業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況の概要は、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.当連結会計年度の経営成績の分析」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載しております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループにおける生産実績については鉄鋼事業の粗鋼生産量を、また受注実績についてはエンジニアリング事業の受注実績・受注残高を記載しております。

鉄鋼事業は、特定顧客からの受注については反復循環的に生産しているため、受注実績の記載を省略しております。エンジニアリング事業は、請負工事を中心としているため、生産実績を金額あるいは数量で示すことはしておりません。商社事業は、受注生産形態をとらない製品が多いため、生産実績・受注実績を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。

 

セグメントの名称

粗鋼生産量(千トン)

前期比(%)

鉄鋼事業

(うちJFEスチール㈱)

27,262

(25,881)

+13.8

(+13.7)

 

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注実績(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

エンジニアリング事業

505,848

+0.9

560,123

+2.0

 

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売実績(百万円)

前期比(%)

鉄鋼事業

3,173,475

+40.7

エンジニアリング事業

508,215

+4.6

商社事業

1,231,763

+32.1

4,913,454

 

調整額

△548,309

合計

4,365,145

+35.3

 

(注) 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、各販売先への当該割合が100分

   10未満のため、記載を省略しております。

 

d.その他

生産実績および販売実績の前期比での変動要因、原材料価格ならびに販売価格の状況については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しているため省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。

重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、重要な見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当連結会計年度の経営成績の分析

JFEグループは、企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」ことを通じて、企業としての持続的な成長を図り、株主の皆様をはじめすべてのステークホルダーにとっての企業価値の向上に努めてまいりました。

当連結会計年度の世界経済は、国や地域によりばらつきはあるものの、総じて新型コロナウイルス感染症の影響による落ち込みからの回復の動きが続きました。日本においても、部品供給の停滞により一部の産業で生産活動への影響が生じたものの、持ち直しの動きが続きました。ただし、足元ではウクライナ情勢の影響により、資源価格が一層高騰する等、不透明感が増しております。

このような状況のもと、JFEグループでは、高騰を続ける主原料価格の変動を早期に販売価格へ反映させる取り組み等により販売価格を改善するとともに、DXを推進する設備投資や高炉改修を着実に実行することにより、生産性の向上とコスト削減を実現してまいりました。その結果、当連結会計年度のグループ業績は、鋼材需要の回復や鋼材市況の上昇等もあり、事業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益ともに前期に比べ大きく好転しました。

当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。

鉄鋼事業は、景気の持ち直しを背景とした鋼材需要の回復により、当連結会計年度の連結粗鋼生産量は2,726万トンと前連結会計年度に比べ大幅に増加しました。売上収益については、販売価格改善の取り組みや鋼材市況の上昇、および販売数量の増加を受け、3兆1,734億円となり、前連結会計年度に比べ9,182億円(40.7%)の増収となりました。セグメント利益については、原料価格高騰によるコストの増加があったものの、販売価格の上昇、販売数量の増加、継続的なコスト削減の取り組みや国内外のグループ会社での収益改善に加え、棚卸資産評価差等の一過性の増益要因により3,237億円となり、前連結会計年度に比べ3,891億円好転しました。

エンジニアリング事業は、企業買収による増収効果等により、売上収益は5,082億円となり、前連結会計年度に比べ225億円(4.6%)の増収となりました。セグメント利益については、資機材費高騰等の影響はあったものの、売上収益の増加に加え、コスト削減等により、260億円となり、前連結会計年度に比べ20億円(8.0%)の増益となりました。

商社事業は、前連結会計年度に大幅に落ち込んだ国内外の鋼材需要が回復し、鋼材市況が堅調に推移したこと、中でも北米事業での好収益により、売上収益は1兆2,317億円前連結会計年度に比べ2,992億円(32.1%)の増収となりました。セグメント利益は559億円となり、前連結会計年度に比べ359億円(178.5%)の増益となりました。

以上の結果、当社単体業績等と合わせ、当連結会計年度における連結での売上収益は4兆3,651億円となり、前連結会計年度に比べ1兆1,379億円(35.3%)の増収となりました。事業利益は4,164億円となり、前連結会計年度に比べ4,293億円好転しました。税引前利益は3,885億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,880億円となり、前連結会計年度に比べそれぞれ3,934億円、3,098億円好転しました。

 

 

b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローが2,987億円の収入であったのに対し、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産、無形資産及び投資不動産の取得による支出を中心として2,880億円の支出であったことから、これらを合計したフリー・キャッシュ・フローは107億円の収入となりました。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出を中心として574億円の支出となりました。

この結果、当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ433億円増加し、1兆8,494億円となり、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ407億円減少し、1,017億円となりました。

なお、有利子負債は、社債、借入金及びリース負債であります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入、製造費用、受注建設工事の費用支払および販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資資金需要の主なものは、鉄鋼事業における収益向上、GX(グリーントランスフォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)等の戦略投資および製造基盤整備を目的とした設備投資です。

運転資金は、主に金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパーの発行などにより調達しております。投資資金は、自己資金を基本としておりますが、自己資金を上回る資金需要については、金融機関からの長期借入金や社債の発行などで調達しております。

当社グループでは、複数の金融機関との間でコミットメントラインを設定することにより、十分な資金の流動性を確保しております。

 

 

c.目標とする指標の達成状況

JFEグループは、2021年5月に公表した第7次中期経営計画(2021~2024年度)の中で、以下の財務・収益目標を掲げています。

2021年度の事業利益は目標の3,200億円を超過達成しておりますが、棚卸資産評価差等の一過性要因を除くと2,200億円程度にとどまるため、鉄鋼事業を中心に更に1,000億円程度の利益積み上げが必要であると考えております。コスト削減に加え、販売価格の抜本的な見直しの推進や構造改革完遂による効果の実現、プロダクトミックスの高度化により、量から質への転換を図り、引き続き収益改善に努めてまいります。

 

■第7次中期経営計画

 

 

目標(2024年度)

実績(2021年度)

グループ全体

事業利益

3,200億円

4,164億円

親会社の所有者に帰属する当期利益

2,200億円

2,880億円

ROE

10%

15.7%

Debt/EBITDA倍率

3倍程度

2.8倍

D/Eレシオ

70%程度

80.8%

事業会社

鉄鋼事業

 

 

・トン当たり利益

1万円/トン

1万4千円/トン

・セグメント利益

2,300億円

3,237億円

エンジニアリング事業

 

 

・セグメント利益

350億円

260億円

・売上収益

6,500億円

5,082億円

商社事業

 

 

・セグメント利益

400億円

559億円

 

(注)1 D/Eレシオ:格付け評価上の資本性を持つ負債について、格付け機関の評価により資本に算入しております。

2 鉄鋼事業のトン当たり利益:(連結セグメント利益÷単体出荷数量)

 

 

目標

実績(2021年度)

株主還元方針(配当性向)

30%程度

28.0%

 

 

なお、当連結会計年度の分析につきましては、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.当連結会計年度の経営成績の分析」に記載しております。

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