(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、景気は持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残るなかで、一部に弱さがみられる状況となりました。
先行きにつきましては、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かうなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直していくことが期待されますが、海外情勢に不透明感がみられ、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクや、感染症による影響を注視する必要がある状況となりました。
当社の主力分野であります石油暖房機器業界におきましては、12月下旬以降に地域的に強い寒気の影響を受けましたが、1月以降は冬型の気圧配置が緩むなど市場規模は前年に比べ縮小いたしました。
こうしたなかにあって当社は、市場や住環境の変化に対応した商品開発に取り組みました。また、需要に応えるための生産活動の強化と販売チャネルの拡大に取り組みました。
a. 財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ3億30百万円減少し、289億63百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ9億70百万円減少し、38億94百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ6億40百万円増加し、250億69百万円となりました。
b. 経営成績
当事業年度における業績は、売上高は210億87百万円(前期比7.9%減)、営業利益は13億62百万円(同32.2%減)、経常利益は15億43百万円(同24.6%減)、当期純利益は10億73百万円(同26.8%減)となりました。
当社は住環境機器を製造・販売する事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載を省略しております。なお、主要品目別の業績を示すと次のとおりであります。
<暖房機器>
主力商品であります石油暖房機器におきましては、日本国内の自社工場での生産による迅速な商品供給力と、安心して商品をお使いいただくための品質保証体制がお客様に評価されて業界内で確たる地位を築いております。当事業年度におきましては、カートリッジタンクのキャップの置き場所に困らない新機能「ワンタッチ汚れんキャップEX」を搭載した家庭用石油ファンヒーター「SGXタイプ」3機種と「GRタイプ」3機種を発売いたしました。従来のワンタッチ汚れんキャップは使いやすいと好評であったものの、キャップの置き場所に困るなどといったお悩みが寄せられており、このお悩みを解決することで、寒い中やらなければならない給油作業を楽にしつつ故障時の部品交換は最低限にするために開発いたしました。これらの機種と合わせ、全12タイプ30機種の商品を販売いたしました。
また、電気暖房機器におきましては、3(トリプル)安全装置付きセラミックファンヒーター2機種を販売し、脱衣所やキッチンなどスポット暖房の需要にお応えしてまいりました。
当事業年度は、石油暖房機器の輸出が増加しましたが、国内向け家庭用石油ファンヒーターが減少しました。
この結果、暖房機器の売上高は147億6百万円(前期比1.7%減)となりました。
<環境機器>
加湿器におきましては、新たな機能としてスマートリモコンを使用して遠隔操作ができる「LXシリーズ」2機種と、カンタン取替えトレイカバーを搭載したハイブリッド式加湿器「RXTシリーズ」3機種を発売いたしました。これらの機種とあわせ、全6シリーズ20機種の商品を販売いたしました。
当事業年度は、前事業年度の一時的な需要増加に伴う反動減によって加湿器の販売が減少しました。この結果、環境機器の売上高は49億34百万円(前期比28.6%減)となりました。
<その他>
その他におきましては、金型や加湿器のフィルター販売等が堅調に推移し、売上高は14億47百万円(前期比43.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ18億20百万円減少し、当事業年度末に114億2百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は5億46百万円(前事業年度末比90.1%減)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上額15億4百万円、未払消費税等の減少額7億84百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20億13百万円(同592.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出8億37百万円、投資有価証券の取得による支出7億5百万円、有価証券の取得による支出5億円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億55百万円(同0.0%減)となりました。これは主に、配当金の支払額3億55百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当事業年度の生産実績を主要品目別に示すと、次のとおりであります。
区分 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
暖房機器(石油暖房機器、電気暖房機器、ガス暖房機器)(千円) |
15,242,777 |
136.8 |
環境機器(加湿器、燃料電池ユニット)(千円) |
5,292,562 |
80.2 |
その他(部品、コーヒーメーカー他)(千円) |
954,464 |
108.2 |
合計(千円) |
21,489,803 |
115.4 |
(注)1.金額は平均販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当社は住環境機器を製造・販売する事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載を省略しております。なお、当事業年度の販売実績を主要品目別に示すと、次のとおりであります。
区分 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
暖房機器(石油暖房機器、電気暖房機器、ガス暖房機器)(千円) |
14,706,520 |
98.3 |
環境機器(加湿器、燃料電池ユニット)(千円) |
4,934,117 |
71.4 |
その他(部品、コーヒーメーカー他)(千円) |
1,447,252 |
143.4 |
合計(千円) |
21,087,889 |
92.1 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであり
ます。
相手先 |
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
㈱ヤマダホールディングス |
3,064,675 |
13.4 |
2,532,567 |
12.0 |
㈱ケーズホールディングス |
2,955,803 |
12.9 |
2,439,163 |
11.6 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産合計)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ3億30百万円減少の289億63百万円(前事業年度末は292億93百万円)となりました。
流動資産は190億40百万円(前事業年度末比12億33百万円減)となりました。これは主に、有価証券が15億1百万円増加したものの、現金及び預金が28億22百万円減少したことによるものであります。
固定資産は99億22百万円(同9億3百万円増)となりました。これは主に、投資有価証券が5億17百
万円、前払年金費用が3億32百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ9億70百万円減少の38億94百万円(前事業年度末は48億64百万円)となりました。
流動負債は32億8百万円(同8億92百万円減)となりました。これは主に、預り金が2億89百万円増加したものの、未払金が8億47百万円減少したことによるものであります。
固定負債は6億85百万円(同77百万円減)となりました。これは主に、退職給付引当金が2億51百万円減少したことによるものであります。
(純資産合計)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ6億40百万円増加の250億69百万円(前事業年度末は244億29百万円)となりました。
株主資本は248億82百万円(同7億17百万円増)となりました。これは主に、繰越利益剰余金が7億43百万円増加したことによるものであります。
評価・換算差額等は1億86百万円(同77百万円減)となりました。これは、その他有価証券評価差額金が77百万円減少したことによるものであります。
2)経営成績
(売上高)
売上高は前事業年度に比較して17億96百万円減少し、210億87百万円(前期比7.9%減)となりました。これは、当社の主力分野であります石油暖房機器業界におきまして、12月下旬以降に地域的に強い寒気の影響を受けましたが、1月以降は冬型の気圧配置が緩むなど市場規模は前年に比べ縮小した影響によるものです。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は153億10百万円と前事業年度に比べ10億93百万円減少(同6.7%減)となり、売上原価率は前事業年度の71.7%から当事業年度は72.6%と0.9ポイント増加いたしました。
販売費及び一般管理費は前事業年度に比較して57百万円減少いたしました。これは主に運賃保管料の減少によるもので、販売費及び一般管理費は44億14百万円(同1.3%減)となりました。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比較して6億46百万円減少し13億62百万円(同32.2%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は1億82百万円(同18.8%増)となりました。また、営業外費用は1百万円(同98.8%減)となりました。これは収益認識に関する会計基準等の適用による売上割引の減少によるものです。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比較して5億3百万円減少し15億43百万円(同24.6%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
特別利益は0百万円(同78.1%減)となりました。
特別損失は前事業年度に比較して24百万円増加いたしました。これは固定資産除却損の増加によるもので、特別損失は39百万円(同158.1%増)となりました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比較して3億93百万円減少し10億73百万円(同26.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備資金は、内部資金又は借入により資金調達することにしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたりまして、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおり重要な資産の評価基準及び評価方法、重要な引当金の計上基準等においての継続性、網羅性、厳格性を重視して計上しております。
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