業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

巻線機事業においては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限等の影響を最小限に抑えるべく、海外顧客への営業活動をWEBと現地法人中心で行う方法に変え、今期に予定しておりました大型の海外向け開発案件の現地引き渡しが完了せず、売上が翌期にずれ込んだため、利益率の高い従来製品や好調な予備品関係等の販売促進を行うなどの対応を続けてまいりました。

送風機・住設関連事業においては、送風機事業では、工作機械や産業ロボット向け、半導体関連向けを中心とした軸流ファンの需要が急拡大するとともに、住設関連事業についても、コロナ禍で大きく減少した新設住宅着工件数が、前年の反動等で5年ぶりに増加に転じたこともあり、換気装置が好調に推移したため、売上を拡大することができました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの営業成績といたしましては、連結売上高は13,555百万円(前年同期比20.9%増)となりました。利益面につきましては、巻線機事業において原価率の高い大型の開発案件が翌期にずれ込み、その分を従来製品の前倒しや好調な予備品関係等で補ったことや送風機・住設関連事業の売上が伸びたことにより、営業利益は1,059百万円(前年同期比84.9%増)、子会社における新型コロナウイルス対策の各国の助成金や支援金等もあり、経常利益は1,259百万円(前年同期比87.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は925百万円(前年同期比105.1%増)となりました。

 

当連結会計年度のセグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① 巻線機事業

巻線機事業に関しては、新型コロナウイルス感染症による渡航制限の影響等により前期から引き渡しがずれ込んでいた案件の一部を当期に売り上げたことに加え、利益率の高い従来製品や予備品関係が多かったことなどにより、売上高は8,605百万円(前年同期比18.2%増)、セグメント利益は1,220百万円(前年同期比17.3%増)となりました。また、受注残高は今期に売上を予定していた案件の翌期へのずれ込み等もあり、9,738百万円(前年同期比11.8%減)と、引き続き高水準を維持しております。

なお、当社グループの巻線機事業は、完全受注生産で、案件ごとに仕様やボリューム、納期、検収条件等が大きく異なるため、受注時期や売上時期が四半期並びに通期単位で大きく変動することがあります。

 

② 送風機・住設関連事業

送風機・住設関連事業に関しては、送風機事業においては、半導体、5G、電気自動車向けの産業機械、工作機械業界の軸流ファンの大幅な需要増が続き、住設関連事業においては、住宅着工件数の増加もあり、全館空調システムを含む住宅換気装置が好調に推移し、浴室照明器具は、上半期は新型コロナウイルス感染症の影響による経済停滞の影響を受けていましたが、下半期は住宅設備リフォーム市場が堅調となり回復基調となったことなどにより、売上高は4,950百万円(前年同期比25.9%増)、セグメント利益は178百万円(前年同期は96百万円のセグメント損失)となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

巻線機事業(千円)

7,234,756

△25.0

送風機・住設関連事業(千円)

3,179,623

41.3

合計(千円)

10,414,380

△12.4

 

(注) 1 金額は販売価格によるものであります。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

巻線機事業

7,306,656

△0.4

9,738,787

△11.8

送風機・住設関連事業

6,257,645

52.8

2,100,400

164.9

合計

13,564,302

18.7

11,839,187

0.1

 

(注) 1 金額は販売価格によるものであります。

2 受注高には、受注取消・変更、為替レートの変動による調整額を含んでおります。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

巻線機事業(千円)

8,605,454

18.2

送風機・住設関連事業(千円)

4,950,265

25.9

合計(千円)

13,555,720

20.9

 

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

3 主な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日立Astemo株式会社

1,281,896

11.4

2,639,625

19.5

日産トレーディング株式会社

1,216,487

10.9

 

4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

5 日立Astemo株式会社は、2021年1月1日付の経営統合により日立オートモティブシステムズ株式会社から商号変更しております。

6 当連結会計年度における日産トレーディング株式会社の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

 

(2) 財政状態

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて2.1%減少し、16,739百万円となりました。これは主に、現金及び預金が362百万円、受取手形及び売掛金が256百万円それぞれ増加し、商品及び製品が1,222百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて5.5%減少し、6,044百万円となりました。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて3.0%減少し、22,783百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて9.6%減少し、8,908百万円となりました。これは主に、前受金が497百万円減少したこと等によるものであります。なお、在外連結子会社において米国の新型コロナウイルス感染症に係る雇用保護政策であるPaycheck Protection Program(給与保護プログラム)を活用し、融資を受けておりましたが、本融資が返済免除となるための要件を満たしたため、短期借入金を減額し、債務免除益として営業外収益に計上しております。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて6.6%減少し、368百万円となりました。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて9.5%減少し、9,277百万円となりました。

 

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて2.1%増加し、13,506百万円となりました。これは主に、利益剰余金が807百万円増加し、自己株式の取得により634百万円減少したこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ362百万円(6.1%)増加し、6,307百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は前年同期に比べ573百万円(30.0%)減少し、1,340百万円となりました。収入の主な内訳は、たな卸資産の減少額1,203百万円等であります。また、支出の主な内訳は、売上債権の増加額212百万円、前受金の減少額530百万円等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は前年同期に比べ1,022百万円(78.6%)減少し、278百万円となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出282百万円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は760百万円となりました(前年同期は2,868百万円の収入)。支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出639百万円、配当金の支払額117百万円等であります。

 

 

資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、生産活動に必要な材料費、外注費及び労務費等の製造費用や、試験研究費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備新設、改修等にかかる投資であります。

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保することを基本方針とし、原則として自己資金で賄うこととしております。なお、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。

 

なお、キャッシュ・フロー指標等のトレンドは以下のとおりであります。

 

2019年12月

2020年12月

2021年12月

自己資本比率(%)

66.1

56.3

59.3

時価ベースの自己資本比率(%)

77.5

91.2

69.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

159.4

224.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

530.3

318.7

 

(注)自己資本比率             :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率      :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い

1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4 2019年12月期については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの記載を省略しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積に用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

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