当社グループは、お客さまに当社製品を安心して使っていただくために、各分野にわたって研究開発に取り組み、最先端技術を駆使しながら熱源機器の多機能化、対環境性能の向上等の更なる改善を推進し、先端技術分野で今後の事業の中心となる製品の研究開発を進めております。
現在の研究開発は、当社、PB Heat, LLC、能率(中国)投資有限公司および櫻花衛厨(中国)股份有限公司において温水空調分野、㈱ハーマン、櫻花衛厨(中国)股份有限公司において厨房分野を中心に推進しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(温水空調分野)
環境問題への関心の高まり、そして国のエネルギー政策の加速や社会課題化している超高齢社会における入浴事故の増加を背景に、AI(人工知能)、IoT(Internet of things)に代表される情報化社会の進展に対応した高効率給湯器やハイブリッド給湯器などの新技術に注力してまいりました。
主力の高効率ガスふろ給湯器「GT-C62シリーズ」をリニューアルし、スマートフォンによる宅外からの入浴状況の確認を可能にしました。遠隔での“見まもり”と“呼びかけ”を可能にした事で、近年増加傾向にある高齢者の浴槽での入浴事故という社会課題の解決に貢献します。
また、高齢者向け施設の個浴における遠隔見まもり機能付き業務用給湯器も発売しました。近年、サービス付き高齢者向け住宅や介護施設の職員の業務負荷が増加し、人手不足が深刻な社会課題となっています。これまでも、居室には見まもりサービスが導入されていましたが、当商品により浴室内の“見まり”も可能となり、高齢者の安全・安心な暮らしをサポートするとともに、介護職員の業務負荷低減に貢献します。
環境問題への対応としては、省エネ・環境性に優れた「ハイブリッド給湯・暖房システム」のラインアップを拡充しました。構成を従来の2ピース構成から3ピース構成に変えることで、これまで難しかった集合住宅のメーターボックス内への設置を可能にしました。国が進める『ZEH-M』※の普及拡大に貢献します。
海外市場においては、能率中国有限公司と日本の共同開発により、現地ニーズに対応した家庭用給湯器「Sシリーズ」の品揃えを充実しました。
温水空調分野における研究開発費は2,931百万円であります。
※ZEH-M:net Zero Energy House-Mansion (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の略語であり、断
熱性・省エネ性能向上と創エネで消費エネルギー量を実質的にゼロ以下にする集合住宅
(厨房分野)
ガスビルトインコンロでは、普及価格帯のガスビルトインコンロ 「Fami(ファミ)シリーズ」をモデルチェンジし、お手入れ性に優れたガラストップを備え、使いやすさとお求めやすい価格を両立しました。
また、中級価格帯のガスビルトインコンロ「piatto(ピアット)シリーズ」は、単独世帯や夫婦のみ世帯の増加に対応し、2口タイプのラインアップを追加しました。これまでの3口コンロ「ピアットマルチグリル」「ピアットワイドグリル」「ピアットライト」の3商品に加え、「2口 piatto」を追加することで、幅広いニーズに対応しました。
厨房分野における研究開発費は225百万円であります。
(先行技術開発)
先行技術開発については、技術領域の拡大に向けて、国立大学法人神戸大学と包括連携協定を締結しました。この包括連携協定では、脱炭素関連技術やDX・ウェルネス分野の技術など、社会課題解決につながる技術開発を進めると同時に、研究開発職の人材教育や新規事業の創出にも取り組んでまいります。
また、「熱エネルギー循環型ハイブリッド給湯システム」の開発がNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の公募事業に採択されました。低炭素・脱炭素社会の実現に向け、当社が取り組む新たな技術領域として積極的に取り組んでまいります。
これらの先行技術開発を含め各事業分野に関連付けられない基礎的研究開発費は1,365百万円であります。
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