業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 当連結会計年度の概況

当連結会計年度のわが国経済は、消費税増税や相次いだ自然災害によって個人消費が冷え込みました。設備投資や輸出などもふるわない中、第4四半期には世界的な新型コロナウィルス感染拡大の影響で景気が大きく落ち込みました。世界経済も米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱など、不透明感がただよう中で、新型コロナウィルスの影響により経済活動が殆ど停止してしまいました。

このような環境の中で、当社グループでは「Tomorrow's Technology, Today.」の実現により、高品質で付加価値の高い製品の提供に努めてまいりました。売上高につきましては、受注、生産ともに計画を達成した結果、39,435百万円(前期比0.1%増)となりました。損益面では、働き手不足を補うため効率的な生産活動に努めてまいりましたが、工場稼働率が上下に振れた結果、営業利益は2,145百万円(前期比21.9%減)、経常利益は1,914百万円(前期比28.9%減)となりました。不適合品に係る対策費用として製品補償引当金を積み増した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は816百万円(前期比235.5%増)となりました。

当連会計年度のセグメント別の業績概況

[素形材事業]

 精密鋳造品、アルミダイカスト品は自動車部品関連等の需要が頭打ちとなりました。圧延異形鋼につきましては、中大型工作機械向けの品番の受注が落ち込みました。特殊鋳鉄品は精密品向けポンプ用が停滞し、大型鋳鋼品も船舶関係に動きがみられませんでした。これらの結果、当事業の売上高は13,547百万円(前期比17.5%減)となりました。

[土木建築機材事業]

 土木関連事業につきましては、維持補修関係は伸びませんでしたが、新設橋梁向けが大型物件を中心に堅調に推移しました。年度内の出荷依頼も増加し、期末にかけて売上が伸びました。建築関連事業につきましては、新規受注に一服感が見られました。これらの結果、当事業の売上高は19,054百万円(前期比19.5%増)となりました。

[産業機械事業]

 ゴム用射出成形機につきましては、国内外向け共に自動車関連用高付加価値製品の受注が計画を達成しました。油圧機器につきましては、下半期から大型建機用シリンダーの受注が落ち込み、シールドマシーン用ジャッキも低調でした。これらの結果、当事業の売上高は6,346百万円(前期比3.2%減)となりました。

[不動産賃貸事業]

 当事業の売上高は488百万円(前期比1.1%増)となりました。

③ 財政状態の概況

 当連結会計年度末の資産は38,842百万円となり、前連結会計年度末と比較し750百万円増加しました。主に現金及び預金が増加したためであります。負債は20,511百万円となり、前連結会計年度末と比較し30百万円増加しました。主に支払手形及び買掛金が増加したためであります。純資産は18,331百万円となり、前連結会計年度末と比較し719百万円増加しました。主に利益剰余金が増加したためです。

④ キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,987

2,684

696

投資活動によるキャッシュ・フロー

△373

△1,348

△974

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,578

△362

1,216

現金及び現金同等物の期末残高

5,730

6,682

952

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加により、前連結会計年度末と比較し資金の残高は952百万円増加し6,682百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得された資金は2,684百万円(前期比696百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローにより支出された資金は1,348百万円(前期比974百万円の支出増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローにより支出された資金は362百万円(前期比1,216百万円の支出減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出の減少等であります。

(2)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(金額単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

素形材事業

17,201

△13.8

土木建築機材事業

9,275

23.6

産業機械事業

5,893

△3.1

合計

32,369

△3.5

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額は、消費税等は含まれておりません。

② 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

(金額単位:百万円)

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

素形材事業

18,450

△24.0

2,332

△40.2

土木建築機材事業

21,966

8.4

8,379

△8.5

産業機械事業

5,301

△37.8

2,500

118.6

合計

45,717

△13.8

13,212

△7.0

 (注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額は、消費税等は含まれておりません。

③ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

(金額単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

素形材事業

13,547

△17.5

土木建築機材事業

19,054

19.5

産業機械事業

6,346

△3.2

不動産賃貸事業

488

1.1

合計

39,435

0.1

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額は、消費税等は含まれておりません。

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等

 当社グループでは、土木建築機材事業部門が引き続き好調を維持し、連結売上高は 39,435百万円(前期比0.1%増) となりました。損益面では、高付加価値品の販売などに努めましたが、原材料高の影響、人件費の増加等を受け、売上原価の増加により粗利率は減少し、販売費及び一般管理費の経費率が上昇した結果、営業利益は2,145百万円(前期比21.9%減)となりました。

