課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業以来、社是である「開拓の精神で顧客に奉仕する」をモットーに事業を展開しております。また、顧客第一主義を経営の基本方針として掲げ、お客さまの求めに対して果敢に応じ、お客さまの満足を得ることを追究いたします。その実現のため、技術と品質でナンバーワンとなることを目指すとともに、活気ある職場づくりと企業体質の強化に努めてまいります。

また、当社グループは、経営理念、行動規範に基づき、お客さま、取引先、株主、投資家、地域社会、従業員など全てのステークホルダーとの対話を尊重し、世界中の人々の生活が豊かになること、地球環境保護に貢献するなど、持続可能な社会の構築及び発展に貢献することをサステナビリティに関する基本方針としております。

 

(2) 経営環境

我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策である緊急事態宣言の発令や、まん延防止等重点措置の適用が断続的に続くなど経済活動の抑制が継続し、直近では新たな変異株の急速な拡大により先行き不透明な状況が続いております。また、中国では景気回復のテンポは鈍化、欧米では需要拡大と供給制約が重なったことを背景とした物価の上昇が継続するなど不安定な状況が続いていることに加え、半導体をはじめとした電子・電気部品等の供給懸念や原材料の高騰、新たな変異株による新型コロナウイルス感染再拡大の影響等により、各国の入国条件や検疫体制が強化されるなど、世界経済は依然として厳しい状況が続いております。

今後の見通しにつきましては、各国で新型コロナウイルス感染症への対応と経済社会活動の再開・継続の両立が進む中で、景気は緩やかに回復していくことが期待されるものの、新たな変異株による新型コロナウイルス感染再拡大の影響や、電子・電気部品等の供給制約の動向、原材料価格の高騰・高止まり、各国政府による財政・金融支援政策効果の剥落など様々な下振れリスクが存在することから、先行き不透明な状況が続くことが見込まれます。

当社グループを取り巻く環境におきましては、巻線機事業の主要顧客である自動車産業においては、2021年7月の欧州委員会で2035年以降の内燃機関搭載車の生産を実質禁止とする規則案が発表されたことや、第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)において、世界の全ての新車販売について主要市場で2035年までに、世界全体では2040年までに電気自動車などのゼロエミッション車とすることを目指す共同声明が発表されるなど、車の電動化に向けた動きが更に急拡大していくものと思われるものの、半導体をはじめとした電子・電気部品等の供給不足や長納期化が更に進んでおり、設備計画への影響が懸念されております。

また、カーボンニュートラル実現に向けた世界的なCO2削減の動きや、環境保全への取組みはより一層加速していくものと思われ、巻線機事業の主要顧客である自動車産業においても、各自動車メーカーが次々と各国の規制に対応した電動車へのシフト目標を掲げており、今後は、目標実現に向けた設備計画が本格的に具現化されていくとともに、キーパーツであるモーターの生産設備である巻線機の需要は、引き続き拡大することが期待されます。

送風機・住設関連事業領域におきましては、半導体、5G、電気自動車関連業界等の投資拡大に伴い、産業機械・工作機械向けの軸流ファンの需要拡大が期待されるとともに、空気環境保全やエネルギー効率向上等に向けた熱交換型換気装置、各種住宅換気・空調装置、低消費電力照明等に対する関心がより高まっております。

 

(3) 中期経営戦略

当社グループは、主力の巻線機事業の市場拡大に伴い、競争もより一層激化することが予想されるため、絶えざる技術開発により競争力の高い製品を開発するとともに、品質、コスト、納期等の重点施策とグローバル市場に合わせた地域別戦略を進め、送風機・住設関連事業においては、新製品開発による差別化や付加価値向上、拡販に向けた宣伝・販売強化、市場ニーズに合わせた商品化の検討など成長戦略の推進を遂行することにより、2021年12月度からの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、最終年度である2023年12月期において、売上高150億円、営業利益12億円を目標として掲げております。

 

 

(4) 会社の優先的に対処すべき課題

巻線機事業では、新型コロナウイルス感染症の影響による渡航制限と、製品の主要な材料である電子・電気部品等の供給制約への対応が必要なものの、現地法人の活用やWEBでの販売活動を促進し、最大の市場である中国をはじめとしたグローバル市場へのアプローチを強化してまいります。また、巻線機市場の拡大に伴い、競合メーカーとの競争激化が想定される中で、技術、品質、コスト、納期・供給能力における競争力強化に注力してまいります。

送風機・住設関連事業では、既存商品を応用した新製品のマーケティングと開発を推進するとともに、急激な需要増加や世界的な部品の供給制約、原材料価格の高騰に対応すべく、材料の置き換えやサプライヤの複数化、生産性の向上に注力してまいります。

また、市場拡大が続くモーター巻線機市場の需要に対応するため、グループ全体として生産面でのシナジー効果を高め、生産能力、納期の改善を進めるとともに、技術開発を積極的に進めることで、新製品開発力の向上にグループ総力をあげて取り組むとともに、収益性、成長性、財務安全性等に関する見える化を実現するグループ経営管理システムの構築及び体制強化を図ってまいります。

当社グループの人材育成に関しましては、経営人材を計画的に育成していくため、取締役スキル・マトリックス及び任用方針の整備運用、中長期の経営人材育成教育体系を整備していくとともに、組織拡大を踏まえ、リーダー育成を図るための教育体系整備、評価基準をより明確化し、更なる自律的な成長を促進させるため、人材評価制度のアップデートを進めてまいります。

サステナビリティに関しましては、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を図るうえで、重要課題(マテリアリティ)として以下のとおり特定するとともに、事業活動を通じた社会的課題の解決に取り組んでおります。

[巻線機事業]

地球環境保護に向けての内燃機関自動車から、xEVへの移行に伴う産業構造の大変革等による脱炭素社会実現への社会的な流れに応えるため、当社グループの中核事業である巻線機事業の技術革新推進と供給能力の強化を進め、持続可能な社会の実現を目指す。

[送風機・住設関連事業]

環境保全・エネルギー効率化という社会の要請に応えるため、送風冷却・換気コントロール技術により社会の省エネルギー化、クリーン化を目指し、企業と社会のサステナビリティに貢献する。

 

当社グループは、お客さまのニーズに応えた新技術の開発及び新製品を提供すべく、社是である「開拓の精神で顧客に奉仕する」を常に念頭に置き、他社に差別化した製品を通して顧客満足度を向上させるとともに、常に新しい市場を開拓していくことにより、当社グループの優位性を更に高める経営に邁進してまいります。

 

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