業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

  当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の全面解除に伴う行動制限の緩和並びにワクチン接種率の上昇に伴い景気回復の兆しが見えつつありましたが、本年7月以降の感染症の再拡大や世界的な原油価格の高騰が個人消費にも影響を与えるなど、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 一方で当社グループが手掛けるデジタルマーケティングソリューション事業領域は、国内のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進によるデジタル化の加速や、巣ごもり・在宅需要を背景に通販系消費が拡大し、2021年のインターネット広告費は2.7兆円(出典:株式会社電通「2021年日本の広告費」2022年2月24日)と高成長を維持し、2024年度には3.3兆円まで拡大(出典:株式会社矢野経済研究所「インターネット広告市場規模推移と予測」)すると予測されます。

 このような環境のなか、当社グループの当連結会計年度においては、株式交換によりZETA株式会社を連結子会社化したことで前連結会計年度と比べ業績が大きく伸長しました。特にCX改善サービスにおいてはZETA株式会社が連結の範囲に含まれることとなったことで業績が大きく伸び、当社グループの利益に大きく貢献しました。ZETA株式会社はECサイト内検索においてユーザーへの購買体験を高めるソリューション提供に強みを持ち、ECサイトへのソリューション提供後の契約継続率は95%と高いため、ストック型ビジネスとして安定的な収益が見込まれます。前連結会計年度まで当社とデクワス株式会社の業績はフロー型ビジネスのため広告需要に左右される傾向がありましたが、当連結会計年度よりストック型ビジネスであるZETA株式会社が連結の範囲に含まれることとなったことで、利益を生み出せる力が強固になりました。

 なお、ZETA株式会社の連結子会社化により生じたのれんの減損損失1,443,443千円を特別損失として計上いたしました。

 その結果、当連結会計年度における売上高は2,595,997千円(前連結会計年度比86.3%増)、営業利益は363,726千円(前連結会計年度は44,977千円の損失)、経常利益は354,833千円(前連結会計年度は43,694千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,146,458千円(前連結会計年度は55,197千円の損失)となりました。

 なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。主なサービス別の概況は次のとおりです。

 

①ネット広告サービス

 当サービスは、新型コロナウイルス感染症に対応する消費財等の広告需要及び首都圏不動産需要の高まりを受けて広告配信案件が順調に推移したことで、業績が前年度を大きく上回りました。当サービスは当社及び連結子会社のデクワスが主に手掛けており、広告需要の影響は受けるものの両社ともに個別の四半期会計期間の営業利益は前2021年6月期第3四半期より継続して黒字かつ拡大基調にあり、前連結会計年度と比べ大きく伸長しました。

 その結果、売上高は1,458,650千円(前連結会計年度比31.3%増)となりました。

 

②CX改善サービス

 当サービスは、当連結会計年度よりZETA株式会社を連結子会社化したことにより業績が前年度を大きく上回りました。ZETA株式会社が手掛ける「ZETA CX」シリーズの導入件数はネット通販売上高トップ100社のうち28社に及び、導入先への流通総額は3兆円にも及びます。(※) なお当連結会計年度は、ZETA株式会社取得日からの9ヶ月間(2021年9月~2022年5月)を連結の範囲に含めております。

 その結果、売上高は966,358千円(前連結会計年度比699.6%増)となりました。

(※)集計期間2021年6月~2022年5月

 

③OMO推進サービス

 当サービスは、DKMサービスが当連結会計年度の第3四半期より大手小売店舗の新規取引が開始したことや既存大手顧客先からの新規受注もあり、業績が前年度を上回りました。

 その結果、売上高は142,264千円(前連結会計年度比4.5%増)となりました

 

(売上高)

当連結会計年度の売上高は2,595,997千円となり、前連結会計年度に比べ1,202,249千円増加しました。これは主にZETA株式会社の連結子会社によりCX改善サービスの売上高比率が上昇したことによるものです。

 

(売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は1,476,941千円となり、前連結会計年度に比べ340,921千円増加しました。これは主に業績拡大に伴う広告枠費や業務委託費の増加によるものであります。

この結果、売上総利益は1,119,056千円(前連結会計年度比334.2%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は755,329千円となり、前連結会計年度に比べ452,623千円増加しました。これは主にZETA株式会社の連結子会社化に伴う人件費および広告宣伝費、業務委託費の増加によるものであります。