 営業外損益につきましても為替差損を計上したため、経常利益は1,914百万円(前期比28.9%減)となりました。一方、製品補償関連費用の追加計上しましたが、前連結会計年度よりも減少したため、親会社株主に帰属する当期純利益は816百万円(前期比235.5%増)となりました。

ロ.経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、以下の事項があります。

 当社グループの連結売上高のうち、公共投資事業向けの割合がやや高いため(土木建築機材事業)、この部門では政府自治体の予算配分を含めて、公共投資の動向によって業績に影響を受ける可能性があります。

 公共工事の発注は、予算執行の関係上下半期に多くなる傾向があり、これまでの実績では当社製品の納入時期が特に第4四半期に集中しております。そのため、会計年度の上半期と下半期とでは、売上高や損益額に著しい差異が生じます。当社では、このような季節的変動要因を軽減するため、受注量に応じた閑散期の人員の配転や繁忙期の派遣採用、上半期への休日振替等を行っております。

 当社グループは、製品製造にあたり、スクラップやニッケル等の鉄原料、鋼材、天然ゴムなどを原材料として購入しています。これら相場の変動により原材料価格が高騰し、当社グループの製造原価を押し上げる可能性があります。

 当社グループは、メーカーとして顧客仕様に基づく製品を製造、販売しておりますが、性能不良や欠陥等に起因する損害賠償等の負担により業績に影響を受ける可能性があります。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、損害賠償額が保険でカバーしきれない場合は業績に影響を受ける可能性があります。

ハ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

[素形材事業]

 精密鋳造品、アルミダイカスト品は自動車部品関連等の需要が頭打ちとなりました。圧延異形鋼につきましては、中大型工作機械向けの品番の受注が落ち込みました。特殊鋳鉄品は精密品向けポンプ用が停滞し、大型鋳鋼品も船舶関係に動きがみられませんでした。これらの結果、当事業の売上高は13,547百万円(前期比17.5%減)となりました。

[土木建築機材事業]

 土木関連事業につきましては、維持補修関係は伸びませんでしたが、新設橋梁向けが大型物件を中心に堅調に推移しました。年度内の出荷依頼も増加し、期末にかけて売上が伸びました。建築関連事業につきましては、新規受注に一服感が見られました。これらの結果、当事業の売上高は19,054百万円(前期比19.5%増)となりました。

[産業機械事業]

 ゴム用射出成形機につきましては、国内外向け共に自動車関連用高付加価値製品の受注が計画を達成しました。油圧機器につきましては、下半期から大型建機用シリンダーの受注が落ち込み、シールドマシーン用ジャッキも低調でした。これらの結果、当事業の売上高は6,346百万円(前期比3.2%減)となりました。

[不動産賃貸事業]

 当事業の売上高は488百万円(前期比1.1%増)となりました。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動・投資活動及び財務活動の結果、期末の資金は952百万円増加し、6,682百万円となりました。

 営業活動に伴うキャッシュ・フローは利益の計上・減価償却費により増加するとともに、売掛債権・仕入債務の増減により2,684百万円の資金増加となりました。

 投資活動に伴うキャッシュ・フローは主として製造設備投資の結果、1,348百万円の資金支出となりました。

 財務活動に伴うキャッシュ・フローは短期借入金・長期借入金の増減・リース債務の返済等により362百万円の資金支出となりました。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、資金需要は、製造のための原材料の購入費、外注費を含む製造費用、製造部門以外の経費である販売費及び一般管理費、支払利息、税金費用及び設備投資であります。

 設備投資以外の資金につきましては、主として営業活動に伴うキャッシュ・フローにより増加した資金に依存しております。

 設備投資の資金につきましては、営業活動に伴うキャッシュ・フローで支払い可能な少額な設備投資を除き、長期借入金、リース取引及び割賦資金により資金を調達しております。また、既存設備のリース・バック取引により資金を調達する場合もあります。

 また、当社グループでは資金効率向上のため、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金は本社機能で集中管理しております。運転資金や設備投資資金を自己資金調達できない子会社については、グループ内の資金を活用することにしております。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。

 会計方針のうち経営者による見積りに関する会計処理(固定資産の減損損失の計上、繰延税金資産の回収可能性等)については、当社グループの経営に影響を及ぼす経済の状況、設備投資の状況・民間消費支出及び公的財政支出に伴うインフラ整備の動向を踏まえ当社グループの過去の損益状況を分析するとともに、すべての経営環境の要因を総合的に勘案し、将来の経営成績の予想に基づいて判断し、会計処理を行っております。

 また、製品補償関連費用につきましては、顧客様との交渉過程により将来発生すべき費用を見積り引当金を計上しております。

 なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来の事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報に基づき検証等を行っております。

 

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