3 【事業の内容】
当社グループは、1960年に日本において大学新聞に企業の求人広告を掲載し、学生に求人情報を提供することから始まりました。設立以来、主に個人ユーザーと企業クライアントを結びつけるプラットフォームを創造し運営しています。
現在は、テクノロジーとデータを活用し、マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、グローバル市場における個人ユーザーに最適な選択肢を提供し、企業クライアントの更なる業務効率化を支援しています。
また当社グループは、個人ユーザーのプライバシー保護を含めたデータセキュリティ・プライバシー対応の強化を企業活動の重要な基盤として位置づけ、体制や施策を整備しています。
当社グループは、HRテクノロジー、メディア&ソリューション及び人材派遣の3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下「SBU」)ごとに統括会社を設置した経営体制により、各SBUが迅速に事業戦略を遂行すると同時に、当社グループ経営戦略であるSimplify Hiring、Help Businesses Work Smarter、そしてProsper TogetherをSBU間で連携しながら遂行しています。当社が持株会社としての機能の集中と強化を図り、戦略の策定と推進、適切なグループガバナンスやモニタリングの実行により、更なる企業価値の向上を実現することを目指しています。当連結会計年度末において、当社の連結子会社は271社、関連会社は8社です。
(1) セグメント別サービス内容
① HRテクノロジー事業
HRテクノロジー事業は、Indeed、Glassdoor及びその他の関連する事業で構成されています。
Indeed及びGlassdoorは求職者が求人情報を検索したり、企業に関する情報を収集したりすることができるオンラインプラットフォームです。Indeed は「We help people get jobs」を、Glassdoor は「We help people everywhere find a job and company they love」をミッションとして掲げ、求職者が理想の仕事を見つけ、求職活動に成功することがIndeed及びGlassdoorのミッションの実現に繋がっています。
Indeedは、アグリゲート技術と独自の検索アルゴリズムによる最も適切な求人情報を検索結果として提供することにより、個人ユーザーの求職活動に変革をもたらしました。そして、毎月約2.5億人(注1)以上の求職者が利用する世界最大の求人情報検索サイト(注2)になっています。Glassdoorは求人情報にユーザー投稿による企業や雇用条件等のレビューを組み合わせることによって、職場の透明性を高め、求職者の仕事や企業の検索や評価の方法に変革をもたらしています。この結果、Glassdoorは個人ユーザーの投稿による企業レビューや見識を提供するオンライン求人プラットフォームのリーダーとして認識されるようになり、毎月約5,500万人(注1)以上の求職者に利用されています。
Indeed及びGlassdoorは、求人情報の検索をはじめ、履歴書の開示、企業情報やそのレビュー、スケジュール設定機能を含むビデオ面接や電話面接等、求職活動を支援する一連の機能を提供しています。企業クライアントは、求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を双方のプラットフォームを通して行うことで、より効率的に多様な求職者へのアプローチが可能になります。また、IndeedとGlassdoorは、ペイフォーパフォーマンスモデルを採用する求人広告を通じて効率的な採用活動を支援すると同時に、ソーシング、スクリーニング、採用候補者とのやり取りや面接といった採用プロセスに係るサービスを提供しています。
(注1) 2022年3月におけるGoogle Analyticsに基づく社内データ
(注2) comScoreに基づく2022年2月の訪問数
② メディア&ソリューション事業
メディア&ソリューション事業は日本国内において、住宅、美容、結婚、旅行、飲食、その他の各事業分野に合わせた企業クライアントの集客・顧客管理、決済にわたる事業運営に係る各種ソリューションを提供する販促領域、個人ユーザーの求職活動及び企業クライアントの採用活動支援サービスを提供する人材領域で構成されています。
両領域で、個人ユーザーと企業クライアントを結ぶマッチングプラットフォーム、テクノロジーやデータを駆使して企業クライアントの業務運営の効率化を支援するSaaS (Software as a Service)ソリューションを提供しています。SaaSソリューションには、事業分野特化型のバーティカルSaaSソリューション及び事業分野横断型のホリゾンタルSaaSソリューションがあります。
