研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、中長期に向けて、主力シャシばね製品の最軽量化に向けた新材料開発と標準材の適用拡大、今後の製品競争力を支配する分野である電動化と自動運転に対応した新領域製品の開発、量産化を進めております。なお、研究開発活動につきましては日本のみで行っておりますので、セグメント別の記載を省略し製品区分で記載をしております。

 

当連結会計年度における主な製品区分ごとの成果は以下のとおりであります。

 

シャシばね区分では、懸架コイルばね・スタビライザ・重ね板ばねともに、グローバル化に向けた海外・国内ばね標準材の調査・採用を継続しております。懸架コイルばねに引き続きスタビライザにおいても材料と加工処理の最適化により標準材を用いた高強度化を実現しております。これにより、更なるグローバル最適調達が可能になり、注目されるインド材の評価を積極的に進めております。そして、CO2削減対応のため益々高まる自動車メーカーからの軽量化のニーズに対応するため、懸架コイルばね、重ね板ばねにおいて高強度材の他、非鉄、複合材の開発にも取組んでおり、車両特性、燃費向上に貢献できる技術として期待されるなか、量産化に向けて進めております。また、高付加価値製品につきましては、従来にない乗り心地と操縦安定性向上をコイルばねの特性とラバーシート特性のトータル最適化で実現を図るための、ばねとラバーの一体設計やスタビライザモジュール開発など、周辺部品の取り込みにも注力しています。今後、より付加価値を生むための加工技術開発にも取組み、更なる軽量化、原価改善に貢献できるよう積極的に開発を推進しております。今後も開発スピードを大幅に向上させる取組みを推進していきます。

 

精密ばね区分では、競争力の強化として、今後更なる展開が予測される、自動車の電動化に向けた、ユニット冷却に用いられるばね製品の量産化を進めていきます。また、近年搭載適用が拡大しているパワーバックドア用長ばねの静音性をより高めた植毛ばねの量産、スライドドアの開閉ロック機構モジュールの量産を開始しております。これらは、弊社既存の固有技術を組合せて活用することで、高性能という付加価値を加え、売上・収益の改善に貢献します。既存製品については、新規客先への技術プレゼンによる拡販活動や、品質・性能適正化による原価低減活動に取組んでおります。

 

ケーブル区分では、廉価材の活用と併せ部品内製化による原価低減の継続的な推進と生産地域の最適化により、価格競争力向上を実現するとともに、自動車用シートやドアウィンドウなど新たに採用されるケーブルの拡販を進めております。また、自動車メーカーのニーズである軽量化、高耐久に対する商品力向上の開発を進めており、今後新用途や既存製品への展開が期待されております。さらに海外事業においては、良品廉価な現地調達部品の活用による競争力向上を図り、更なるビジネス拡大を目指しております。

 

海外の拠点においては、現地材適用による価格競争力向上と対応製品の種類拡大中であり、グローバル製品開発を継続的に進めております。

 

さらに鉄道など非自動車分野、将来拡大が見込まれるオフィス、住宅や家具等の分野に対し、弊社技術を活用した製品の開発も進めており、弊社初となる鉄道関係製品は量産化しており、今後市場投入が予定されている鉄道関連新機構の主要部品となる製品の試作、評価も新たに開始しております。また、昨今の高齢化社会において注目度が高い医療・福祉・介護分野への新規参入を狙った開発にスピード感を持って取組んでいます。

 

その他区分では、継続的な新製品創出を目指し、当社コア技術に新たな技術を加えた開発を引き続き積極的に進めております。建築用部品である窓開閉装置においては、省エネなど環境に配慮した製品の拡充に加え、意匠性を高めた製品改良を完了し量産目前になっております。また、コロナ禍でニーズが高まる換気機能の電動化、ワイヤレス化の開発を積極的に推進しております。排煙装置や車椅子固定装置などの機構製品開発で培った設計技術を応用した新製品の開発・評価を進めております。

 

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,211百万円(前年同期比1.4%減)となっております。

コロナ禍の折、研究開発活動は緩めることなく、選択と集中による費用の最適化を行っております。

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