文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループをとりまく経営環境につきましては、国内におけるスマートフォンの保有者の割合が2021年に74.3%と前年比5ポイント増加するなど、スマートフォンは引き続き普及拡大しており(総務省調べ)、また、2021年の広告費は前年比110.4%の6兆7,998億円と、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響が下半期にかけて緩和し、広告市場全体が大きく回復しました。その中でも、インターネット広告費につきましては前年比121.4%の2兆7,052億円と、「マスコミ四媒体広告費」の総計2兆4,538億円を初めて上回りました(株式会社電通調べ)。
このような状況の下、当社グループは、既存のメディア事業においては「グノシー」への広告宣伝投資の再開による収益性の向上及びKDDI株式会社との協業アプリである「ニュースパス」「auサービスToday」について同社との連携強化による成長実現に注力しております。「グノシー」については、社会のインフラとなるような新しい時代のニュースメディアを目指し、社会的価値の高い「知っておくとよい情報」、個人的価値の高い「知りたい情報」の最適な配信の実現に向けた施策に取り組んでおります。当連結会計年度における広告宣伝投資再開後は新規ユーザーの継続率が大幅に改善し、結果としてユーザーあたり収益性が改善しました。引き続き厳格な広告審査を行い、ユーザーの皆様に安心してご利用頂けるような広告体験の実現に注力しております。さらに、連結子会社である株式会社ゲームエイトの運営するゲーム攻略メディア「game8.jp(ゲームエイト)」では、月間ページビューが高水準で安定的に推移し、海外事業においても順調な成長を実現しました。
新規事業においては、引き続き社内/社外への成長機会への投資を行ってまいりました。お茶のD2Cブランドとして開発されたムードペアリングティー「YOU IN」が東京だけでなく大阪でもPOP UPストアを開催するなど、販路の拡大を進めております。また、当社の既存投資先のひとつであるGaragePreneurs Internet Pvt. Ltd.に対しては、2021年11月における強制転換条項付転換社債の転換に伴う強制転換条項付優先株式の取得、及び2022年2月における強制転換条項付優先株式の追加取得により戦略投資を強化してまいりました。両社の連携を更に深めるために、2022年4月29日開催のGaragePreneursの取締役会を経て、当社の間庭裕喜取締役が同社の取締役に選任され、同社は当社の持分法適用関連会社となりました。
収益面に関しては、当連結会計年度において、Gunosy Adsに係る売上高を5,582百万円計上いたしました。また、アドネットワークに係る売上高においては、厳格な広告審査を継続する中、当連結会計年度ではアドネットワークに係る売上高を986百万円計上いたしました。連結子会社である株式会社ゲームエイトの業績は海外事業の成長と国内事業の安定した推移により、連結業績に大きく寄与いたしました。
費用面に関しては、「グノシー」の再成長に向けた広告宣伝投資を継続した結果、広告宣伝費1,365百万円(前期比75.7%増)を計上するほか、アドネットワークに係る売上高の減少に伴い媒体費が減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高8,998百万円(前年同期比1.0%増)、経常利益191百万円(前年同期比70.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益130百万円(前年同期比66.1%減)となりました。
なお、「グノシー」「ニュースパス」「auサービスToday」及び「LUCRA(ルクラ)」合計の国内累計DL数は当連結会計年度末において6,982万DLとなり、前連結会計年度末比で621万DLの増加となりました。
当社グループには、メディア事業以外の重要なセグメントが無いため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(資産)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて243百万円増加し、13,518百万円となりました。
主な要因は、現金及び預金の減少(前連結会計年度末比2,459百万円の減少)、売掛金の減少(前連結会計年度末比103百万円の減少)、投資有価証券の増加(前連結会計年度末比3,018百万円の増加)、投資その他の資産のその他の減少(前連結会計年度末比252百万円の減少)であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて287百万円減少し、1,583百万円となりました。
主な要因は、買掛金の減少(前連結会計年度末比172百万円の減少)、未払金の減少(前連結会計年度末比49百万円の減少)、未払法人税等の減少(前連結会計年度末比93百万円の減少)であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて530百万円増加し、11,934百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(前連結会計年度末比50百万円の増加)、自己株式の減少(前連結会計年度末比138百万円の減少)、繰延ヘッジ損益の増加(前連結会計年度末比55百万円の増加)、為替換算調整勘定の増加(前連結会計年度末比241百万円の増加)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて4,004百万円減少し、4,947百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、33百万円(前連結会計年度は983百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益232百万円の計上、売上債権の減少103百万円、仕入債務の減少172百万円、法人税等の支払額299百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、4,064百万円(前連結会計年度は1,079百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,545百万円、投資有価証券の取得による支出2,938百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、9百万円(前連結会計年度末は1百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入12百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b. 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは、「メディア事業」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度 (自 2021年6月1日 至 2022年5月31日) |
前年同期比(%) |
8,998百万円 |
101.0 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年6月1日 至 2022年5月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
Google LLC |
- |
- |
942 |
10.5 |
2.前連結会計年度のGoogle LLCに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当連結会計年度における業績は、売上高8,998百万円(前年同期比1.0%増)、売上原価5,007百万円(前年同期比1.4%減)、販売費及び一般管理費は3,578百万円(前年同期比14.9%増)となり、この結果、営業利益は412百万円(前年同期比42.5%減)、経常利益は191百万円(前年同期比70.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は130百万円(前年同期比66.1%減)となりました。また、ROEは1.1%(前年同期比2.4ポイント減)となりました。
(売上高)
売上高は8,998百万円(前年同期比1.0%増)となりました。これは主に、Gunosy Adsに係る売上高5,582百万円、アドネットワークに係る売上高986百万円を計上したこと及び連結子会社であるゲームエイトの業績が当初予想を上回って推移したことによるものであります。
(営業利益)
営業利益は412百万円(前年同期比42.5%減)となりました。これは主に、「グノシー」の再成長に向けた広告宣伝投資を継続した結果、広告宣伝費1,365百万円(前年同期比75.7%増)を計上するほか、アドネットワーク売上高の減少に伴い媒体費が減少したことによるものであります。
(経常利益)
経常利益は191百万円(前年同期比70.1%減)となりました。これは主に、当社の本社移転後の旧オフィスに係る費用として、遊休資産諸費用204百万円(前年同期比495.0%増)を計上したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は130百万円(前年同期比66.1%減)となりました。これは主に、経常利益の減少及び投資有価証券評価損50百万円(前年同期比309.9%増)を計上したことによるものであります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
資金需要及び資金調達につきましては、当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービス及び新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。また、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大や、地政学リスクの高まり、それらを要因とする金融市場の変化などに伴う経営環境の不確実性の高まりに備えるため、取引銀行と新たにコミットメントライン契約を締結し、より機動的な資金需要への対応を行っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制、事業運営体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、優秀な人材の採用と組織体制の整備、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
⑤経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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