじめ、農薬・肥料、ウイルス対策剤・除菌剤やアレルギー対策商品に代表される家庭用品及びしろあり駆除・木材保存剤等の研究分野でも、国内外の研究開発機関との共同研究を始め、生物的、化学的、物理的に最新の技術と長年に亘る基礎科学研究と応用開発研究によって、独自の商品開発を行っております。また、世界戦略に基づく知的財産権の権利化を積極的に行っております。

 現在の日本における研究開発体制は、開発本部の下に、開発研究部、開発企画部、海外開発研究部及び開発管理室の4部門で構成されており、当連結会計年度における研究開発費用は928百万円であります。

 事業部門別の研究開発活動は、次のとおりであります。

 

(1)殺虫剤部門

 各種の疾病原因となる害虫の被害から人々を守り、健康で快適な生活環境を確保するため、蚊・ゴキブリ・ハエ等の衛生害虫を駆除する医薬品・医薬部外品殺虫剤、忌避剤をはじめとし、アリ・ハチ・アブ・ムカデ等の不快害虫駆除剤、忌避剤等、安心で使いやすい製剤の研究開発を行っております。殺虫剤開発部門は当社の研究開発の中心でもあり、日々、最新の研究開発に取り組んでおります。

 

(2)家庭用品部門

 キッチン・トイレ・浴槽等の水回り場所、玄関、下駄箱、押入れ・ロフト等、床下から屋根裏までの生活・居住空間と人の身の回りのアメニティを追求し、それらを向上する商品を提供するため、ウイルス対策剤・除菌剤、洗浄・清潔剤、除臭剤、除湿剤、花粉等のアレルギー対策商品等の研究開発を行っております。特に除菌剤と花粉対策商品については、市場を牽引するリーダーとして、お客様のニーズに対応した商品のラインナップに努めております。

 

(3)園芸用品部門

 植物を害虫・病気・冷夏や酷暑といった様々な要因や鳥獣の害から守り、植物の生活環境を人のそれと同様、健康で快適にする商品を提供するため、農薬・肥料等をはじめとし、各種の害虫やナメクジ駆除剤、犬猫忌避剤等の研究開発を行っております。特に園芸用品部門においては、お客様の望まれる、安心安全、脱ケミカル、天然志向などに配慮した商品開発に注力した研究開発を行っております。

 また、FSブルーム株式会社では、成田シードセンター(千葉)にて、花の各品種における日本の気候下でのパフォーマンスを調査するとともに、カダンブランドの花苗と薬剤の効力実験などを共同で行なっています。

 

(4)防疫剤、その他売上部門

 健康で快適な生活環境を確保するため、業務(PCO,TCO,公共団体)用の蚊・ゴキブリ・ハエ等の衛生害虫を駆除する医薬品・医薬部外品殺虫剤をはじめ、(社)日本しろあり対策協会認定のしろあり駆除・木材保存剤、チョウバエ、ユスリカに代表される不快害虫駆除剤、床下用調湿剤・機材、その他生活環境保全に関する研究開発も行っております。

 家庭用殺虫剤分野で培った製剤技術を応用し、工場、鉄道・航空運輸、店舗等向けの製剤や機器の開発にも注力しております。

 

東南アジアにおける研究開発活動

 東南アジアでは、年中、蚊やハエが生活環境に存在します。熱帯で蚊に刺されることは、重大な疾病感染のリスクにさらされたことを意味します。それはマラリア、デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、日本脳炎など人命に関わる重篤な症状を引き起こす疾病を、蚊が媒介しているからです。従って、何よりも、まず、人命を守る上で、大切な殺虫剤分野に注力して、研究開発を行っています。誰もが使いやすく、本当に効果のある商品を、低価格で、社会の隅々まで、お届けするのが、我々の使命です。

 なお、東南アジアにおける当連結会計年度の研究開発費用は64百万円であります。

 

(1)殺虫剤部門

 東南アジアの蚊は、日本の蚊と比べると数倍の薬剤抵抗性があります。日本から単純に同じ商品を持っていっても、期待した効果を発揮することはできません。現地の蚊に合わせて効果を発揮する配合処方の開発をする必要があります。実際の生活の場面で、効果をしっかりと発揮する商品を目指して、処方開発、商品形態などの研究開発を行っています。

 

(2)家庭用品部門

 キッチン・トイレの生活・居住空間や車、ロッカー・押入れ・下駄箱等の小空間用として芳香・消臭・脱臭剤等、また、ウイルス対策剤・除菌剤の研究開発も行っております。

 

その他の研究開発活動

 FUMAKILLA INDIA PRIVATE LIMITED及びFUMAKILLA AMERICA,S.A.DE C.V.は、独自の研究開発組織を持たないため、日本のフマキラーの研究開発組織が必要な開発業務をサポートしております。

 また、昨年7月にイタリアに「FUMAKILLA EUROPE S.R.L」を設立、本年2月には、欧州市場で殺虫剤等の製造販売事業を手掛け、イタリアの園芸小売店での販売力に強みを持つイタリアの会社「Zapi Industrie Chimiche S.p.A.」の株式を取得し、子会社化いたしましたことにより、ヨーロッパにも開発拠点ができました。

 

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