課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営ビジョン

 常に時代に先んじ、世界最高の技術をもって顧客の夢を実現し、持続可能な社会の実現に資する革新的技術・製造プロセスならびに新商品の開発を通じて、安全・健康で豊かな社会づくりに貢献する「産業容器の開拓者」で、会社と社員がともに自由闊達にして活気あふれる「業界のリーディングカンパニー」であり続けます。

 

(2)第7次中期経営計画策定について

 当社グループは上記経営ビジョンを踏まえ、10年後のありたい姿を設定し、その実現のためのファーストステップとして2024年度までの第7次中期経営計画を策定いたしました。

 中期計画策定にあたりましては、10年後のありたい姿実現のための経営課題(戦略目標)を掲げ、各経営課題について現在の環境を認識した上で必要なアクションを考え、対処すべき個別課題・目標を設定いたしました。

 

 

~10年後のありたい姿~

国内ドラム事業:需要の漸減を想定しますが、最新鋭工場建設等による革新的な生産性向上、品質向上で競争力を強化し、これまで以上の収益力を確保します。

中国ドラム事業:華東地区の事業基盤の再構築により強化された競争力を活かし、成長が見込まれる市場のニーズに対応して安定した収益力を維持します。

高圧ガス容器事業:拡大する水素関連需要を着実に捉え、相応のシェア確保による販売量の拡充で収益力の向上を図ります。

●上記を通じてカーボンニュートラルを指向し、持続可能な社会実現に貢献する業界のリーディングカンパニーであり続けます。

   ⇒連結経常利益30億円超を安定的に上げられる会社を目指します

 

0102010_001.jpg

 

~第7次中期経営計画の「骨子」~

国内ドラム事業

 コロナ後の需要回復を睨み、第6次中期経営計画で採択した基盤整備のための設備投資の着実な実行と、大規模IT投資(“DX”推進・・・2023年度内に稼働予定)で、従来達成できなかったレベルの操業の安定化や品質・生産性の向上を実現すると同時に老朽化の著しい川崎工場を皮切りに(2023年度内に着工予定)大規模なリフレッシュ工事を実施し、競争力の一層の強化を図ります。

中国ドラム事業

 競合他社が多く過当競争が常態化している華東地区事業の選択と集中による再構築で競争力を強化し、今後とも成長が見込まれる需要を捉え数量増(5百万缶超え)とコストダウン効果により一層の収益力向上を目指します。

   ⇒第6次中期経営計画で掲げた日中合算:1,000万缶超販売目標に再チャレンジ!

高圧ガス容器事業

 蓄圧器用水素容器については、高品質と幅広い品揃えで様々な水素ステーションの多様なニーズに応えることができる当社の強みを活かして売上拡大を図ると共に、小型複合容器については従来の在宅医療用酸素容器に加え水素燃料電池ドローン向け等、マイクロモビリティ用途にも積極的な需要開拓、拡販活動を展開し、事業規模の拡大を行い、事業全体の経常利益の早期黒字化を目指します。

連結   ⇒2024年度連結目標 売上高:300億円 経常利益:27億円

 

 

~第7次中期経営計画の「詳細」~

 以下に、第7次中期経営計画の内容として10年後のありたい姿実現のための、①経営課題(戦略目標)を掲げ、各経営課題について②環境認識と対処すべき課題・目標について詳細を記述し、併せて③数値目標④配当方針を示します。

 

①経営課題(戦略目標)

A. 持続可能な社会の実現への貢献~脱炭素・水素社会実現を目指して

B. 変動する経営環境の中での収益性の確保と持続的成長

C. 従業員が前向きに明るく働ける環境作り

 

②環境認識と対処すべき課題・目標

A.持続可能な社会の実現への貢献~脱炭素・水素社会実現を目指して

a.ドラム缶の製造工場の炭素排出量削減

 工場リフレッシュや設備老朽更新に併せた省エネ技術の導入及び生産性向上によりエネルギー消費量を徹底的に削減すると共に、クリーンエネルギーの導入にも積極的に取り組み、炭素排出量の極小化に努めて参ります。

b.蓄圧器用水素容器の供給拡大

 水素ステーションの多様なニーズに応えた製品を供給してステーション建設を促進し、燃料電池車(FCV)の早期の普及を図ることにより水素社会実現に貢献いたします。

  目標:当社容器供給ステーション数(累計) 2024年:67箇所 2030年:344箇所

c.水素燃料電池用複合容器の供給拡大

 従来のバッテリーに比べて飛躍的に軽くて長持ちする水素燃料電池の特性を活かし、新たな用途を開拓して水素社会実現に貢献いたします。

 

