業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度の経済状況は、中国に次いで欧米などの先進国の持ち直しが続くなど、総じて緩やかな回復基調にあります。今後も経済活動の正常化に伴い、より一層の回復が見込まれる一方で、新型コロナウイルス感染症の再拡大や半導体をはじめとした世界的な部材不足、原油価格の高騰、米中対立をはじめとする地政学的リスクなど、依然として先行き不透明な状況が継続しています。

 このような事業環境の中、当社グループは、長期経営計画「Next Stage 2026 ~Toward Further Growth~」を掲げ、「創造」「実行」「苦労・克服」という創業精神を基盤に豊かな未来につながる技術を磨き、ものづくりを通して持続可能な社会の実現にチャレンジしています。

 研究開発におきましては、2020年に販売を開始しました生分解性プラスチックの成形加工を容易に実現するV-LINE®不活性ガス溶解射出成形システム「INFILT-V」が日刊工業新聞社主催の「2021年(第18回)“超”モノづくり部品大賞 環境・資源・エネルギー関連部品賞」を受賞したほか、2021年10月に販売を開始しました長時間高速安定造形に対応した新製品金属3Dプリンタ「LPM325S」が日刊工業新聞社主催の「2021年(第64回)十大新製品賞本賞」を受賞しました。引き続き性能面はさることながら環境配慮製品についても積極的な研究開発を行ってまいります。

 営業・サービス活動におきましては、新型コロナウイルス感染防止策を十分に施した上で「メカトロテックジャパン2021」に出展し、ソディックブランドの浸透と拡販に努めました。今後コロナ禍の状況を考慮しつつ、リアルでの展示会にも出展を増やすほか、引き続きWeb展示会の更なるコンテンツの追加やリモートツール等のITを活用した活動の強化に努めてまいります。

 このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、売上高751億74百万円(前年同期比29.5%増)、営業利益68億13百万円(前年同期比267.8%増)、経常利益85億88百万円(前年同期比319.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益65億91百万円(前年同期比389.4%増)となりました。

 

② セグメント別の状況

工作機械事業

 売上高

51,485百万円

(前年同期比

35.4%増

 営業利益

7,176百万円

(前年同期比

4,279百万円増

中華圏における自動車や電子部品、5G関連、半導体関連分野での需要拡大のほか、日本及び欧米、アジアにおける需要の持ち直しの動きが継続した結果、売上高は前年同期比で増加しました。一方で、足元での受注は落ち着きが見え始めているほか、半導体をはじめとする部材調達のひっ迫等によりリードタイムの長期化も懸念される状況です。

セグメント利益においても販売台数の増加に伴う工場稼働率の向上等により前年同期比で大幅に増加しました。

産業機械事業

 売上高

10,367百万円

(前年同期比

5.2%減

 営業利益

503百万円

(前年同期比

92百万円減

北米の医療関係は好調が継続したほか、日本でも自動車・電子部品向けの販売が増加しました。一方で、前期に好調であった中華圏におけるレンズ向けの販売に一服感が見られ、売上高は前年同期比で減少しました。

食品機械事業

 売上高

6,884百万円

(前年同期比

92.0%増

 営業利益

830百万円

(前年同期比

764百万円増

各種製麺機、麺製造プラント、無菌包装米飯製造装置などの開発・製造・販売、その保守サービスを行っています。衛生面及び省人化対応設備や外出自粛に伴う巣ごもり需要に関連した案件が継続したほか、海外においても製麺機や米飯製造装置の販売があった結果、売上高は前年同期比で増加しました。

その他

 売上高

6,437百万円

(前年同期比

17.3%増

 営業利益

811百万円

(前年同期比

491百万円増

精密コネクタなどの受託生産を行う金型成形事業、リニアモータやセラミックス部材の販売等を行う要素技術事業から構成されています。情報通信設備等の需要増によるセラミックスの需要増のほか、金型成形事業においては半導体不足により自動車産業全体の需要は減速しているものの、生産品目の拡大等もあり、売上高は前年同期比で増加しました。

