(注)1.事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
2.当連結会計年度より、ハマタイト事業を非継続事業に分類しております。これに伴い、当連結会計年度
並びに前連結会計年度の売上収益、事業利益、営業利益、税引前利益に関しましては、非継続事業を除い
た継続事業の金額を表示しております。
当期における当社グループをとり巻く環境は、国内では、資源価格の大幅な上昇に直面するなかでも、海外需要の強さや電子部品およびデバイスの供給制約緩和が景況感を下支えし、生産と消費が持ち直すなか、企業の景況感は改善傾向にあり、需要拡大を背景に、輸出は増加基調が続いています。9月末には緊急事態宣言が解除されたことで、外食や旅行など個人消費が持ち直しました。しかしながら、足元では原材料価格の高騰と供給不足は完全には解消されておりません。
一方、海外においては、米国は自動車・自動車部品および航空機・その他輸送機器の生産がコロナ前の水準まで回復しており、中国は夏場のペースダウンから持ち直し、外需が好調を維持しているほか、個人消費が底堅く推移し、景気は回復に向かっております。欧州でも景気回復が一段と進展し、サービス業を中心に経済活動も回復傾向にありますが、オミクロン株の影響が懸念されています。
こうした状況の中、当社グループは、既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、次世代の成長に向けた「変革」を図ることを位置づけた中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」に取り組んでおり、当期の連結売上収益は、ハマタイト事業を除いた継続事業ベースで6,708億9百万円(前期比21.7%増)、利益面では、連結事業利益は621億62百万円(前期比73.3%増)、本社ビルの譲渡益計上などにより、連結営業利益は836億36百万円(前期比132.4%増)、また、親会社の所有者に帰属する当期利益は655億円(前期比148.9%増)となり、いずれも過去最高となりました。主力のタイヤ事業において原材料価格や物流費の高騰、国際物流網の混乱、新型コロナウイルス感染症などの影響を受けましたが、北米を中心とした値上げの浸透および為替が円安に推移したことにより、売上げと利益を伸ばしました。
なお、2021年4月28日にスイスに本社を置くSika AGとの間で、ハマタイト事業の譲渡に係る契約を締結したことに伴い、ハマタイト事業を「非継続事業」に分類し、前期につきましても遡及して組替を行っております。ハマタイト事業の譲渡は、上記契約に基づいて11月1日に完了しております。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①タイヤ
売上収益は4,702億3百万円(前期比17.8%増)で、当社グループの連結売上収益の70.1%を占めており、事業利益は426億86百万円(同78.0%増)となりました。
新車用タイヤは、世界的な半導体不足などの影響があり生産調整の影響を受けたものの、全体では前期を上回りました。
市販用タイヤは、国内で乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD 7」を発売するなど、国内外において高付加価値商品の拡販や、旺盛な需要への生産対応に努めたことに加え、国際物流におけるコンテナ不足や輸送遅延に対して必要な対策を迅速に講じた結果、北米、欧州での販売を伸ばしました。また、インドなどアジア地域での販売も伸ばし、売上収益は前期を上回りました。
②MB(MB:マルチプル・ビジネスの略)
売上収益は844億38百万円(前期比6.8%増)で、当社グループの連結売上収益の12.6%を占めており、事業利益は37億81百万円(同30.5%増)となりました。なお、非継続事業のハマタイト事業の売上収益は161億93百万円、事業利益は5億9百万円となりました。
ホース配管事業は、市況の回復により建機向けを中心とした油圧ホース販売が好調で、売上収益は前期を上回りました。
工業資材事業は、コンベヤベルトの国内販売が好調であったものの、海洋商品での大型補用品プロジェクトの延期などにより売上収益は前期並みとなりました。
航空部品事業では、民間航空機向けの需要減退の影響が大きく、売上収益は前期を下回りました。
③ATG
売上収益は 1,072億84百万円 ( 前期比64.8%増 )で、当社グループの連結売上収益の 16.0% を占めており、事業利益は 147億14百万円 ( 同67.0%増 )となりました。
農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤはともに好調で、売上収益、事業利益は前期を上回り、過去最高となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,246億16百万円増加し、9,849億88百万円となりました。
流動資産は棚卸資産の増加等により、3,835億60百万円(前期比24.0%増)となりました。非流動資産は投資有価証券の増加等により、6,014億28百万円(前期比9.1%増)となりました。
流動負債は仕入債務の増加等により、2,425億2百万円(前期比6.6%増)となりました。非流動負債は長期借入金の返済等により、2,095億28百万円(前期比0.3%減)となりました。
資本合計は親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により5,329億58百万円(前期比26.0%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて117億64百万円増加し、425億23百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、683億3百万円(前連結会計年度比99億91百万円の収入減少)となりました。
これは主として、税引前利益851億99百万円、減価償却費455億60百万円、棚卸資産の増加額331億7百万円、法人税等の支払額129億51百万円の計上等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、44億79百万円(前連結会計年度比233億86百万円の支出減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出359億30百万円、有形固定資産の売却による収入217億66百万円、非継続事業の売却による収入118億46百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、551億95百万円(前連結会計年度は465億53百万円の資金の減少)となりました。
これは主として、長期借入金の返済による支出318億14百万円、社債の償還による支出100億円、配当金の支払額102億77百万円等であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(4)生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格を基礎として算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、ごく一部を除いてすべて見込生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は以下のとおりであります。
(のれんの償却停止)
日本基準では、のれんの償却については償却年数を見積り、その年数で均等償却を行っておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降、償却せず毎期減損テストを行っております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、「販売費及び一般管理費」が4,285百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準において、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」、「特別損失」として表示していた項目を、IFRSでは財務関連損益については「金融収益」及び「金融費用」として表示し、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」として表示しております。
(6)重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の判断、見積り及び仮定は、「第5.経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
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