B.変動する経営環境の中での収益性の確保と持続的成長

Ⓐ環境認識

a.国内ドラム事業

 安定的に利益を上げ続けてきた当社の主要事業ですが、需要規模は中長期的には石油・化学業界の設備統廃合・海外移管等により漸減するものと想定しています。一方、ドラム缶に対する品質要求は化学製品の多様化、機能化学品への高度化、医農薬・食品分野等へのシフト等により今後一層の多様化・高度化が進展するものと見込みます。

b.中国ドラム事業

 需要規模は日本と比較して非常に大きく、中長期的にも成長が期待できる一方、競争者の能力増強で過当競争に陥りやすい構造と認識しています。産業構造の変化、ニーズの高度化や環境規制の強化等の変化も予想されます。

 

c.高圧ガス容器事業

 現時点では市場規模の小さな事業ですが、現在当社が取り組んでいるいずれの分野についても今後の成長性は高いと期待しています。

 在宅医療用酸素容器は、コロナ禍の終息と高齢化進展に伴い需要拡大が見込まれ、蓄圧器用水素容器は、脱炭素・水素社会実現が今後益々求められると考えられることから市場の成長が予想され、水素燃料電池ドローン向け容器等も、燃料電池の優れた特性を活かして今後新たな需要の創造が期待できると考えています。

 

Ⓑ対処すべき個別課題・目標

a.国内ドラム事業

●需要漸減の環境下で競争力を強化するために、まずは老朽化の著しい川崎工場をリフレッシュし最新鋭化を図ります。

●他工場、本社も含めてDXを推進するために大規模IT投資を実施し、従来達成できなかったレベルの品質、生産性を実現すると共に操業の安定化を目指します。

●ドラム缶に対する品質要求の多様化・高度化に即応した新商品開発と成長分野の開拓強化により新たな需要を捕捉します。

b.中国ドラム事業

●競合他社が多く過当競争が常態化している華東地区事業の選択と集中による再構築で競争力を強化し、引き続き成長が見込まれる需要を確実に捉え販売量拡充とコストダウン効果により一層の収益向上を目指します。

●高度化するニーズを積極的に取り込んで高付加価値製品へのシフトを推進し、日本で培った高度な品質管理、商品技術を中国のニーズに適合させて顧客の信頼を獲得します。

●他の地域・国での事業展開も検討します。

c.高圧ガス容器事業

●在宅医療用酸素容器:コロナ禍からの回復や在宅医療の拡大を着実に捉え、サプライソースの多様化等によりコストダウンも推進して収益を改善します。

●蓄圧器用水素容器:幅広い品揃えで様々な水素ステーションの多様なニーズに応えることができる当社の強みを活かして売上を拡大します。

●水素燃料電池ドローン向け容器等:水素燃料電池の優れた特性を活かして、新たなニーズを捉えて積極的な顧客開拓、拡販活動を展開します。

 以上により高圧ガス容器事業の経常利益の早期黒字化を目指します。

 

C.従業員が前向きに明るく働ける環境作り

Ⓐ環境認識

 働き方改革が叫ばれ、働く人々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自ら選択できることが求められています。こうした中で、当社グループも企業として、これらの課題に向き合っていくことは勿論、こうした価値観を尊重していくことが企業としての成長にも繋がっていくと認識しております。

 

Ⓑ対処すべき個別課題・目標

 当社は、従来から女性、外国人の積極的採用を進めており、女性活躍、外国人活躍の機会を拡大するためのサポートも充実させて参りました。また、中国においては管理職や経営層を含め現地人材の積極的登用を推進しております。更に社員が持てる力を最大限発揮できるよう人材育成に向けた取り組みとして研修プログラムの充実等も図って参りました。

 今後も引き続きこれら施策の一層の充実を図っていくと同時に、ワークライフバランスにも配慮し、キャリアや年齢、性別を問わず前向きに明るく働ける職場作りと自由闊達にして活気あふれる職場風土の醸成を目指して参ります。

 

業績目標

 

2021年度実績

第7次中期経営計画

(2024年度目標)

10年後のありたい姿

(2030年度目標)

ドラム缶

販売数量

9,352千缶

10,000千缶

売上高

354億円

300億円

経常利益

21.5億円

27.0億円

30億円超

 

配当方針

 当社は株主の皆様に対する利益還元の重要性と成長戦略実行のための内部留保の確保とを総合的に判断して安定的に配当を実施していく方針であります。配当額の算定に当たっては配当性向30%程度を参考にいたします。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得