業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、前期に引き続き、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、ワクチン接種が進んだものの、感染力が強い新たな変異株による感染再拡大などの影響により、度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出され、依然として経済社会活動が停滞しており厳しい状況となっております。

 2021年に入り、世界ではワクチン接種の普及等を受けて入国制限や入国後の行動制限を緩和する国も増加しておりましたが、11月には新たな変異株(オミクロン株)の発生を受けて複数の国・地域で入国制限や入国後の行動制限を再び強化する動きがありました。このような状況下において、当社グループの主要事業である海外旅行保険付帯の医療アシスタンスサービスやインバウンド事業等既存事業は、依然として低迷を余儀なくされている状況が続いております。

 当社グループの主要事業の業績に影響を与える海外出国日本人数につきましては2021年通期では前年比83.9%減の512千人と大幅な減少となりました(日本政府観光局(JNTO)調べ)。

 海外からの訪日外客数についても前年比94.0%減の245千人となりました(日本政府観光局(JNTO)調べ)。

 当社グループの主要業務である海外における日本人顧客向けの医療アシスタンスサービスにとって海外出国者数の大幅な減少は致命的であり、海外旅行保険の付帯サービス、留学生危機管理サービス共に売上が減少したままとなっております。また訪日外客数の減少により、医療ツーリズム、訪日外国人向け緊急対応型医療アシスタンスサービスにつきましても、引き続き大きな影響を受けております。

 こうした環境下、厚生労働省から受託しております「入国者等健康フォローアップセンター業務」が売上増に大きく貢献しており、業務の拡大により、契約金額が増額変更されることになり、その後順調に入国者健康確認センターにおける業務運営を遂行することができました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,358百万円(前期比93.6%増)と増収になりました。このうち「入国者等健康フォローアップセンター業務」が、2,434百万円と売上に大きく貢献しました。

 また当連結会計年度の売上原価は、「入国者等健康フォローアップセンター業務」の再委託費の増加により3,659百万円(前期比106.0%増)、販売費及び一般管理費は462百万円(前期比1.3%増)となり、営業利益は、235百万円(前期営業利益17百万円)、経常利益は243百万円(前期経常利益1百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は178百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失0百万円)となりました。

 

 セグメントの状況は次のとおりであります。

 

(医療アシスタンス事業)

a.海外旅行保険の付帯サービス

 海外旅行保険の付帯サービスに関しましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続いており、入国制限や渡航制限等の措置が継続されているため、海外出国者数が、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準には戻らず、売上高は減少したままとなっております。

 

b.法人向け医療アシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、セキュリティ・アシスタンスサービス

 当社グループは医療アシスタンスサービスとセキュリティ・アシスタンスサービスを法人に、留学生危機管理サービスとセキュリティ・アシスタンスサービスを大学等の学校法人に提供しております。留学生危機管理サービスにつきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延による留学のキャンセルが相次いだことにより、セキュリティ・アシスタンスサービスとともに売上高が前期比で減少しました。一方、法人向け医療アシスタンスサービスについては、企業のリスク管理意識の高まりを受けて、売上高が前期比で増加となりました。

 

c.救急救命アシスタンス事業

 救急救命アシスタンス事業は、民間企業等が海外の僻地で取り組む大規模建設工事現場にサイトクリニックを設置し、医師・看護師・救急救命士が常駐して現地医療体制を構築し、病人や怪我人の対応を行う事業(EAJプロジェクトアシスト)です。

 世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、現場サイトでの新型コロナウイルス感染症への感染予防・感染対策を行う日本人医療者派遣の需要が拡大し、2018年より受注しているバングラデシュおよび新規のアフリカでの事業を順調に運営し、前期比で売上高は増加しました。

d.国際医療事業(医療ツーリズム)

 国際医療事業(医療ツーリズム)につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う海外渡航等の制限が継続されており、サービス提供機会が激減しております。今後の各国の渡航制限等の緩和を見据え、国内医療機関とのネットワーク構築の強化を図っております。

