有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況
当社グループの主力製品である鋼材及び鍛造品の主要需要先は自動車業界であります。経済状況により自動車業界が影響を受ける場合、製品需要の大幅な変動で、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料、エネルギー及び副資材価格の変動
当社グループの主力製品は鋼材及び鍛造品であり、その主要原材料である鉄スクラップとニッケルなどの合金鉄の価格は、国際商品市況の影響を受けて大きく変動することがあります。また、生産活動全般において大量の電力やLNGなどのエネルギー、製鋼工程等において電極・耐火物等の副資材を消費いたします。原材料、エネルギー及び副資材の価格上昇分は売価への転嫁に努めておりますが転嫁できない場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替相場の変動
当社グループは、製品の一部を輸出するとともに、原材料であるニッケルなどの合金鉄の大部分を輸入に依存しております。為替相場の変動は、当社グループにおける製品、原材料の輸出入価格及び電力やLNGなどのエネルギー価格に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの外貨建取引及び連結財務諸表作成のための海外子会社の財務諸表数値は、外貨から円貨への換算において、為替相場変動の影響を受け、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 価格競争
当社グループの主要需要先である自動車業界をはじめとする各業界は、厳しいコスト競争の下にあります。激化する価格競争の環境下で、経済変動による需要の減少などに伴い製品価格の大幅な低下や、市場シェア低下の可能性があります。このような場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製品の品質不具合
当社グループは、厳格な品質管理体制や品質管理基準に従い、鉄鋼製品はじめ、各種製品を製造しております。しかしながら、製品の品質不具合が生じた場合、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 特定販売先への依存
当社グループの製品の売上収益は、トヨタ自動車株式会社及びトヨタグループ企業集団に対する依存度が非常に高いため、同社の自動車販売台数の動向が、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、同社は、2022年3月31日現在、当社の議決権の24.0%(間接所有含む)を所有しております。
(7) 情報セキュリティ
当社グループは、顧客及び取引先の機密情報や個人情報、また、当社グループの機密情報や個人情報を有しております。サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、システム障害が生じる場合や、機密情報及び個人情報の外部流出が起きた場合、当社グループの事業活動の停滞や社会的信用の低下等で、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害、事故、機械故障等による影響
当社グループは、鉄スクラップ・合金鉄などの原材料を電気炉で溶解し、鋼材から自動車部品の鍛造品を一貫生産しております。また、当社グループの国内工場の大半は、中部地区に存在しており、取引先の多くが中部地区に存在しております。そのため、南海トラフ巨大地震、スーパー台風などの自然災害、事故、機械故障など操業に影響する事象が生じた場合、生産・納入活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 環境規制等による影響
パリ協定の合意以降、世界的に脱炭素化の流れが加速しております。電力多消費産業である当社グループは、カーボンニュートラルに向けた技術開発などを通じて、CO2排出削減に努めておりますが、国内外において法規制の厳格化、炭素税や排出量取引制度が導入された場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 政治動乱、戦争、テロ、疫病又はストライキ等の発生
当社グループは、全世界で事業を展開することに関連して、各々の地域におけるリスクにさらされております。そのリスクには、政治・経済の混乱、戦争、テロ、疫病、ストライキ等があげられます。これらの事象が生じた場合、生産・納入活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) その他の法令・公的規制の変更
当社グループは、事業を展開する日本及び各国において、労働・安全衛生、通商・貿易・為替、知的財産、租税等の様々な法令・公的規制の適用を受け、遵守に努めております。今後、これらの法令又は公的規制が改正もしくは変更される場合、対応費用の増加等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 訴訟の影響
当社グループは、事業活動を遂行するうえで、訴訟を提起される可能性があります。訴訟の結果によっては、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
( 当社及び当社取締役等に対する訴訟の提起 )
2022年5月16日に、当社及び当社取締役等は、マグネデザイン株式会社及び本蔵義信氏より損害賠償請求訴訟を提起されております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「34.後発事象」をご参照ください。
(13) 株価の変動
当社グループが保有する投資有価証券の価値が、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等で大幅に変動した場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 有形固定資産及び無形資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産及び無形資産について、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった場合、その資産の減損損失の計上を行うことにより、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(当社の鋼(ハガネ)カンパニーの減損テスト)
当社の鋼(ハガネ)カンパニーにおいて減損の兆候が認められたため、減損テストを実施し、減損損失の認識は不要であると判断しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。
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