課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当グループは企業理念を次のとおり定めております。


  創業企業  つねに社会にとって必要な事業を創造しつづける
   日々創業・・・初心を大切に日々創業精神で仕事をする
   歴代創業・・・代々初代の志を持って新事業を創造する
   全員創業・・・全社員が自分に合う第一人者の道を拓く
  循環企業  助け合い、活かし合い、分かち合う喜びの環を回しつづける
   快  労・・・助け合い、補い合って気持ちよく働く
   活  財・・・あらゆるもののいのちを活かして使い回す
   還  元・・・利益や喜びを共に生きる人たちと分かち合う
  求道企業  永遠につづく企業の道、人の道を追求しつづける
   選難の道・・・安易な道を選ばず求められる道を歩む
   独自の道・・・特質を生かし人のやらないことをやる
   感謝の道・・・生かされていることに感謝し慢心をしない
 
 社会にとって求められている事業を創造し続け、顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えることはもとより、事業活動を通じて良い世の中を作ることを目指してまいります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当グループの事業環境においては、世界の脱炭素に向けた動きの中で、サーキュラーエコノミーの概念がサプライチェーン全般に及び始めており、今後もリサイクル原料への需要は一層高まるものと考えております。

このような環境の中、当グループは「持続可能社会実現の一翼を担う」のミッションステートメントのもと、事業コンセプトを「サーキュラーエコノミーの具体的な事例の実現」、構築すべき組織イメージを「創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団」とし、「脱炭素社会」、「循環型社会」、「分散型社会」実現に向けた課題解決を事業機会としてチャレンジしていきます。加えて、今後の成長を根底から支えるために企業理念の共有レベルを高め、さらに環境整備や安全管理、人的資本への積極的投資等の内部体制を一層強化していきます。

当グループは事業そのものとプロセスの両面で持続可能社会の実現に寄与するために、2018年7月にリサイクル業界としては世界で初めて「RE100」に加盟しました。現時点では再生可能エネルギー電力100%というRE100目標のうち2022年6月期においては97%を達成しております。

この方針に基づき、2022年8月に更新した5カ年の中期経営計画(サステナビリティ戦略)の最終年度である2027年6月期の連結目標、売上高750億円、経常利益50億円、ROE13%の達成に向けて邁進してまいります。

今後当グループが、同戦略に基づいて事業を推進していく上での課題は下記のとおりです。

 

①資源循環事業領域の課題

・リユース、リサイクル、リマニュファクチャリングまでを一貫して行い、Q(品質)C(コスト)D(納期)でハイレベルな製造業への変革を目指します。その上で、C(カーボンニュートラル)の要素を加えた製造プロセスにより、静脈サプライチェーンモデルを構築しサーキュラーエコノミーの実現を目指します。

・原材料を安定的に確保するために、広域での解体・片付け案件等による全国規模での集荷体制を構築してまいります。加えて、これまでに蓄積したノウハウ・技術・設備の深堀により、未利用資源活用に向けた研究開発を継続して進めてまいります。

・資源価格の変動に対する取り組みとして廃棄物処理事業を強化いたします。社会課題である廃プラスチックリサイクルにおいて、既存のサーマルリサイクルに、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルを組み合わせた高度な資源循環の仕組みを構築してまいります。

 

②グローバルトレーディング事業領域の課題

・金属スクラップの取扱量を増やしスケールメリットを実現させるために、国内外の集荷拠点を拡張し、営業活動を強化いたします。

・鉄スクラップの輸出と並ぶ売上の柱を作るために、輸出品目の増加、輸入商材の増加、三国間貿易などの施策を強化いたします。

・日本企業の進出が少ない国に事業拠点がある事を強みに、これまでに培ったインフラを活用した新たな商材開拓を行ってまいります。

 

③リチウムイオン電池リサイクル事業領域の課題

・収益源の多様化並びに継続的な成長には、リチウムイオン電池等の今後市場が急速に拡大する様な成長分野の新規事業開発と推進が必要と認識しております。新事業領域へ積極的に経営資源を投下し、一方で、限られたリソースを有効に活用し最大限の成果を発揮する体制の構築に取り組んでまいります。

・既存ブラックマス製造工場に加え、新たに数カ所の工場建設による製造能力の拡大を予定しております。処理するリチウムイオン電池の集荷量の確保、安全で効率的な製造プロセスの確立、化学の専門性を有した人材の確保を進めてまいります。

・2025年以降に予定する湿式製錬工場の稼働や、その後の前駆体製造を含めた電池to電池のクローズドループリサイクルシステムの構築には、多額の投資が必要になります。他社との資本・業務提携等のあらゆる可能性を模索しながら事業領域の拡大に取り組んでまいります。

 

④その他の事業領域の課題

・環境経営コンサルティング事業においては、同領域における当グループの優位性を強化するために、既存の気候変動関連コンサルティングサービスの拡大に加えて、資源循環事業と連携したサーキュラーエコノミーのソリューション&コンサルティングサービスの拡大に注力いたします。

・障がい福祉サービス事業においては、事業基盤を強化するために、専門性の強化、既存事業所におけるサービス品質の向上に取り組みます。また、当グループの各種事業とのシナジーを高める取り組みを実施いたします。

 

⑤経営基盤と成長基盤の強化

・事業セグメントごとに迅速で適切な経営判断を実現するための体制を構築いたします。

・コア技術の研究促進のために設立した研究室を活用し、グループ各社の既存事業の生産性向上や、新規事業の側面支援を行います。

・生産性の向上のため、管理部門、営業部門、生産部門等会社のあらゆる場面でIT化を強く推進してまいります。

・創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団を目指し、社員一同が生き生きと働く良質なエネルギーに満ちた「場」を作るために、採用と人材開発及び目標管理含めた人材教育の強化を図ります。また、働き方の多様化等の環境改善にも取り組んでまいります。  

 

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