 

e.訪日外国人向け緊急対応型医療アシスタンス事業

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、海外からの訪日外客数の大幅な減少に伴い、日本国内で外国人に病気や怪我など不測の事態が起こった場合の医療アシスタンスサービスの提供機会は大幅に減少したままの状況が続いております。

 

f.ワンストップ相談窓口

 厚生労働省や大阪府その他の自治体より、外国人診療に関する相談窓口事業を、順調に運営し、医療機関向けの相談対応業務を実施しております。今後、コロナ後を見据え、地方自治体や医療機関との外国人患者受入に関する連携の一層の強化を目指します。

 

g.入国者等健康フォローアップセンター業務

 厚生労働省から受託した「入国者等健康フォローアップセンター業務」につきましては、引き続き全社対応による業務運営が順調に進捗しており、新型コロナウイルス感染症関連事業として、売上増加に大きく貢献しております。

 

 これらの結果、医療アシスタンス事業の売上高は3,842百万円(前期比129.5%増)、セグメント利益は242百万円(前期比287.0%増)となりました。

 

(ライフアシスタンス事業)

 ライフアシスタンス事業につきましては、既存取引先との契約見直しに伴い、前期比で売上高が減少しました。

 

 この結果、ライフアシスタンス事業の売上高は516百万円(前期比10.5%減)、セグメント利益はコスト削減の効果もあり319百万円(前期比16.2%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ128百万円増加し、1,708百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・アウトフローは、245百万円(前連結会計年度は404百万円のキャッシュ・インフロー)となりました。この主な要因は、減価償却費61百万円の計上、為替差益14百万円の計上、売上債権984百万円の増加、立替金36百万円の増加、未払金594百万円の増加、未払消費税等40百万円の増加、前受収益13百万円の減少、預り金140百万円の減少であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、16百万円(前連結会計年度は2百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。この主な要因は、定期預金の払戻による収入4百万円、有形固定資産の取得による支出8百万円、無形固定資産の取得による支出11百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・インフローは、353百万円(前連結会計年度は115百万円のキャッシュ・インフロー)となりました。この主な要因は、短期借入金382百万円の増加、長期借入金の返済による支出28百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(生産実績)

 当社グループはアシスタンス業務の提供を主たる事業として行っており、生産に該当する事項はありません。

 

(受注実績)

 当社グループの主たる事業であるアシスタンス業務の提供は、提供するサービスの性格上、受注の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(販売実績)

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年増減比(%)

医療アシスタンス事業 (千円)

3,842,122

129.5

ライフアシスタンス事業(千円)

516,412

△10.5

合計      (千円)

4,358,535

93.6

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

厚生労働省

101,081

4.5

2,506,601

57.5

損害保険ジャパン株式会社(注)3

858,867

38.2

663,058

15.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.損害保険ジャパン株式会社の企業集団に属するEndurance Services Limitedへの販売高を集約して記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。

 

(売上高)

 当社グループの売上に対する新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、昨年度第2四半期から顕在化し、特に医療アシスタンス事業のうちサービス提供数に応じた変動的な売上体系となっているサービスプロダクトに係る売上高が大きく低迷する多大な影響を受けております。

 一方、厚生労働省から受託しております「入国者等健康フォローアップセンター業務」が売上増に大きく貢献しており、業務の拡大により、契約金額が増額変更されることになりました。

 この結果、売上高は前年比93.6%増の4,358百万円となりました。

 

(営業利益)

 売上原価は、厚生労働省から受託した「入国者等健康フォローアップセンター業務」の再委託費の増加により3,659百万円(前期比106.0%増)、販売費及び一般管理費は462百万円(前期比1.3%増)となりました。

