事業等のリスク

2【事業等のリスク】

当社グループのリスク管理につきましては、以下の体制をとり対応しております。

1.法令違反に基づく不祥事又は事故、災害等の発生により企業価値を損なうような危機に直面した時に、可能な限り損失を低減し重大な影響を受けることなく事業を継続することができるよう危機管理規程を制定し、危機発生時には直ちに対策本部を設置し対応します。

2.大規模地震や火災等への防災対策に係る規程を定め、防災教育・訓練を実施するとともに、災害発生時の従業員の行動基準を明確にし、従業員の安全と被害の軽減を図ります。

3.事業運営上のリスクについては、事業計画や予算、設備投資計画等、重要な事項の決裁の過程において、総合的に検討・分析を行って、これを回避します。

4.コンプライアンス、品質、環境、人事労務、安全衛生等に関する個別リスクについては、経営会議や各種委員会でリスクの把握と未然防止を図ります。

 

当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについて以下に記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)新型コロナウイルス感染症に関するリスク

新型コロナウイルス感染拡大の状況により、顧客の生産調整及び設備投資の抑制等による販売の減少や、当社の国内外の生産拠点の安定的な操業に支障が生じる等、販売面、生産面ともに影響を受ける可能性があります。

新型コロナウイルス感染症が想定以上に拡大・長期化した場合には、今後の業績や財政状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループは感染予防対策ガイドラインを策定し、種々の対策を行い、感染リスクの低減を図っております。

(2)経済状況の変動に関するリスク

当社グループは、工業機材事業(研削砥石・ダイヤモンド工具等)、セラミック・マテリアル事業(電子ペースト・電子部品材料等)、エンジニアリング事業(焼成炉・乾燥炉等)、食器事業(陶磁器食器等)を展開し、自動車、鉄鋼、ベアリング、電子・半導体、エネルギー、ホテル・レストラン等、幅広い分野に製品とサービスを提供しております。そのため特定分野の需要変動による大きな影響を受け難い事業構成ではありますが、各業界の需要動向は、国内外の景気、設備投資、個人消費、市況等の経済状況の影響を受けるため、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)競合他社との競争に関するリスク

当社グループは、セラミックスの要素技術をもとに、顧客や市場のニーズに対応した新商品・新技術の開発に取組んでおります。しかしながら、各製品において、国内外の競合各社と激しい競争状態にあり、その状況次第では業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料の調達について

当社グループは、高品質で優れた製品を安定して製造・販売するため、原材料を適時、安定的に入手することが不可欠となります。しかしながら、購入元の品質不良、倒産、災害、事故等の理由で原材料の供給が停止した場合、在庫の確保や代替品への切替え等により、一定期間は製品の製造を維持できる体制を確立しておりますが、それが長期化した場合は、製品が製造できず業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)原材料、燃料の高騰について

窯業を中心とした事業を展開する当社グループは、原材料及び燃料の高騰は製造コストの上昇要因となります。ものづくり強化活動による生産性の向上や経費の削減等コストの低減には常に努力していますが、コストの上昇分を吸収できない範囲につきましては、価格への転嫁をお願いいたしております。しかしながら、原材料やエネルギーの需要変動や供給国の社会情勢等により、過度の急激な価格の上昇で、いずれの方法でも解決できない場合は業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)為替の変動について

セラミック・マテリアル事業及び食器事業では輸出比率が高く、また、全事業にわたり原材料の一部を輸入しております。短期的な為替変動に対しては、為替予約等によりリスクの回避を図っておりますが、急激な為替変動は製品・原材料の輸出入価格に大きな影響を与え、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各地域における現地通貨建ての損益及び資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算しているため、換算時の為替レートにより、現地通貨における価値に変動が無かったとしても、円換算後の価値が業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)海外情勢の変化によるリスク

当社グループは、売上げの約40%が海外市場であり、海外生産の展開も合せて、グローバルな事業活動を行っております。しかしながら、各国のテロや治安状態の悪化等の政治情勢不安、経済情勢の不確実性、宗教・文化や商習慣の相違に起因するトラブル、予期せぬ法規制や税制の変更等により、事業活動が制約されることが考えられます。日頃から情報を収集して情勢の把握に努めておりますが、特に戦争や内乱、テロ等が発生した場合には、事業活動を停止せざるを得ない事態も想定され、こうした場合には業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8)技術・知的財産に関するリスク

