業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う長期間にわたる緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置により、事業活動の停滞や雇用情勢悪化など情勢の先行きは予断を許さない状況が続きました。また、海外においても、中国や欧米を中心に経済活動が回復しつつあるものの、東南アジアでは感染が再拡大し、ロックダウンが発生するなど、依然として不確実な状況が継続しました。

このような状況のもと、当社グループは新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の制約に対処しつつ、新たな中期経営計画「Vプラン23」を開始しました。この3年間を「飛躍のための地盤固め」と位置付け、国内事業は高収益体質への進化、海外事業は持続的成長を目指しました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ48億1百万円増加し、1,945億27百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ4億21百万円減少し、783億33百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ52億22百万円増加し、1,161億93百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は1,781億42百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は25億円(同47.5%減)、経常利益は39億76百万円(同32.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益及び固定資産売却益を計上し、54億79百万円(前年同期は30億13百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

国内事業は、売上高が1,153億82百万円(前年同期比13.5%減)、セグメント損失が1億83百万円(前年同期は43億85百万円のセグメント利益)となりました。

海外事業は、売上高が627億60百万円(前年同期比24.3%増)、セグメント利益が26億83百万円(同609.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、431億59百万円と前連結会計年度末と比べ124億90百万円の増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は154億47百万円(前年同期比60億31百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益89億17百万円、減価償却費61億36百万円、売上債権の減少額180億91百万円、たな卸資産の増加額36億91百万円、仕入債務の減少額49億14百万円、未払消費税等の減少額10億74百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は25億22百万円(前年同期比29億10百万円減)となりました。これは主に有価証券の取得による支出40億48百万円、有価証券の売却及び償還による収入41億58百万円、有形固定資産の取得による支出36億29百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は31億18百万円(前年同期比11億98百万円減)となりました。これは主に配当金の支払額23億42百万円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

国内事業(百万円)

99,698

85.5

海外事業(百万円)

45,818

127.9

合計(百万円)

145,516

95.4

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません(以下の各表についても同様であります。)。

    3.金額は、セグメント間の取引について相殺消去しております(以下の各表についても同様であります。)。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

国内事業(百万円)

17,909

109.5

海外事業(百万円)

4,731

102.6

合計(百万円)

22,640

108.0

 

c.受注実績

 見込生産体制をとっておりますので、受注生産は行っておりません。

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

国内事業(百万円)

115,382

86.5

海外事業(百万円)

62,760

124.3

合計(百万円)

178,142

96.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の売上高は1,781億42百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は25億円(同47.5%減)、経常利益は39億76百万円(同32.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益及び固定資産売却益を計上し、54億79百万円(前年同期は30億13百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

新中期経営計画「Vプラン23」の初年度となる当連結会計年度は、9月以降コロナ禍による海外からの部品調達難が発生したため、5月に上方修正した計画を達成するに至りませんでした。しかしながら、「Vプラン23」で掲げた取り組みは、第3四半期連結累計期間に成果として顕在化しており、当連結会計年度に課題となったサプライチェーンの再構築を確実に進めることで「Vプラン23」達成につなげてまいります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(国内事業)

当連結会計年度の国内事業セグメントは、売上高が1,153億82百万円(前年同期比13.5%減)、セグメント損失が1億83百万円(前年同期は43億85百万円のセグメント利益)となりました。

温水空調分野では、高付加価値商品の拡販を重点課題とし、「見まもり」「キレイ」機能を備えた主力商品「GT-C62シリーズ」を、またガス温水暖房付きふろ給湯器におきましては、浴室暖房乾燥機との連動によって「見まもり」機能をさらに強化した「GTH-C61シリーズ」を中心に高効率ガス給湯器「エコジョーズ」の販売を促進しました。特に、衛生ニーズの高まりを背景に、「除菌」機能を搭載したハイエンドタイプ「プレミアムモデル」の販売を大きく伸ばしました。

厨房分野も同様に、中級グレードの「ピアット」と、自動でグリル調理が可能なマルチグリルに燻製や低温調理の機能を追加し、専用のスマートフォンアプリとの連携が可能となった高級グレードの新製品「プログレシリーズ」の販売に注力しました。また、レンジフードとのセット提案により、ガスビルトインコンロの拡販に努めました。

