業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、収益認識会計基準等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

(1) 経営成績の状況

当社グループの主力セグメントであるクリエイタープラットフォーム事業(CP事業)が属するインターネット広告市場につきましては、「2021年 日本の広告費」(株式会社電通)によると、2021年のインターネット広告媒体費は2兆1,571億円(前年比122.8%)と大きく成長し、初めて2兆円を超えました。

このような環境下、当連結会計年度を通して、クリエイタープラットフォーム事業(CP事業)においては、広告需要などにおける新型コロナ感染症のネガティブな影響が想定よりも軽微であり、セグメント内の全事業が概ね好調に推移しました。もう一つのセグメントであるクリエイターソリューション事業(CS事業)においても、当連結会計年度を通して、高利益率の大型案件の受注が寄与し、安定的に好調を維持することができました。

このように当社の全事業がバランス良く好調を維持し、また全社的なコスト削減努力も功を奏した結果、収束が見えない新型コロナ感染症やウクライナ侵攻など、不透明な社会経済環境が続く中にあっても、当社グループの業績は、売上高は5,574,194千円(前期比3.1%増)、営業利益は638,042千円(前期比40.4%増)、経常利益は638,324千円(前期比37.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は450,764千円(前期比3.0%減)となりました。

なお、 収益認識会計基準等の適用前の売上高は6,012,633千円(前期比11.2%増加)となり、営業利益、経常利益及び税金等調整前四半期純利益に与える影響はありません。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を「コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)」より「クリエイタープラットフォーム事業(CP事業)」に、「コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)」より「クリエイターソリューション事業(CS事業)」にそれぞれ変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。

 

① クリエイタープラットフォーム事業(CP事業)

CP事業においては、当連結会計年度中に事業譲受により4つのメディア、子会社取得により1つのメディアの運営を追加し、事業拡大を図っております。

当連結会計年度の月間平均(2021年7月から2022年6月の12ヶ月平均)UU数は、54,290千UU/月となり、前連結会計年度の月間平均(2020年7月から2021年6月の12ヶ月平均)UU数54,333千UU/月と同等でした。このような状況の中、ネット広告売上※1は1,757,350千円(前期比4.8%減少)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用前の当連結会計年度のネット広告売上は2,130,531千円(前期比15.4%増加)となります。また当期の期首に、主に複数のECショップを管理する「TEMPOSTAR」を運営するSAVAWAY株式会社の全株式取得により連結の範囲に含めたことで、システム売上※4は728,674千円(前期比118.9%増加)と大きく増加しました。一方で、データ・コンテンツ提供売上※2は、1,775,213千円(前期比4.0%減少)となり、前連結会計年度第3四半期より株式会社絵本ナビが連結から外れたことにより前期を下回りましたが、「巣ごもり消費」から始まったEC利用は定着化してきています。出版ビジネス売上※3は、579,113千円(前期比15.2%減少)となり前連結会計年度の「巣ごもり生活」等による需要増も一巡し、前期を下回る水準となっています。

以上の結果、当セグメント売上高は4,799,551千円(前期比2.6%増加)、セグメント利益(営業利益)は482,720千円(前期比27.1%増加)となりました。

なお、 収益認識会計基準等の適用前の当連結会計年度のセグメント売上高は5,237,989千円(前期比12.0%増加)となり、セグメント利益に与える影響はありません。

 

 

② クリエイターソリューション事業(CS事業)

CS事業におきましては、当連結会計年度を通して、高利益率の大型案件の受注が寄与したことから、リサーチソリューション、ECソリューションとも利益率が大きく向上しました。

以上の結果、当セグメント売上高は774,643千円(前期比6.0%増加)、セグメント利益(営業利益)は155,321千円(前期比107.9%増加)となりました。

 

