業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の普及などにより、経済活動正常化の動きも見られましたが、変異株の発生による感染の再拡大など新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たず、先行き不透明な状態が続きました。これに加え、資源価格の高騰や供給制約、ウクライナ情勢の悪化による経済不安が続いており、先行きについて引き続き注視していく必要があります。

 このような経営環境のなか、当社は、ミッションである「心地よい未来を、データとつくる。」の実現に向け、リアル行動ビッグデータの収集体制の拡充や解析精度の向上、サービス開発の推進など、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」の基盤及び利活用の強化に注力してまいりました。

 様々な企業と共同サービスの開発や連携も進めており、当事業年度の新たな取り組みとしては、株式会社三井住友カードとは同社の決済端末「stera terminal(ステラターミナル)」に対して、ビーコン端末を設置することなく決済端末をビーコンとして利用できるビーコンアプリ「Stap(スタップ)powered by Beacon Bank」の提供を、LINE株式会社とは「LINE POP Media認定Beacon設置パートナー」として「Beacon Bank®」と「LINE POP Media」の両方で利用可能なビーコン端末の導入推進を、株式会社NTTデータとは同社が提供する新サービス「BizXaaS MaP® 人流分析」と「Beacon Bank®」の連携を、株式会社プレイドとは同社が提供するCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」と「Beacon Bank®」の連携を、株式会社ジェイアール東日本企画とは「路線が選べる」デジタル広告サービスを、株式会社アドウェイズ及びUNICORN株式会社とは国内最大級の全自動マーケティングプラットフォーム「UNICORN」にて来店計測に基づいた最適化広告配信を、凸版印刷株式会社及び国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!®(シュフー)」を運営する株式会社ONE COMPATHとはクッキーレス時代の「リテールメディア」の構築、運用を、株式会社テレシーとはテレビCMと連動した新規アプリユーザー獲得のためのデジタル広告サービスの提供を、株式会社博展とはイベント集客特化のデジタル広告「イベシルAD」を、一般財団法人日本気象協会及び株式会社ALiNKインターネットとはプッシュ配信サービス「天気プッシュ」を、それぞれ開始しました。

 以上の取り組みの結果、当事業年度の業績は、売上高1,446,325千円(前年同期比84.7%増)、営業利益74,984千円(前年同期は営業損失160,170千円)、経常利益71,767千円(前年同期は経常損失162,072千円)、当期純利益143,528千円(前年同期は当期純損失162,882千円)、リカーリング顧客売上高1,247,950千円、リカーリング顧客売上高比率86.3%、リカーリング顧客数49社、リカーリング顧客平均売上高25,468千円、NRR160.1%となりました。

なお、当社は、Beacon Bank事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② 財政状態の状況

当事業年度末における財政状態については次のとおりであります。

 

(資産)

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて、257,964千円増加し、1,203,791千円となりました。これは主に、売掛金及び契約資産の増加192,723千円、現金及び預金の増加100,360千円、繰延税金資産の増加71,507千円、売掛金の減少95,534千円、敷金及び保証金の減少30,109千円によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて、96,246千円増加し、382,948千円となりました。これは主に、買掛金の増加86,190千円、その他の増加22,339千円、未払金の増加16,410千円、長期借入金の減少20,004千円、前受金の減少18,748千円によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べて、161,718千円増加し、820,843千円となりました。これは主に、繰越利益剰余金の増加435,772千円、自己株式の減少21,500千円、その他資本剰余金の減少295,192千円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ100,360千円増加し、900,694千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は68,825千円となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の増加額97,189千円等による資金の減少があったものの、仕入債務の増加額86,190千円、税引前当期純利益の計上71,767千円等による資金の増加があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により得られた資金は30,109千円となりました。これは、敷金及び保証金の差入による支出3,490千円による資金の減少があったものの、敷金及び保証金の回収による収入33,600千円による資金の増加があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は1,425千円となりました。これは、長期借入金の返済による支出15,003千円と上場関連費用の支出1,761千円による資金の減少があったものの、新株予約権の行使による自己株式の処分による収入18,190千円による資金の増加があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当社はBeacon Bank事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。

 

a.生産実績

生産に該当する事項がないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

受注生産を行っていないため、記載を省略しております。

 

c.販売の実績

販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

Beacon Bank事業

1,446,325

84.7

合計

1,446,325

84.7

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。なお、主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

 

相手先

前事業年度

(自 2020年7月1日

 至 2021年6月30日)

当事業年度

(自 2021年7月1日

 至 2022年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ジョイフル

107,070

13.7

232,150

16.1

株式会社トライアルカンパニー

101,694

13.0

株式会社西日本新聞社

84,560

10.8

 

2.販売実績が大幅に増加した主な要因は、リアル行動データを活用したマーケティング活動の顧客認知度が向上し、当該活動へのニーズ及び投資が増加したことによるものであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に含めて記載しております。

 

② キャッシュ・フローの分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者に依る会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

 

 

④ 資金需要及び資金調達方法に係る情報

当社の資金需要は、主に運転資金であり、運転資金需要のうち主なものは、人件費及び業務委託費等であり、これらに必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて最適な方法による資金調達を行う予定であります。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」をご参照ください。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

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