当社グループは、工業用ファスナー及び工具類、産業用機械及び精密機器、計測制御機器及び土質調査機器、医療機器分野等の事業活動を展開しております。これらを支援する研究開発活動は、主として当社の研究開発部と事業部門(ファスナー事業部門、産機事業部門、制御システム事業部門、メディカル事業部門)が互いに連携協力し、研究開発テーマの技術内容、開発期間等の視点から、研究開発活動の分業を行い、それぞれの部門の固有技術を生かした技術及び製品の研究開発を行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は、
セグメントの研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
(1)ファスナー事業
反りやバリの発生を軽減しつつ、従来品以上の回り止め強度(空転トルク)を得ることができる「新型クリンチングスタッドボルト」を市場投入するとともに、異種接合技術「AKROSE HYBRID」や自動車の軽量化のための部材を締結するねじ部品などの開発に取り組みました。当事業に係る研究開発費は、
(2)産機事業
日系企業として初めてユニバーサルロボット社の「UR+」製品認証を取得した、生産現場の省人化に貢献する協働ロボット専用のねじ締めユニット「PD400UR」の販売を開始するとともに、垂直多関節ねじ締めロボットなどの開発に取り組みました。当事業に係る研究開発費は、
(3)制御事業
流量計関連では、従来モデルから通信機能を強化し、Modbus-RTUプロトコルに対応した「ディジタル流量指示積算計MC75・MC82」を市場投入するとともに、新容積流量計(ヘリカルギア式)や小型水用流量計などの開発に取り組みました。ジオカルテ関連では、土手や橋梁建設の地盤調査向けにハイパワー型機の開発などを行うとともに、システム製品関連では、繊細な部品の検査過程における傷付きを防止する小物部品専用検査選別装置「ミストル ロボタイプ」の販売を開始しました。また、分析機器関連では、水分測定と電位差滴定など、同時に複数の分析を可能にする自動滴定装置「GT-310」、微量窒素・硫黄・塩素分析装置「NSX-5000Vシリーズ」などを市場に投入するとともに、吸着性有機ハロゲン分析装置や自動粉体抵抗測定システムなどの開発に取り組みました。当事業に係る研究開発費は、
(4)メディカル事業
京都府立医科大学や富山大学等と共同で研究開発に取り組んできた、生体内で溶解吸収される期間を制御できる「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム」の開発に成功し、世界初の技術として特許出願を行うとともに、本素材を用いた医療用インプラント製品の開発や医療用照明器「フリーレッド」のコストダウンに取り組みました。当事業に係る研究開発費は、
(5)全社(共通)
研究開発部では、ねじの軽量化やねじ締めの高速化・安定化に関する締結技術開発、磁気式検査装置やマイクロバブルの民生用途への応用開発などに取り組みました。なお、研究開発費については、特定のセグメントに区分できない基礎的研究費が183百万円あります。
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