当社を取り巻く市場環境及び事業の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、以下の各事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が把握している情報等から判断可能なものについて記載したものであります。
①経済情勢による影響
当社は、ほぼ100%、日本国内において事業展開を行っているため、国内の経済情勢や景気動向の影響を受けております。このリスクが顕在化する可能性は相応にあると認識しており、これら情勢の変動によっては、当社製品に対する需要動向が変化して当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
②自動車業界を取り巻く環境変化
当社が主力商品として販売する潤滑油は、2輪車及び4輪自動車のエンジン並びにトランスミッション(変速機)のメンテナンスを目的としています。従って、自動車業界を取り巻く環境変化に大きく影響を受ける製品カテゴリーといえます。ガソリン価格の乱高下、新車販売動向とそれを支援する政府の施策、高速道路料金の見直し、地球温暖化ガス削減に伴う各種規制の強化などに関連して、予測を超える急激な環境変化が起きた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がありますが、本書提出日現在におきまして当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。また、将来的には、ガソリンエンジン車よりEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)等の次世代自動車が普及することによる登録台数構成比の変化がみられた場合、当社の事業も影響を受けることが予想されますが、現時点では短期的に、かつ急激に構成比が変化するとは考えておりません。
③競合などによる影響
当社が主力商品として販売する自動車用潤滑油には、国際石油資本を親会社に持つ海外潤滑油ブランド、国内自動車メーカーが独自に展開する純正潤滑油ブランド、量販店チェーンが独自に展開するプライベートブランド等、多数の競合商品が存在しております。本書提出日現在におきまして当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えておりますが、これら競合他社による新製品、広告、販売促進、価格施策等によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④原油価格並びに為替レート等の変動による影響
当社の主力商品である自動車用潤滑油の商品原価は、原材料のベースオイルや各種添加剤等資材価格の大本となる原油価格、並びに為替レートの変動により大きく左右されます。このリスクが顕在化する可能性は相応にあると認識しており、これら指標に関し米国、中国、欧州並びにアジア新興国を含む世界のエネルギー需要、中東の産油国を取り巻く地政学的リスク、産油国による生産量調整などの要因から原油価格が高騰した場合、もしくは、急激に為替レートが円安方向へ変動した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤製造委託先の経営悪化、品質事故等
当社は製品の製造を主に2社に委託しておりますが、それぞれの企業の特性などを考慮し、当社製品の処方の機密性の高さに応じて、各社への製造委託品目を決めております。各社に対しては、当社にて品質検査、HSSE(健康、安全、セキュリティ、環境)監査、経営状態の確認などを実施しております。仮に委託先の経営悪化、品質事故などが発生した場合、委託先の変更は可能ではあるものの、新たな生産体制が再構築されるまでの期間、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。しかしながら、本書提出日現在におきまして当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。
⑥移転価格税制
当社は親会社グループとロイヤリティの支払、製品の輸入などの海外取引が発生いたします。当該取引は、独立した第三者間で通常行われる取引価格に準じて取引価格を決定しております。本書提出日現在におきまして顕在化する可能性は低いと考えておりますが、税務当局との見解に相違が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦個人情報
当社では製品開発、マーケット情報の分析、販売促進活動をとおして多少の個人情報を取得しております。社内体制といたしましては、個人情報保護管理規程による管理体制の構築、情報保護委員会活動によるモニタリング体制の構築を行なっておりますが、万が一個人情報が漏洩した場合、当社の企業イメージの悪化、業績に影響を与える可能性があります。しかしながら、本書提出日現在におきまして当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。
⑧地震やその他の自然災害等
当社は製造委託先の製造拠点、製品の主要保管倉庫を全国9箇所に分散しております。また地震などの災害について事業継続計画に準拠して非常事態に対応する体制を構築しております。このリスクが顕在化する可能性は相応にあると認識しており、今後も地震などの自然災害が発生した場合には、その規模及び地域によって当社の経営成績及び財政状態 に影響を与える可能性があります。
⑨新型コロナウィルス感染症の影響
新型コロナウィルス感染症の拡大を受け、感染防止対策の徹底やデジタルツールを活用した在宅勤務の推進など新たな従業員の働き方も導入しておりますが、今後の感染の状況により、当社の事業活動に係る生産体制、物流体制、又は営業活動に支障が生じた場合、または感染拡大に伴う緊急事態宣言などの経済活動制限の程度によっては、その規模及び地域によって当社の経営成績及び財政状態 に影響を与える可能性があります。
⑩親会社等と締結する契約
(1)親会社等の商号等
(注) 親会社等の議決権所有割合欄の( )内は、間接被所有割合で内数であります。
(2)親会社等のうち当社に与える影響が最も大きいと認められる会社の商号とその理由
(3)親会社等の企業グループと当社との関係
当社はビーピー・ピーエルシーとbpブランド製品商標権に関する「Intellectual Property License Agreement」を、カストロール・リミテッドとbp及びCastrolブランド製品商標及び製造・販売に関する「Intellectual Property and Technology License Agreement(ライセンス契約)」(以下、ライセンス契約等という)を締結しており、カストロール・リミテッドに対して契約に定めたロイヤリティを支払っております。
当社は、ライセンス契約等に基づき、日本の自動車用潤滑油市場においてbpグループのブランド製品の普及浸透を一手に引き受けており、日本市場並びに日本の消費者を熟知していることから、同グループのイコール・パートナーとして、また、独立した上場企業として事業を展開しております。
ライセンス契約等には、bpグループの名誉を傷つける行為・民事再生の申請・支払遅延・契約違反等による契約解除条項が定められております。当社とbpグループとの間のライセンス契約等が万一解除され、又は契約内容が変更された場合、当社の事業展開に一時的に支障をきたす恐れがあり、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。
この他、当社はビーピー・ピーエルシーのグループ会社2社との間で、企業倫理、健康・安全等に関するノウハウを主軸とした包括的サービス契約(Management Service Agreement)及びITサポート、品質管理ノウハウ、市場調査等に関するサービス契約(Service Agreement)を締結しており、両社に対して契約に定めた業務委託料を支払っております。
なお、現時点では前述の重要な契約の継続に支障をきたす恐れがある原因の発生は無いと認識しております。
(注) 上図中の数字は、株式所有比率であります。
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