温水空調分野を中心に、高付加価値商品の販売構成比を高め、商品MIXによる収益改善を推進したことにより、第2四半期までは好調に推移しましたが、第3四半期以降の部品調達難の影響により国内事業全体で減収減益となりました。

セグメント資産は、主に部品調達難による減収に伴う受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ123億8百万円減少し、797億円となりました。

 

(海外事業)

当連結会計年度の海外事業セグメントは、売上高が627億60百万円(前年同期比24.3%増)、セグメント利益が26億83百万円(同609.3%増)となりました。

中国エリアにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響が軽減する中、現地ニーズに対応した新製品の拡販に取り組み、ネット販売や内陸部の売上が伸長したことに加え、広告宣伝活動の強化によりブランド力が向上し、収益拡大につなげることができました。北米エリアにおいては、流通網の整備と業務用給湯器・暖房商品の拡販による成果がありました。豪州エリアにおいては、家庭用のタンクレス給湯器に加え、業務用給湯器の販売を拡大しました。以上により、全エリアで増収増益となり、海外事業全体で増収増益となりました。

セグメント資産は、主に営業活動による現金及び預金が増加、Kangaroo社株式取得に伴う投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ135億96百万円増加し、699億54百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動におきましては、主に部品調達難に伴い営業利益は減少したものの、売上債権も減少したため、営業活動により得られた資金は154億47百万円(前年同期比60億31百万円増)となりました。一方、投資活動におきましては、主に有形固定資産の売却による収入が発生したため、投資活動により支出した資金は25億22百万円(前年同期比29億10百万円減)となりました。また、財務活動におきましては、主に前連結会計年度に発生した自己株式の取得による株主還元が当連結会計年度は発生しなかったため、財務活動により支出した資金は31億18百万円(前年同期比11億98百万円減)となりました。

この結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、431億59百万円と前連結会計年度末と比べ124億90百万円の増加となりました。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や部品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は主に設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金、設備投資及び長期運転資金については自己資金を基本としております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は57億50百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は431億59百万円となっております。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその長期化に対する備えとして、財務基盤の安定性をより一層高めることを目的に十分な融資枠を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、経営者は見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や現状等を考慮して合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。但し、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。

当社グループの重要な会計方針は「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、財政状態又は経営成績に対して特に重大な影響を与える会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

a.関係会社株式の評価

当社グループは、取得した関係会社株式に含まれるのれん、商標権及び顧客関連資産について、被取得会社の事業計画・ロイヤリティ料率・既存顧客の減衰率等を基礎とした将来期待されるキャッシュ・フローを現在価値に割引いて算出しております。事業計画等は、経営者の判断及び見積りの不確実性を伴うものであり、見積りの前提や仮定に変更が生じた場合、関係会社株式の評価の判断に影響を及ぼす可能性があります。

関係会社株式の評価につきましては、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

b.繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産を将来の回収可能性に基づき計上しております。回収可能性を判断するに際し、将来の課税所得を慎重に見積もり、実現可能性の高い継続的な税務計画を作成検討し、回収可能性が低いと考えられるものについては評価性引当額を計上しております。繰延税金資産は、市場の動向や為替変動などの経済環境、会社の事業計画の悪化等により課税所得の見積りを減額した場合等には繰延税金資産を取り崩す必要が生じるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

繰延税金資産の回収可能性につきましては、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

c.製品保証引当金

当社及び一部の連結子会社は、製品販売後のアフターサービス費用に備えるため、製品保証引当金を計上しております。製品保証引当金は、売上高を基準として過去の実績負担率により算定した額又は個別に見積もり可能なアフターサービス費用についてはその見積額を計上しておりますが、実際の発生実績率又は製品保証費用が見積りと異なる場合、引当金の変更が必要となる可能性があります。

 

d.固定資産の減損

当社グループは、事業用資産については、製品及び市場の類似性を考慮し、主として管理会計上の収支管理単位で区分しております。遊休資産については、個々の資産ごとにグルーピングしております。固定資産の回収可能価額については、各グループの単位で将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等を見積もっておりますが、市場の動向や為替変動などの経済環境、会社の事業計画の悪化等により将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

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