研究開発活動

5【研究開発活動】

当社製品は、お客様にて製造される製品の性能を大きく左右するため、原材料の検討から最終製品の開発に至るまでの一貫した研究開発活動を進めております。当社のコア技術である、①ろ過・分級・精製技術、②パウダー技術、③ケミカル技術の強化、並びに新規生産技術の開発と実用化を推進しております。また、個々のお客様のニーズに即したソリューション型プロセス開発を行っております。

当連結会計年度の研究開発費4,325百万円で、日本が3,400百万円、北米が692百万円、アジアが232百万円となりました。

なお、日本においては全ての製品の研究開発活動を、北米及びアジアにおいてはCMP向け製品の研究開発活動を行っております。

シリコンウェハー用のファイナルポリシング材においては、半導体デバイスの微細化に伴い、ウェハー表面の極微小なディフェクト(パーティクル、欠陥、異物)の低減と表面の平滑性がますます重要となっております。近年、極微小ディフェクトを低減し、同時により高精度な平滑面に仕上げることができるポリシング材を開発しており、大手のお客様で採用されております。また、一次・二次ポリシング材についても、加工精度と生産性向上に寄与する新コンセプトの商品を開発しており、多くのお客様に採用されております。

ラッピング材に関しましては、シリコンウェハー用途を中心に、品質向上及びコスト低減を念頭に置いた量産化技術の開発に取組んでおり、その開発から生まれた製品は一部のお客様に採用されております。

パワーデバイスの分野で用いられるSiC基板やGaN基板等、難加工材料用のポリシング材においては、高速・高面質となる新たな商品・プロセスの開発に取組んでおります。

CMP向け製品については、半導体デバイスの高集積化がますます進展し、新構造トランジスタを作製するためのポリシング材をはじめとする各種製品の需要拡大が進んでおります。加えて、次世代に向け更なる微細化に対応した各種ポリシング材製品の開発を進めております。新規製品の一部は大手のお客様で採用に向けて評価が進められております。

ハードディスク用ポリシング材に関しましては、主力製品のアルミディスク用ポリシング材は、他社との競争激化に対抗すべく、高性能な次世代品の開発をしており、採用に向けたお客様での評価が進められております。また、ガラスディスク用ポリシング材は、大手のお客様で量産使用されており、次世代の高記録密度ガラスディスクにも対応できる見込みです。

機能材分野におきましては、プラスチック、ガラス、セラミックを中心に多種多様な材料の研磨材・機能性材の開発に取組んでおります。多種多様なお客様に対応するため、お客様のご要望を的確に捉え、当社の技術力を活用してお客様にご満足していただける開発を推進しています。

 溶射材事業につきましては、半導体及び液晶関連製造装置等に高純度セラミックス材、鉄鋼・発電・航空機及び一般機械部品等にはサーメット材、更に新規の溶射技術・装置に最適な材料の開発を推進し需要拡大を図っております。

 新規事業におきましては、既存事業以外の様々な新規用途で用いられる、多種多様な素材(金属、樹脂、セラミック、複合材料等)や形状(2次元、3次元形状)に対応した研磨材等の開発に取組んでおります。モバイル端末やディスプレイ、LED、自動車をはじめとする、世界の様々な業界のお客様から寄せられる、新たな表面創成のご要望に、トータルソリューションでお応えしております

 先端技術研究所は、1)既存のコア技術の深耕・強化、2)フジミの技術と親和性の有る分野での新規事業の創出、3)フジミとシナジーを有し、基盤技術強化や補完に役立つ有望な技術を保有するベンチャーへの投資やM&Aの3つを遂行するために設立して以来、7年が経過しました。この間、開発活動としては展示会を利用してコア技術を社外発信し、社外研究機関との連携を活発化させ、「パウダー&サーフェス分野」で事業領域の拡大となる新規事業テーマの探索に努めて参りました。また、既存事業に関わるろ過・分級技術、パウダー技術、ケミカル技術や分析技術の強化を推進しております。

 なお、2022年4月付で、機能材事業本部と先端技術研究所を統合し「先端技術・機能材料本部」に、機能材事業本部下の研磨関連業務等を新規事業本部に移管し「研磨ソリューション本部」とする等、事業(研究所)組織を再編しております。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得