※1 ネット広告売上とは主に以下による広告売上

・運用型広告:アドネットワーク(異なる複数の広告媒体を束ねてネットワーク配信する仕組み)による売上

・アフィリエイト広告:成果報酬型のインターネット広告。商品購入や資料請求などの、最終成果またはクリックが発生した件数に応じて広告費用を支払う

・提案型広告:Webメディア側による企画・提案または顧客の要望に基づいて制作する広告

・純広告:バナー広告、メール広告など

※2 データ・コンテンツ提供売上とは、主にEC物販、記事提供、データ販売、コンテンツ提供による売上

※3 出版ビジネス売上とは、主に雑誌販売による売上

※4 システム売上とは、主にオウンドメディア等の構築・運営支援による売上

 

この結果、売上高は5,574,194千円(前連結会計年度5,407,155千円)となり、167,039千円の増加(前期比3.1%増)、営業利益は638,042千円(前連結会計年度454,463千円)となり、183,578千円の増加(前期比40.4%増)となりました。

 

経常利益

当連結会計年度における営業外収益は、44,349千円(前連結会計年度60,750千円)となり、16,401千円の減少(前期比27.0%減)となりました。主な要因は、為替差益21,459千円計上したこと等によるものであります。また営業外費用は、44,067千円(前連結会計年度51,153千円)となり、7,085千円の減少(前期比13.9%減)となりました。主な要因は、持分法による投資損失20,376千円計上したこと等によるものであります。

この結果、経常利益は638,324千円(前連結会計年度464,061千円)となり、174,263千円の増加(前期比37.6%増)となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における特別利益は、第1四半期連結会計期間において、SAVAWAY株式会社の全株式を取得したことにより負ののれん発生益20,181千円を計上したことによります。特別損失は、投資有価証券評価損21,002千円を計上したことによるものです。

また、法人税、住民税及び事業税193,484千円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は450,764千円(前連結会計年度464,633千円)となり、13,869千円の減少(前期比3.0%減)となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は4,050,793千円(前連結会計年度末3,918,419千円)であり、132,374千円の増加となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が67,334千円増加したこと等によるものであります。固定資産の残高は1,118,613千円(前連結会計年度末805,637千円)であり、312,976千円の増加となりました。主な要因は、投資有価証券135,106千円増加したこと、のれん105,086千円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における総資産は5,169,407千円(前連結会計年度末4,724,056千円)となり、445,350千円の増加となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は1,057,439千円(前連結会計年度末922,328千円)であり、135,111千円の増加となりました。主な要因は、未払費用85,066千円増加買掛金49,000千円増加したこと等によるものであります。固定負債の残高は283,268千円(前連結会計年度末353,206千円)であり、69,937千円の減少となりました。主な要因は、長期借入金が80,000千円減少したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は1,340,708千円(前連結会計年度末1,275,534千円)となり、65,173千円の増加となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は3,828,699千円(前連結会計年度末3,448,522千円)であり、380,177千円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金が439,103千円増加したこと、当期中に自己株式を114,088千円取得したこと等にによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物は2,905,294千円と前連結会計年度末と比べ23,394千円の減少となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは646,648千円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益637,503千円、減価償却費49,420千円、のれん償却額26,314千円、未払費用の増減額(△は減少)78,092千円、前受金の増減額(△は減少)43,738千円、仕入債務の増減額(△は減少)28,781千円の一方で、法人税等の支払額239,847千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは514,200千円の減少となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出167,824千円、事業譲受による支出314,801千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは172,998千円の減少となりました。これは主に、自己株式の取得による支出114,475千円、長期借入金の返済による支出80,000千円等によるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの運転資金及び設備・投融資資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローを原資としておりますが、必要な場合には金融機関からの借入を行っております。また、資金の流動性の確保のため、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績及び受注実績

当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また受注生産形態をとらない事業が中心であるため、セグメントごとに生産の規模及び受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 

② 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

CP事業

4,799,551

102.63

CS事業

774,643

106.04

合計

5,574,194

103.09

 

 

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