業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当事業年度の第1四半期会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国及び海外経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残る厳しい状況にあったものの、緩やかな景気回復基調にありました。しかしながら、景気回復に伴う資源価格をはじめとした各種原燃料や海上運賃の高騰があり、国内外経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。

 

当社チタン事業におきましては、航空需要が未だ回復途上ではあるものの、航空機用途向けが主体の輸出スポンジチタンの売上高は段階的な受注量の増加により、前年同期比で80.8%増となりました。また、一般産業用途向け主体の国内スポンジチタン需要も徐々に回復し、前年同期比65.7%増となりました。結果、チタン事業の売上高は25,020百万円(前年同期比74.9%増)となりました。

 

高機能材料事業では、半導体関連需要は依然として好調を持続したことにより、スパッタリングターゲット用高純度チタンの販売は引き続き増加、高品質球状チタン粉末(TILOP)の販売増と合わせ、売上高は3,217百万円(前年同期比30.9%増)となりました。

 

また、事業撤退したポリシリコン事業の残存在庫の売却は当期で完了しました。

 

以上の結果、当事業年度の売上高は、28,549百万円(前年同期比67.4%増)となりました。

損益につきましては、チタン事業における販売数量の増加、生産諸元の改善等の合理化、労務費の削減や諸経費の圧縮等に取り組んできたものの、在庫適正化を目的とした低操業の継続や各種原燃料価格の高騰、海上運賃の大幅な上昇等により、営業損失は1,914百万円(前年同期は3,425百万円の損失)、経常損失は1,719百万円(前年同期は2,843百万円の損失)、当期純損失は3,112百万円(前年同期は5,083百万円の損失)となりました。また、当事業年度において繰延税金資産1,292百万円を取崩しております。

 

なお、長期的な安定資金の確保を目的として、シンジケート・ローンの借り換えを11,500百万円実施した他、個別の長期借入金の借り換えも実施しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ

4,142百万円増加し、10,666百万円となりました。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の減少等により6,304百万円の収入となりました(前事業年度は6,733百万円の支出)。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により1,452百万円の支出となりました(前事業年度は2,879百万円の支出)。


(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、未払金の減少等により559百万円の支出となりました(前事業年度は10,172百万円の収入)。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a生産実績

 当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

チタン事業

20,009

△6.1

高機能材料事業

3,161

17.3

合計

23,170

△3.5

(注)1 金額は、販売価格によっております。

 

b受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

チタン事業

26,844

110.8

7,576

31.6

高機能材料事業

3,447

35.3

960

31.5

合計

30,292

98.2

8,537

31.6

 

c販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

チタン事業

25,020

74.9

高機能材料事業

3,217

30.9

その他

311

6.6

合計

28,549

67.4

(注) その他欄に記載の販売高は、生産を終了したポリシリコン事業に関する残存在庫の売却によるものです。

 

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

第24期

第25期

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住商メタレックス㈱

9,412

55.2

16,057

56.2

神鋼商事㈱

2,376

13.9

4,429

15.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 チタン事業におけるスポンジチタン需要が段階的な回復基調であることや為替相場が円安基調で推移したことや高機能材料事業における半導体関連需要が依然として好調を持続したことによるスパッタリングターゲット用高純度チタンの販売増等により売上高は28,549百万円(前年同期比67.4%増)となりました。

 

(営業損失・経常損失)

 チタン事業における販売数量の増加、生産諸元の改善等の合理化、労務費の削減や諸経費の圧縮等に取り組んできたものの、在庫適正化を目的とした低操業の継続や各種原燃料価格の高騰、海上運賃の大幅な上昇等により、営業損失は1,914百万円(前年同期は3,425百万円の損失)、経常損失は1,719百万円(前年同期は2,843百万円の損失)となりました。

 

(当期純損失)

 当事業年度において繰延税金資産を1,292百万円取崩したことにより当期純損失は3,112百万円(前年同期は5,083百万円の損失)となりました。

 

(財政状態)

(イ)資産

 当事業年度末の総資産の残高は、76,586百万円と前事業年度末と比べ1,157百万円減少いたしました。これは、現金及び預金、売掛金及び無形固定資産が増加したものの、棚卸資産及び繰延税金資産が減少したことが主な要因であります。

(ロ)負債

 当事業年度末の負債の残高は、50,077百万円と前事業年度末と比べ2,041百万円増加いたしました。これは、未払金が減少したものの、借入金及び未払消費税等並びに繰延税金負債が増加したことが主な要因であります。

(ハ)純資産

 当事業年度末の純資産の残高は、26,509百万円と前事業年度末と比べ3,198百万円減少いたしました。これは、当期純損失により利益剰余金が減少したことが主な要因であります。

 

b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

<チタン事業>

 チタン事業では、航空需要が未だ回復途上ではあるものの、航空機用途向けが主体の輸出スポンジチタンの売上高は段階的な受注量の増加により、前年同期比で80.8%増となりました。また、一般産業用途向け主体の国内スポンジチタン需要も徐々に回復し、前年同期比65.7%増となりました。結果、チタン事業の売上高は

25,020百万円(前年同期比74.9%増)となりました。

 

 セグメント利益は、販売数量の増加、生産諸元の改善等の合理化、労務費の削減や諸経費の圧縮等に取り組んできたものの、在庫適正化を目的とした低操業の継続や各種原燃料価格の高騰、海上運賃の大幅な上昇等により、1,196百万円の損失(前年同期は3,923百万円の損失)となりました。

 当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として1,525百万円の設備投資を実施しております。

 

<高機能材料事業>

 高機能材料事業では、半導体関連需要は依然として好調を持続したことにより、スパッタリングターゲット用高純度チタンの販売は引き続き増加、高品質球状チタン粉末(TILOP)の販売増と合わせ、売上高は3,217百万円(前年同期比30.9%増)となりました。

 セグメント利益は、販売数量の増加はあったものの、市場の要求品質に適応しない在庫の評価下げを実施したことや、SiO負極材開発加速のための先行投資等により939百万円の損失(前年同期は237万円の利益)となりました。

 当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として438百万円の設備投資を実施しております。

 

※経営方針・経営戦略、経営上の目的を達成するための方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の資金需要については、運転資金に加え製造設備の維持改善や研究開発等を目的とした設備投資等があります。これらの資金需要については、自己資金に加え、金融機関からの調達や、売上債権の流動化等により確保しております。

 また、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり当事業年度において、長期的な安定資金の確保を目的として、シンジケート・ローンの借り換えを11,500百万円実施した他、個別の長期借入金の借り換えも実施しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要と判断したもの及び、ロシアによるウクライナ侵攻の影響並びに、新型コロナウィルス感染症の影響に関する当社の仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得