① 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は47,419百万円(前連結会計年度末と比べ1,154百万円増)となりました。
流動資産は31,143百万円(前連結会計年度末と比べ766百万円増)となりました。
これは主に現金及び預金12,905百万円(前連結会計年度末と比べ1,144百万円増)に対し、電子記録債権2,818百万円(前連結会計年度末と比べ433百万円減)等によるものであります。
固定資産は16,276百万円(前連結会計年度末と比べ387百万円増)となりました。これは主に有形固定資産12,396百万円(前連結会計年度末と比べ514百万円増)等によるものであります。
当連結会計年度末の総負債は18,223百万円(前連結会計年度末と比べ1,793百万円減)となりました。
流動負債は、13,171百万円(前連結会計年度末と比べ1,019百万円減)となりました。これは主に支払手形及び買掛金2,983百万円(前連結会計年度末と比べ338百万円減)、1年内返済予定の長期借入金755百万円(前連結会計年度と比べ561百万円減)等によるものであります。
固定負債は5,052百万円(前連結会計年度末と比べ774百万円減)となりました。これは主に長期借入金836百万円(前連結会計年度末と比べ781百万円減)等によるものです。
当連結会計年度末の純資産は29,196百万円(前連結会計年度末と比べ2,947百万円増)となりました。これは主に利益剰余金25,161百万円(前連結会計年度末と比べ3,452百万円増)等によるものです。この結果、自己資本比率は61.3%(前期末比4.7%増)となりました。
② 経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を拡大したことにより経済活動の一部に正常化の兆候が見え始めているものの、ウクライナ情勢等に伴って原油等の原材料の価格が高騰し、個人消費や企業活動の持ち直しが足踏みする傾向がみられるため、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属する業界におきましては、異常気象等を原因とした大規模な自然災害に備えるため、国土強靭化に取り組む必要性が叫ばれており、公共投資は堅調に推移しております。このような環境の中、グループの中核であるゼニス羽田株式会社と株式会社ホクコンが2021年4月に合併し、2024年3月期を最終年度とする第二次中期経営計画を遂行しました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は37,514百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は6,143百万円(前年同期比16.1%増)、経常利益は6,434百万円(前年同期比14.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,242百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
セグメント業績を示すと、次のとおりであります。
(コンクリート事業)
業務プロセスの改善による生産性の向上は建設業界における主要なテーマのひとつであり、建設業界からのコンクリート製品のプレキャスト化への要望は徐々に高まりつつあります。また、当社が優位性を発揮する浸水対策は、防災・減災、国土強靭化等の政府の施策の中においても緊急の課題として位置付けられております。このような追い風を受ける中、原材料価格の動きを注視し、リスクに関しても慎重に対応してきました。当期においては、低採算製品の見直し及び高付加価値製品の販売に注力し、販売単価の上昇に努めました。これらの結果、売上高は前年同期比0.4%減の28,414百万円、セグメント利益は前年同期比13.6%増の5,549百万円となりました。
(パイル事業)
Hyper-ストレート工法及び節杭を用いたFP-BESTEX工法をもとに、当社グループが優位性を有する地域に活動を集中することによって、 運送費の削減及び人員の合理化による労働生産性の向上を図りました。これらの結果、 売上高は前年同期比19.0%減の2,343百万円、セグメント利益は前年同期比15.3%増の85百万円となりました。
(防災事業)
山間部における落石及び土砂災害対策が急務となっていることから、未然に防ぐ対策を講じることが継続して求められています。実物実験による研究開発にいち早く取り組みながら、市場におけるシェアを確保できるように、ループフェンス、MJネット等、今後の売上計上が期待される製品の受注活動を積極的に行いました。当連結会計年度においては、高付加価値製品の出荷が堅調に推移し、売上高は前年同期比9.5%増の4,565百万円、セグメント利益は前年同期比1.7%増の1,194百万円となりました。
(その他)
新型コロナウイルス感染症の影響によって不動産賃貸市場は不透明感があるものの、賃貸収益は堅調に推移しました。また、セラミックス事業が好調に推移したことから、売上高は前年同期比1.4%増の2,190百万円、セグメント利益は前年同期比0.2%増の459百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年同期に比べ1,236百万円増加し、12,130百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、4,995百万円(前年同期比772百万円増加)となりました。その主な要因は、法人税等の支払額2,022百万円等の資金支出に対し、税金等調整前当期純利益6,391百万円の計上、減価償却費821百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,141百万円(前年同期比743百万円増加)となりました。その主な要因は、有形固定資産の売却による収入348百万円等の資金収入に対し、有形固定資産の取得による支出1,569百万円等の資金支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,617百万円(前年同期比1,979百万円増加)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出1,345百万円及び配当金の支払額787百万円等の資金支出によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は製造原価によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりでありますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響及び今後のウクライナ情勢等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。
1. 退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は発生、変更年度に一時の費用として認識されるため、退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
2. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
3. 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の分析及び ② 経営成績の分析」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な運転資金需要は、製品製造のための材料費や部品の調達及び商品仕入に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費等に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、投資を目的とした資金需要は、生産設備の新設、改修及び関連会社株式の取得等に支出されております。これらの所要資金については、自己資金により賄っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,055百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は12,130百万円となっております。
今後、当社グループの将来の成長のため、既存事業における生産設備の維持・更新、また、新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献する賃貸物件(ホテル)を建築中であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、金融機関からの借入金等による資金調達にて対応してまいります。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況)
2021年5月13日に公表いたしました中期経営計画(2021年度~2023年度)の目標、当期実績及び2023年3月期の予測については、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、2022年3月期の業績に関しましては、新型コロナウィルスの影響は全セグメントにおいて軽微であり、中期経営計画における2022年3月期の計画を達成をすることが出来ました。また、2023年3月期以降の計画に関しましては、現時点では新型コロナウィルスの影響及びウクライナ情勢による原材料の高騰等につきましては、合理的な算定が不可能ではありますが、中期経営計画の目標達成に向けて取り組んでまいります。
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