文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
①企業理念体系
当社グループは、理念体系として、社会の一員として果たすべき役割を示した「神鋼鋼線ミッション」、すべての従業員・役員で共有する価値観と行動を示した「神鋼鋼線クレド」を策定しております。
理念体系に基づき、一人ひとりが、ミッションを胸に、クレドを実践することで、「なくてはならない価値」を提供し続け、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
②2025年に目指す姿
当社グループは、新たに策定した中期経営計画「Go To Next神鋼鋼線~2025~」のもと、“環境変化に適応し、持続的に成長できる企業基盤の構築”を経営の基本方針とします。
・社会的価値の向上
SDGsを中心とする社会課題の解決に向けた事業やサービスの展開
・従業員エンゲージメントの最大化
企業理念の浸透や、働きがい・働きやすさの追求による、社員が誇れる会社作り
・安定収益
連結業績-経常利益15億円以上、 ROS5%以上の継続達成
(2) 当社グループを取り巻く事業環境
当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染の再拡大、ロシアによるウクライナ侵攻等の地政学リスクの高まり、半導体不足による各産業での生産調整等、不透明な状況が継続すると想定しております。また、原材料価格やエネルギー価格、運送費等はより一層の高騰が続くと見込んでおります。
<特殊鋼線関連事業>
公共事業における新設工事発注数は減少が継続すると見込んでいます。一方で、自動車関連需要においては、段階的な需要回復を想定しており、また建設関連需要においても、eコマース拡大による物流施設の建設や老朽化庁舎・学校の建替等が増加すると想定しています。
<鋼索関連事業>
国内・海外の各分野においてコロナ影響からの回復を見込んでおり、全体需要が高まると想定しています。但し、海外需要は新型コロナウイルス感染の再拡大の影響により、不透明な状況が継続すると見込んでいます。
<エンジニアリング関連事業>
橋梁分野では複数の大型ケーブル橋案件が見込まれるほか、メンテナンス分野では既設ケーブル橋の点検・補修需要の増加、耐震防災分野では自然災害に備えた建築物の耐震補強ニーズの高まり等、様々な分野において需要が高まると想定しています。
(3) 対処すべき重点課題
このような事業環境の中、当社グループは、これまで培ってきた技術やノウハウを活かし、新たな需要開拓やコスト競争力向上に取り組むと共に、原材料価格やエネルギー価格、運送費等の上昇に応じた販売価格改定を強化してまいります。
<特殊鋼線関連事業>
・民間分野(建設・自動車向け)を強化
・洋上風力発電・医療分野等、新分野での用途展開
・設備投資や改善活動による工場コストの削減
<鋼索関連事業>
・エレベータ、索道、クレーン分野に特化した営業組織設置による顧客関係性強化・海外展開の推進
・ユーザニーズに応じた技術提案による、国内外における新規顧客の開拓
・製造所の一体運営による最適生産体制の確立、固定費削減の徹底
<エンジニアリング関連事業>
・新設橋梁への技術的差別化によるスペックイン活動
・橋梁ケーブルメンテナンスのスタンダードを確立
・耐震ケーブルブレースの市場浸透
・防災対策製品の開発
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