課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループは、工具鋼、特殊合金の非量産型高級特殊鋼製品、鋳鉄製品及び金型・工具製品の製造販売を通じ、幅広い産業分野(自動車、エレクトロニクス、産業機械、エネルギー、住宅他)へ優れた製品を提供して顧客及び社会の発展に貢献してまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

当社グループの主要な顧客である自動車および産業機械の分野は、世界的な景気回復を背景に堅調に推移するとの見通しがある一方、半導体や部品不足による生産活動への影響やウクライナ情勢が経済全体に及ぼす悪影響が懸念され、先行きが不透明な状況が続くものと想定されます。

こうした状況のもと、当社グループがこれまでと同様に社会に必要とされるために、以下に挙げる「品質」「納期」「コスト」「新製品開発」に関する諸課題に対応してまいります。

また、中長期的には、自動車産業におけるEV(電気自動車)化が進展することが予想され、当社グループを取り巻く市場規模や製品構成は大きく変化していくものと考えられますが、「少量多品種」対応という当社グループの最大の特長をさらに活かすべく、神戸製鋼グループ各社との連携による効率的な生産体制の再構築についても、あるべき姿を検討してまいります。

 

 なお、セグメント別の重点施策は以下のとおりであります。

 

①特殊鋼部門

ア 高付加価値製品を中心とした販売量の確保

〔工具鋼分野〕

 ダイス鋼、平鋼など

〔特殊合金分野〕

 マルテンサイト系ステンレス鋼、耐熱鋼など

イ 品質管理体制の強化・品質改善

 ・適切な指標管理による不良発生予防

 ・操業管理の定量化と記録の徹底による操業再現性の向上

 ・操業実績の定量的解析による品質不良の原因究明と操業改善の継続

 ・品質安定に重点を置いた操業技術の確立

ウ コスト競争力の強化

 ・品質管理強化および操業改善による歩留まり・原単位の向上

 ・省力化投資の実施による要員増加の抑制

エ 技術開発の推進

 ・「少量多品種」生産の特長を活かした、お客様のニーズに合致する製品群の創出(EV化・脱炭素化に対応した新規材料、高耐食軸受鋼など)

オ 原燃料市況に応じた販売価格へのタイムリーな転嫁

 

②鋳鉄部門

ア 成長分野における販売量の確保・拡大

 ・ロボット・半導体製造装置用ポンプ関連など

イ 品質の向上と安定化

 ・操業管理データの活用による品質解析と改善

ウ 生産性の向上

 ・設備保全計画見直しによる生型稼働率の向上

 ・鋳仕上工程の機械化

エ 原燃料市況に応じた販売価格へのタイムリーな転嫁

 

③金型・工具部門

ア 事業再構築計画の着実な推進

 ・自動車分野以外も含めた新規需要の開拓

 ・事業規模に応じた生産体制の適正化

 ・グループ会社とのシナジーの追求(拡販・コストダウン)

 

 

 

 また、「KOBELCOの3つの約束と6つの誓い」を念頭に置き、コンプライアンス意識の醸成を図りながら、安全活動、環境保全、防災対策、リスクマネジメント体制の強化を進めます。また、当社グループが持続的に成長を続けていくために、組織の活性化による明るい風土作りや人材確保と育成に注力してまいります。

 

 

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