課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、以下の経営理念のもと、長年培ってきた開発力・技術力を基盤として、優れた品質の製品を安定供給することにより、顧客満足度の向上を図るとともに、取引先・協力会社・地域社会・投資家の皆様方と従業員からの信頼と期待に応えられる企業を目指しております。

〔経営理念〕

努力、活力、創造力

全員営業、全員製造、全員参加の経営をもって、ものづくりのエキスパート集団となり、
夢ある未来を共に育てる。
① お客様、協力会社との共栄のために
② 従業員とその家族の幸せのために
③ 社会と地球環境への貢献のために

 

(2) 目標とする経営指標

今後のわが国の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症や世界的な半導体不足、原材料価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻などが市場に与える影響などもあり、今後も予断を許さない状況で推移するものと予想されます。

このような状況のなか、当社グループの 2023 年3月期の連結業績予想を以下のとおりといたします。

(金額単位:百万円)

 

2023年3月期

第2四半期(累計)

対前年同期

増減率(%)

2023年3月期

通期

対前年同期

増減率(%)

売上高

1,700

△7.2

3,700

△8.4

営業利益

40

△60.6

240

△23.0

経常利益

30

△70.1

230

△32.0

親会社株主に帰属する当期純利益

△50

50

 

 

① 特殊精密機器事業

耐摩工具関連分野については、世界的な半導体不足の影響を受け、当期第3四半期以降厳しい受注環境となり、次期についても当面の間は厳しい事業環境が継続するものと見ております。また、産業機械向け実装機用ノズル分野においても、半導体不足や原材料の高騰などの影響により、厳しい事業環境となることが想定されます。

次期については、既存顧客に対する営業活動を強化するとともに、特定商社を通じた自動車産業分野での耐摩工具関連分野の売上拡大を目指してまいります。

そのため、次期売上高は当期売上高922百万円から2.9%増の950百万円を見込んでおります。

 

②  化学繊維用紡糸ノズル事業

新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的なマスク需要の高まりから、当社子会社の日本ノズル株式会社において、前期より不織布製造装置や不織布関連ノズル等の売上が好調に推移しておりましたが、当期末の時点において、当該製品群の受注は一定水準まで下がっております。

しかしながら、当期より受注活動を進めていた風力発電用ブレード向け炭素繊維用紡糸ノズルの受注は好調に推移しております。

そのため、次期売上高は当期売上高3,003百万円から20.1%減の2,400百万円を見込んでおります。

 

③  電子材料スライス周辺事業

当期中に開発した半導体向けダイヤモンドワイヤを正式採用する企業が増えてきており、翌期についてもその傾向は継続するものと見ております。また、ダイヤモンドワイヤ製造装置販売についても、現時点において複数社と協議を続けており、契約締結に向け注力してまいります。

 そのため、次期売上高は当期売上高 69 百万円から 258.0 %増の 250 百万円を見込んでおります。

 

 

④  マテリアルサイエンス事業

ナノサイズゼオライトについては、開発ステージからエンドユーザでの評価ステージに移行している顧客における本格的な販売を目指すとともに、引き続き様々な分野の企業に対しサンプル提供を行い、早期事業化に向け注力してまいります。また、当期に導入したナノサイズゼオライトのパイロットプラントに係る山全社からの受託収入を当期に続いて見込んでおります。

そのため、次期売上高は当期売上高 42 百万円から 137.4 %増の 100 百万円を見込んでおります。

 

上記における業績見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが現時点において入手可能な情報による判断及び仮定を前提にしており、実際の業績は様々な要因により異なる場合がありま す。

 

(3) 会社の対処すべき課題

当社グループが2019年3月期より継続して取り組んでいる構造改革は未だ完了しておらず、また、金融機関に対する借入金の返済方法の変更を主な内容とした条件変更の合意は2023年3月までとなっていることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

しかしながら、2022年3月期においては、2021年3月期に引き続き営業利益及び経常利益において黒字となるなど、これまで実施した構造改革の成果は表れており、資金面における当面の不安は解消されていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

当社グループとしては、当該状況を解消すべく、下記の項目を重要な課題として取り組んでまいります。

 

① 既存事業の収益力強化

既存事業のうち、特殊精密機器事業及び化学繊維用紡糸ノズル事業については、安定的な収益を確保しつつ、積極的な成長戦略を実施してまいります。また、電子材料スライス周辺事業については、半導体向けダイヤモンドワイヤの開発・販売に取り組むとともに、当社が開発した新型ダイヤモンドワイヤ製造装置「PHX-01」の販売に取り組んでまいります。

 

② ナノサイズゼオライトの事業化

新規事業として取り組んでいるナノサイズゼオライトの開発については、一部顧客において開発ステージから事業ステージに進んでいるものの正式採用には至っておらず、量産顧客の獲得を目指し、早期の事業化に向け取り組んでまいります。

 

③ 金融機関との長期的な借入契約の締結

当社グループとしては、メインバンクを中心に各金融機関とは緊密な関係を維持できていることから、継続的な支援はいただけると考えておりますが、各金融機関との長期的な借入契約締結に向け取り組んでまいります。

 

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