業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態の状況

(資産の部)

当事業年度末の資産合計は651,791千円となり、前事業年度末に比べ154,665千円増加いたしました。

 流動資産は442,533千円となり、前事業年度末に比べ106,813千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が22,188千円減少した一方で、売上の増加に伴い売掛金が137,611千円増加したことによるものであります。

 固定資産は209,258千円となり、前事業年度末に比べ47,852千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が16,320千円減少した一方で、投資有価証券が67,440千円増加したことによるものであります。

 (負債の部)

 当事業年度末の負債合計は177,695千円となり、前事業年度末に比べ32,174千円増加いたしました。

 流動負債は171,615千円となり、前事業年度末に比べ31,684千円増加いたしました。これは主に、利益の増加に伴い未払法人税等が26,329千円増加したことによるものであります。

 固定負債は6,080千円となり、前事業年度末に比べ490千円増加いたしました。これは新たに会議室を増設したことに伴う資産除去債務の増加によるものであります。

 (純資産の部)

 当事業年度末の純資産合計は474,096千円となり、前事業年度末に比べ122,491千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上により繰越利益剰余金が104,179千円増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度における国内経済は、全ての都道府県において緊急事態宣言等が解除された2021年10月以降、経済社会活動の段階的引上げに伴い、個人消費が上向き、景気は持ち直しの動きを見せております。今後は、感染対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、景気が力強さを増していくことが期待される一方、2022年初以降、オミクロン株の感染が拡大しており、感染症による経済への影響には十分注意が必要となっております。

 このような環境のなか、当社は引き続き新型コロナウイルスの感染防止に努める一方で、新規クライアントの拡大、協業先との事業拡大、より付加価値の高い画像・映像・音声や自然言語などの非構造化データ解析に関する案件の獲得及び、事業の拡大に向けた人材の確保に取り組んでまいりました。

 以上の結果、当事業年度の売上高は738,063千円(前事業年度比49.1%増)、営業利益は154,437千円(前事業年度比228.4%増)、経常利益は145,951千円(前事業年度比211.9%増)、当期純利益は104,179千円(前事業年度比236.1%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ22,188千円減少し、当事業年度末には180,295千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、53,569千円(前事業年度は89,685千円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として税引前当期純利益151,208千円(前事業年度比105,409千円増加)及び減価償却費39,748千円(前事業年度比4,995千円増加)等があった一方で、減少要因として売上債権の増加額△137,611千円(前事業年度は△79,720千円)等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、84,152千円(前事業年度は30,722千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出△67,440千円等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は、8,394千円(前事業年度は22,089千円の獲得)となりました。これは主に、当社の上場手続に関連した株式の発行による支出△3,197千円及び上場関連費用の支払額△4,404千円等があった一方で、株式の発行による収入16,336千円(前事業年度比6,084千円減少)があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

(b) 受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

アナリティクス・AIサービス事業

738,063

149.1

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

 前事業年度
(自  2020年4月1日
  至  2021年3月31日)

当事業年度
(自  2021年4月1日
  至  2022年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

SBペイメントサービス株式会社

117,700

23.8

140,130

19.0

株式会社新生銀行

72,681

14.7

81,112

11.0

エクシオグループ株式会社

68,743

13.9

80,182

10.9

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。

なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、重要な会計上の見積りを要する項目はないと判断しております。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

アナリティクスコンサルティング事業では、事業パートナーとの協業による案件が拡大し、特に金融機関以外に対する画像・動画解析に関するサービスの需要がありました。また、AIプロダクト事業では、REDエンジン、アナリティクス・プラットフォームの販売が好調に推移し、売上高の増加に貢献しました。

以上の結果、当事業年度の売上高は738,063千円(前事業年度比49.1%増)となりました。

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は272,349千円(前事業年度比67.2%増)となりました。これは主に、事業規模拡大により原価部門の人員数が増加したことに伴う人件費等の増加及び業容拡大に伴うAWS利用料の増加によるものであります。

以上の結果、当事業年度の売上総利益は465,714千円(前事業年度比40.2%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は311,277千円(前事業年度比9.1%増)となりました。これは主に、広報およびマーケティング関連にかかる広告宣伝費の増加、及び株式上場準備の進捗に伴う支払手数料及び支払報酬の増加によるものであります。

以上の結果、当事業年度の営業利益は154,437千円(前事業年度比228.4%増)となりました。

(営業外損益、経常利益)

当事業年度の営業外収益は3千円(前事業年度は172千円)、営業外費用は8,489千円(前事業年度は393千円)となりました。これは主に、上場関連費用の発生によるものであります。

以上の結果、当事業年度の経常利益は145,951千円(前事業年度比211.9%増)となりました。

(特別損益、当期純利益)

当事業年度の特別利益は5,296千円、特別損失は39千円となりました。これは主に、新株予約権放棄に伴う新株予約権戻入益の発生によるものであります。

以上の結果、当事業年度の税引前当期純利益は151,208千円(前事業年度比230.2%増)となり、法人税等(法人税等調整額を含む)を47,029千円計上したことにより、当期純利益は104,179千円(前事業年度比236.1%増)となりました。

 

 

② 財政状態の分析

財政状態の分析は、前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析は、前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり売上高、営業利益、従業員数としております。過年度における当社の各指標の進捗は以下の通りです。

(単位:千円)

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

132,841

266,655

272,415

495,131

738,063

営業利益

5,819

42,554

13,476

47,021

154,437

従業員数(名)

8

11

18

24

35

 

(注) 従業員数は、期末人員数を記載しております。また、受入出向者は従業員数に含めております。

 

売上高及び営業利益については、前述の「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。

従業員数については、35名となりました。従業員数は売上の伸びに直結するものと考えており、獲得チャネルの多様化及び給与水準の変更等の対応をすることにより、引き続き高度な人材獲得を目指してまいります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る事項

当社の運転資金の使途の主要なものは、人件費、採用費、クラウドサーバー利用料等があります。また、投資を目的とした資金使途には、データセンター、分析サーバー投資等があります。

当社の資本の財源については、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入及びエクイティ・ファイナンスでバランスよく調達することを基本方針としております。資金の流動性については、コストとして毎月支出する金額の2か月程度を常時確保することを基本方針としております。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

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