当連結会計年度の主な研究開発の内容は次のとおりであり、研究開発費の総額は
1.素形材関連開発
「常にお客様を意識した活動に徹する」ことを方針とし、以下の活動を行っております。
(1)金属3Dプリンターによる新商品開発
環境負荷低減に資するコバルトフリーの低熱膨張性合金を用いた3Dプリンター品については完成に至り、特許登録を完了いたしました。旺盛な半導体需要に応えるべく、量産技術の開発に着手しております。
新商品の開発につきましては、当社独自材料であるLEXと金属3Dプリンター造形技術をもとに、下記の3点を中心に展開しております。
① 独自商品(複雑形状・軽量高強度構造・材料特性の大幅な向上)の開発
② 小型・少量機械加工品からの置き換え
③ 製品の大型化に向けた研究開発
(2)鋳造プロセス革新
鋳造工程において、ロボット技術を導入し、鋳造プロセスの高精度化・品質のばらつき低減・自動化によるコストダウンを図る技術を積極的に開発しております。
本年度は、押し湯切断工程におけるロボット導入を皮切りに、砂型3Dプリンター技術の開発や、溶接工程等におけるロボット化を推進し、製造工程の革新を進めてまいります。
(3)生産プロセスのデジタル化
人的作業に関し、AIによる動線解析を行い作業効率を大幅に向上させると共に、画像処理による製品の欠陥検出を行い、デジタル化を進めてまいります。
2.エンジニアリング関連研究開発
(1)高性能型高減衰ゴム支承(HDReX)の市場導入
開発を進めて参りましたHDReXは、製品化と国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)への登録を完了いたしました。HDReXは、従来の超高減衰ゴム支承(HDR-S)の性能をさらに高めた次世代の免震ゴム支承です。今後は、免震ゴム支承の拡販に向け、HDReXを積極的に提案すると同時に、更なる高機能化・高付加価値化を目指し、引き続き商品開発に尽力してまいります。
(2)独自技術を生かした新しい水平力分担装置(DCストッパー)の開発
当社の高じん性鋳鋼を用いたDCストッパーは、製品化と特許取得を完了いたしました。DCストッパーは、支承部に設置される水平力分担装置で、橋梁の耐震性向上のみならず、想定を上回る地震動が生じた場合でも橋梁の危機耐性向上に寄与いたします。今後は、このような付加価値をもつDCストッパーを積極的に提案するとともに、お客様の様々なご要望に対応しながら、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
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