メディア&ソリューション事業は、個人ユーザーのプライバシーを尊重し、パーソナルデータ指針に則ったデータ活用を遵守し、オンラインプラットフォーム及び紙メディア上で、個人ユーザーが安心して利用できる利便性の高いサービスを通じて、最適な選択肢を提供しています。
販促領域が提供するマッチングプラットフォームは、住宅分野はSUUMO、美容分野はHotPepper Beauty、結婚分野はゼクシィ、旅行分野はじゃらん、飲食分野はHotPepperグルメ等があり、主にマッチングプラットフォームへの広告掲載課金体系を採用していますが、旅行分野等一部の分野はトランザクション課金を採用しています。
各事業分野のマッチングプラットフォームに付随して、住宅分野ではオンライン物件在庫管理システム、美容分野及び飲食分野ではクラウドベースの予約・顧客管理システム、旅行分野ではオンライン予約システム及び決済サービス、スタディサプリでは学生・社会人向けのオンライン学習サービスといった、バーティカルSaaSソリューションを提供しています。
また、バーティカルSaaSソリューションに加えて、Air ビジネスツールズをはじめとするホリゾンタルSaaSソリューションを提供し、事業分野を問わず幅広い業界に共通する事業運営の課題を解決することで、より多くの企業クライアントの業績及び生産性の向上を目指しています。
例えば、Airペイは需要が高まっているキャッシュレス決済導入の課題に対して、多様な業種・環境の店舗にてクレジットカード、電子マネー、QRコード(注1)の利用を可能とする決済サービスとして、Airレジは企業クライアントの会計・決済業務において、POSレジ機能に加えて商品管理や売上分析機能を提供し、加えて会計ソフトや予約管理システムとのスムーズな連携を可能にすることで、課題解決を支援しています。
また、電話、ネット、店舗での予約一元管理機能のAirリザーブ、受付管理機能のAirウェイトを通じて予約管理や窓口業務の効率化を支援しています。SaaSソリューションの提供は主にサブスクリプション及びトランザクション課金体系を採用しています。
人材領域では、オンラインプラットフォームとして、就職活動を行う学生向けのリクナビ、転職活動を行う社会人向けのリクナビNEXT、アルバイトやパート等の求職者向けのタウンワーク等を運営しています。オフラインではアルバイトやパート等の求人情報誌タウンワークを発行しています。また、リクルートエージェント等を通じて人材紹介サービスを提供しています。
また、人材領域ではAirシフトをはじめ、クラウドベースの応募情報一元管理システムであるAirワーク 採用管理等のホリゾンタルSaaSを提供しています。
日本国内における人材マッチングサービスの他に、国内における人材育成サービス関連事業や、アジア地域にて人材紹介サービス事業を運営しています。
(注1) QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です。
③ 人材派遣事業
人材派遣事業は、日本並びに欧州、米国及び豪州で構成され、事務職派遣、製造業務・軽作業派遣及び各種専門職派遣等の人材派遣サービスを提供しています。労働者の派遣に際しては、予め派遣スタッフを募集・登録し、当該登録者の中から派遣先企業の希望する条件に合致する派遣スタッフを人選し、当社グループとの間で雇用契約を締結した上で、派遣先企業へ派遣しています。国内、海外共にマーケット特性に応じて組織をユニット単位に区分し、権限移譲により、各ユニットがマーケットに最適な戦略を実行することによって、利益の最大化を目指すユニット経営を推進しています。
日本では、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の規定に従い、厚生労働大臣の許可を受けて派遣スタッフを募集・登録し、企業へ派遣する労働者派遣事業等を行っており、㈱リクルートスタッフィング及び㈱スタッフサービス・ホールディングス等を通じて、サービスを提供しています。
欧州、米国及び豪州では、欧州のRGF Staffing France SAS、RGF Staffing Germany GmbH、RGF Staffing the Netherlands B.V.、RGF Staffing UK Limited 及びUnique NV、北米のStaffmark Group , LLC 及びThe CSI Companies, Inc.、並びに豪州のChandler Macleod Group Limited等を通じて、サービスを提供しています。
(2) 事業の内容と当社グループ各社の位置づけ
2022年3月31日時点において、当社グループの主な事業の内容と当社又は主な関係会社の当該事業における位置づけ及びセグメントとの関連は以下のとおりです。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断しています。
(3) 事業系統図
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