 

③ 財政状態の状況

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ187億49百万円増加し、1,348億66百万円となりました。主な増加要因としては、現金及び預金の増加63億54百万円、受取手形及び売掛金の増加50億95百万円、原材料及び貯蔵品の増加29億35百万円、仕掛品の増加16億91百万円などがあげられますが、減価償却累計額の増加36億13百万円などにより一部相殺されております。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ22億88百万円増加し、604億28百万円となりました。主な増加要因としては、その他流動負債の増加34億26百万円、電子記録債務の増加28億54百万円、支払手形及び買掛金の増加21億25百万円、長期借入金の増加11億69百万円などがあげられますが、1年内償還予定の社債の減少79億81百万円などにより一部相殺されております。

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ164億61百万円増加し、744億38百万円となりました。主な増加要因としては、資本剰余金の増加38億61百万円、資本金の増加38億33百万円、為替換算調整勘定の増加36億56百万円、利益剰余金の増加34億41百万円などがあげられます。以上の結果、自己資本比率は、55.2%となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、以下のキャッシュ・フローの増減により、前連結会計年度末に比べ59億73百万円増加し、当連結会計年度末の残高は442億29百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、76億42百万円(前連結会計年度は52億70百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益85億38百万円、仕入債務の増加48億1百万円などによるものですが、たな卸資産の増加54億71百万円などで一部相殺されています。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、22億3百万円(前連結会計年度は14億10百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出21億7百万円などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、19億32百万円(前連結会計年度は16億65百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出75億83百万円、配当金の支払額13億20百万円などによるものですが、長期借入れによる収入85億44百万円などで一部相殺されています。

 

⑤ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(2021年1月1日~2021年12月31日)

前年同期比(%)

工作機械事業

47,411

146.6

産業機械事業

11,728

96.0

食品機械事業

6,637

205.6

 報告セグメント計

65,777

137.7

その他

7,869

126.7

合計

73,647

136.4

 (注)1.金額は、販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

3.上記の金額には、サービス売上等の生産を伴わないものは含めておりません。

 

b. 受注実績

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

46,705

155.1

12,044

208.6

産業機械事業

9,316

106.6

2,601

132.8

食品機械事業

6,919

258.4

3,398

129.1

合計

62,942

151.6

18,044

174.1

 (注)1.上記の金額には、サービス・消耗品等の受注は含まれておりません。

2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(2021年1月1日~2021年12月31日)

前年同期比(%)

工作機械事業

51,895

135.8

産業機械事業

10,443

94.4

食品機械事業

6,884

192.0

 報告セグメント計

69,223

130.9

その他

8,720

122.5

77,943

129.9

調整額

△2,769

合計

75,174

129.5

 (注)1.金額にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。

2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 売上高につきましては、中華圏での放電加工機の販売増加のほか、日本・欧米・アジア地域においても、販売が回復した結果、売上高は前期と比較し、29.5%増加の751億74百万円となりました。

 利益面につきましても、生産台数の増加に伴い、工場における収益性が改善したこと等により、営業利益は前期比49億61百万円増の68億13百万円となり、営業利益率は9.1%まで改善しました。

 

b. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④ キャッシュ・フローの状況」に詳細は記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローで76億42百万円の資金を獲得し、設備投資など投資活動によるキャッシュ・フローで22億3百万円の支出となり、借入金の返済など財務活動によるキャッシュ・フローで19億32百万円の支出となりました。

 当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資などに対応するものであります。これらを自己資金、金融機関からの短期・長期借入金や社債(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)により調達しており、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関とコミットメント契約を締結しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、社債、長期借入金の合計)は337億41百万円であります。

 

d. 目標とする経営指標

 当社の目標とする経営指標及び当該目標に対する当連結会計年度の達成度合は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載の通りであります。

 

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