 以上の結果、営業利益は235百万円(前期17百万円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 営業外収益において為替差益11百万円(前期為替差損13百万円)を計上しました。また、特筆すべき特別利益及び特別損失の計上はありません。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は178百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失0百万円)となりました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,159百万円増加し、3,802百万円となりました。主な増減要因としては、現金及び預金130百万円の増加、売掛金988百万円の増加、立替金36百万円の増加、無形固定資産14百万円の減少がありました。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ945百万円増加し、2,722百万円となりました。主な増減要因としては、短期借入金383百万円の増加、未払金610百万円の増加、前受収益13百万円の減少、長期借入金19百万円の減少がありました。

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ214百万円増加し1,080百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が178百万円発生し、利益剰余金497百万円(前期比178百万円増)を計上したことによるものと、為替換算調整勘定45百万円(前期比35百万円増)によるものです。

 

 以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は27.8%(前期比4.0ポイント減)となりました。

 自己資本比率の低さについては、厚生労働省から受託した「入国者等健康フォローアップセンター業務」の再委託先への立替え払いや、医療機関に対しての立替払いを実施するため、ビジネス拡大をするにつれて借入が増えるビジネスモデルとなっているためです。

 また、重要な経営指標である自己資本利益率を高めるために、より高収益体質へと転換を図ってまいります。

 

 なお、今後の見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(医療アシスタンス事業)

 医療アシスタンス事業においては、当社グループの主要業務である海外における日本人顧客向けの医療アシスタンスサービスについて、海外出国日本人数が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を昨年度に引き続き受けて低迷しており、サービス提供数に応じた変動的な売上体系である海外旅行保険の付帯サービス、留学生危機管理サービス共に回復の兆しが見えておりません。また、訪日外客数についても減少したままとなっており、医療ツーリズム、訪日・在日外国人向け緊急医療アシスタンスサービスにつきましても、依然として低水準であります。

 一方、こうした環境下、厚生労働省から受託しております「入国者等健康フォローアップセンター業務」が売上増に大きく貢献しており、業務の拡大により、契約金額が増額されました。

 これらの結果、当連結会計年度の医療アシスタンス事業の売上高は、前期比129.5%増の3,842百万円、セグメント利益は、前期比287.0%増の242百万円の結果となりました。

 

(ライフアシスタンス事業)

 ライフアシスタンス事業においては、年間契約料ベースの固定的な売上体系のため、新型コロナウイルス感染症拡大による直接的な影響を受けることはありませんが、既存取引先との契約見直しに伴い、前年比で売上高が減少しました。

 当連結会計年度のライフアシスタンス事業の売上高は、前期比10.5%減の516百万円、セグメント利益は、コスト削減の施策が奏功し、前期比16.2%増の319百万円の結果となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析)

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、厚生労働省から受託した「入国者等健康フォローアップセンター業務」の再委託費の増加による一時的な立替えに備え、短期借入金382百万円の増加により、当連結会計年度末時点で1,708百万円の十分な水準の手元流動性を確保しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの当連結会計年度の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 

a.基本的な財務戦略及び経営資源の配分に関する考え方

 当社グループは、財務基盤の強化に努め、自己資本比率を一般的な水準である30%以上を維持するとともに、成長のための投資資金の確保を実現するため、投資計画と立替資金及びリスク対応の留保分を考慮したうえで保有すべき現預金水準を概ね8~10億円程度以上と設定し、適正なレンジでの手元流動性を維持しております。

 

b.資金需要の内容

 当社グループは、主力事業である医療アシスタンスサービスにおいて、医療機関に対して立替払いを実施するため、また事業規模の拡大と収益源の多様化を求めるために必要に応じて資金調達を実施いたします。

 

c.資金調達の方法

 当社グループは、投資のための資金調達は基本的には銀行からの固定金利での長期借入金によっております。

 また、機動的な資金確保のため取引銀行10行と当座貸越契約を締結し、適正な水準の手元流動性を確保しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、売掛金等に対する貸倒引当金及び資産・負債の報告数値並びに財務諸表の開示内容に影響を与えるその他の事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる判断や見積りを行っております。従って、実績がこれらの見積り額と異なることで結果として連結財務諸表に影響を与える可能性があります。

 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の注記事項(追加情報)に記載しております。

 

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