この結果、営業利益は363,726千円(前連結会計年度は44,977千円の営業損失)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常損益)

当連結会計年度の営業外収益は1,542千円となりました。これは主に助成金収入によるものであります。

当連結会計年度の営業外費用は10,435千円となりました。これは主に借入金や社債の支払利息によるものであります。

この結果、経常利益は354,833千円(前連結会計年度は43,694千円の経常損失)となりました。

 

(特別利益、特別損失及び当期純損益)

当連結会計年度の特別利益は6,252千円となりました。これは主に段階取得による差益によるものであります。

当連結会計年度の特別損失は1,450,084千円となりました。これはのれんを含む固定資産の減損損失によるものであります。

また法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は57,459千円となり、これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,146,458千円(前連結会計年度は55,197千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

(2) 財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末より1,770,233千円増加し、2,257,389千円となりました。その主な内訳は、主にZETA株式会社の連結子会社化により現金及び預金が1,503,686千円、売掛金が252,244千円、前払費用23,279千円が増加したことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末より799,721千円増加し、828,004千円となりました。その主な内訳は、主にZETA株式会社の連結子会社化により有形固定資産が31,629千円、顧客関連資産が719,750千円、のれんが4,941千円、敷金が39,894千円増加したことによるものであります。

 

(繰延資産)

当連結会計年度末における繰延資産は、ZETA株式会社の連結子会社化により第1四半期連結会計期間より発生し、8,329千円となりました。その内訳は、ZETA株式会社の社債発行費によるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末より475,406千円増加し、681,896千円となりました。その主な内訳は、OMO推進サービスの伸長などによる契約負債(前連結会計年度は前受収益及び前受金の一部)が71,575千円増加したことや、主にZETA株式会社の連結子会社化により1年内返済予定の長期借入金及び1年内償還予定の社債が249,606千円、買掛金が21,846千円、未払金が23,421千円、未払費用が33,933千円、未払法人税等が47,534千円増加したことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は前連結会計年度末より862,988千円増加し、891,748千円となりました。その主な内訳は、主にZETA株式会社の連結子会社化により長期借入金及び社債が612,084千円、顧客関連資産の計上に伴い発生した繰延税金負債が248,961千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末より1,239,889千円増加し、1,520,078千円となりました。その主な内訳は、欠損填補により資本金が734,980千円減少したこと及び利益剰余金が179,572千円増加したことや、ZETA株式会社の連結子会社化及び欠損填補により資本剰余金が1,795,297千円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額1,128,178千円を加味した結果、1,503,686千円増加の1,749,304千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は283,258千円(前連結会計年度は89,752千円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失1,088,998千円、減損損失1,450,084千円、無形固定資産償却費80,250千円や売上債権の増加188,150千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、22,368千円(前連結会計年度は13,184千円の支出)となりました。主な要因は、ZETA株式会社の有形固定資産の取得による支出23,369千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、114,617千円(前連結会計年度は24,999千円の収入)となりました。主な要因は、社債の発行による収入216,069千円および社債の償還による支出99,000千円によるものです。

 

(4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

② 受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

サービス区分別

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前年同期比
(%)

ネット広告サービス(千円)

1,458,650

131.3

CX改善サービス(千円)

966,358

799.6

OMO推進サービス(千円)

142,264

104.5

その他(千円)

28,724

110.5

合計

2,595,997

186.3

 

 

(注)1.当連結会計年度よりサービスの名称を変更いたしました。その結果「パーソナライズ・アドサービス」  を「ネット広告サービス」に、「パーソナライズ・レコメンドサービス」を「CX改善サービス」に、「ソリューションビジネス」のうち「DKMサービス」を「OMO推進サービス」に、それ以外を「その他」にそれぞれ変更しております。当該変更は名称変更のみであり、その内容に与える影響はありません。なお前連結会計年度における「ソリューションビジネス」のうち「OMO推進サービス」に係る販売実績は136,080千円、それ以外の販売実績は25,992千円であります。

 

 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

2022年6月30日)

金額 (千円)

割合 (%)

金額 (千円)

割合 (%)

㈱リクルート

577,185

41.4

615,894

23.7

 

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得