当社グループは、全社戦略「選択と集中(環境/エレクトロニクス/ウェルビーイングの領域へ)」に基づき、電子・半導体及びエネルギー業界等の成長産業への経営資源の集中を図っております。これらの業界では技術革新のスピードが速いことや需要動向の変動が大きいことから、開発した技術や商品が早期に陳腐化する傾向にあります。業界の動向や技術の進展の状況について日頃から情報を収集して対応をしておりますが、主力の商品が陳腐化した場合や新商品の投入時機を逸したときには、業績や財政状況に影響を受ける可能性があります。

また、事業の優位性の確保や技術の保護のため、知的財産権の取得等の対策をしておりますが、特許侵害に対する係争や、それによるライセンス費用、和解費用の負担等が発生した場合、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9)品質に関するリスク

当社グループは、各事業において所定の品質基準に基づき、製品の品質確保に万全の対策を講じておりますが、すべての製品において、予想し得ない品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的、間接的損害に対して、製造物賠償責任保険等では十分に補償しきれない損害賠償等の損失が発生する可能性があります。また、当社グループの社会的評価の低下により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10)災害・気候変動によるリスク

当社グループには、国内及び海外に活動拠点があり、防災管理規程を整備する等防災管理体制づくりを進めております。また、工業機材事業においては、需要地生産の観点からグローバルな生産体制を展開しており、セラミック・マテリアル事業においては、電子・半導体分野向けの製品について、国内生産拠点を増加してリスクの分散を図っております。しかしながら、これらの拠点、特に製造拠点では、地震や火災等の災害、台風や豪雨等の気候変動に伴う異常気象により重大な被害が発生した場合には、相当期間にわたって生産活動が停止し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11)法的規制等に関するリスク

当社グループは、国内外で事業展開をするにあたり、コンプライアンス体制の構築とグループガバナンスの強化によって、日本及び諸外国・地域の各種法令・規制等の遵守に努めております。しかしながら、重大な法令違反を起こしたり、現行の法規制等が従来よりも厳格化されたり、新たな法規制等が設けられた場合は、事業活動の制限を受ける、法規制等に適合させるための費用が発生する等の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12)環境に関するリスク

当社グループは、地球環境の保全を重要な経営課題の一つと位置づけ、環境方針を策定し、環境に配慮した製品の開発・販売、二酸化炭素排出量の抑制、省資源・廃棄物の削減とリサイクルの推進等に取組んでおります。また、事業を遂行するにあたり、環境に関連する各種法令・規制等の遵守に努めておりますが、予期せぬ事故や災害等により環境汚染が生じたり、環境に関する法規制等が強化されたり、新たな法規制等が設けられた場合は、事業活動の制限や法規制等に適合させるための費用の増加等により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13)情報システムに関するリスク

情報システムは年々、複雑化・高度化しており、当社グループも事業の効率化のため、様々な情報システムを導入しております。情報セキュリティ対策等、事業活動が継続できる体制を整備していますが、不正アクセス、コンピューターウィルス感染等の人為的脅威や災害等の環境的脅威によって、情報システムの不具合、故障が生じた場合や、企業情報及び個人情報等が社外に流出した場合は、事業活動の中断や信用の低下等により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(14)人材流出に関するリスク

当社グループは、業績と能力に基づく公正な人事考課と処遇を行っておりますが、最近の転職市場は活発となっており、人材流出を完全に防止することは困難です。製造や業務に関するノウハウは、ものづくり強化活動を通じた多能工化でカバーする仕組みはありますが、有能な人材の継続的な確保・育成ができない場合は、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(15)金融資産について

当社グループは投資有価証券として株式を保有しておりますが、投資先の業績不振や証券市場の市況の悪化等で当該株式の時価が帳簿価格を著しく下回った場合、評価損の計上が必要となります。また、支払利息、受取利息等の金融資産及び負債は、金利の影響を受け、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(16)固定資産の減損に関するリスク

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、定期的に保有する固定資産の減損損失の認識・測定を行っております。経営環境の著しい悪化等により収益性が低下した場合は、固定資産の減損損失が発生し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

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