業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限の段階的緩和により、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、世界的な半導体不足やロシアによるウクライナ侵攻に伴う資源価格の高騰に急激な円安の進行が重なるなど、先行きは不透明な状況で推移いたしました。

このような状況のなか、当社グループは「連結グループの安定成長基盤整備の時期」と位置づけた第6次中期経営計画(2021年7月期~2023年7月期)で掲げた基本戦略の一層の推進を図るべく、グローバル展開加速に向けた販売体制の確立とグループ会社間の事業連携強化を重要課題として、取り組みを強化してまいりました。

当連結会計年度における売上高は、生産機械事業においては増収となったものの、包装機械事業における製袋自動包装機及び包装システムの販売実績の減少などが影響し、前連結会計年度に比べ143百万円の減収となりました。一方で利益につきましては、生産機械事業における増収効果やグループ全体での売上総利益率の改善により、売上総利益が前連結会計年度を上回ったことなどから、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前連結会計年度に比べ増益となり、過去最高益を達成いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は8,643百万円(前期比1.6%減)、営業利益は1,126百万円(前期比8.8%増)、経常利益は1,135百万円(前期比9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は778百万円(前期比5.1%増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

(包装機械事業)

主力商品であるメカトロハイスペック包装機を中心とした給袋自動包装機の販売実績は前期を上回ったものの、製袋自動包装機及び包装システムの販売実績が減少した影響により、売上高は7,549百万円(前期比6.3%減)となりました。利益につきましては、売上総利益率の改善はあったものの、減収の影響をカバーするまでには至らず、営業利益は1,049百万円(前期比3.9%減)となりました。

(生産機械事業)

プラント付帯設備や周辺装置の販売実績が増加したことに伴い、売上高は1,101百万円(前期比49.3%増)、営業利益は75百万円(前期は営業損失57百万円)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は10,962百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,156百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が195百万円減少したものの、棚卸資産が609百万円、有形固定資産が446百万円、売上債権及びファクタリング方式により譲渡した売上債権の未収額の合計額が166百万円、それそれ増加したことであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は5,168百万円となり、前連結会計年度末に比べて454百万円増加いたしました。主な要因は、借入金が183百万円、未払法人税等が71百万円、それぞれ減少したものの、前受金が765百万円増加したことであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は5,794百万円となり、前連結会計年度末に比べて702百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金653百万円の増加であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ195百万円減少し、2,664百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は551百万円(前期比61.9%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,135百万円、前受金の増加額752百万円等であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額600百万円、法人税等の支払額424百万円、売上債権の増加額265百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は487百万円(前期比655.6%増)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出478百万円、無形固定資産の取得による支出3百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は304百万円(前期比42.7%増)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額125百万円、短期借入金の純減額100百万円、長期借入金の返済による支出83百万円であります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

包装機械

5,858,692

90.7

生産機械

928,012

159.5

合計

6,786,704

96.4

 

(注) 1  金額は販売価格によっております。

2  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

b. 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比
(%)

受注残高(千円)

前期比
(%)

包装機械

7,441,803

121.6

5,514,057

142.0

生産機械

927,847

98.5

915,490

100.0

合計

8,369,651

118.5

6,429,547

134.0

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

包装機械

7,543,580

93.7

生産機械

1,100,083

150.0

合計

8,643,663

98.4

 

(注) 1  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2020年8月1日

至  2021年7月31日)

当連結会計年度

(自  2021年8月1日

至  2022年7月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社イシダ

1,380,302

15.7

1,347,348

15.6

 

2  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 経営成績等の分析

当社グループの当連結会計年度の売上高は、8,643百万円(前期比143百万円減、同1.6%減)となりました。その要因について各セグメントごとにご説明いたしますと、次のとおりであります。

 

(包装機械事業)

当該セグメントの売上高は7,549百万円(前期比504百万円減、同6.3%減)となりました。主な減少要因は、主力商品であるメカトロハイスペック包装機を中心とした給袋自動包装機の販売実績は前期を上回ったものの、国内食品業界向けの製袋自動包装機及び包装システムの販売実績が減少したことであります。

顧客の設備投資需要は自動化・省力化ニーズの高まりにより比較的堅調に推移している中、海外市場における受注状況が特に好調であったことにより、当連結会計年度における受注高は7,441百万円(前期比21.6%増)、当連結会計年度末における受注残高は5,514百万円(前期比42.0%増)と前期比で増加となっております。さらなる成長に向けて、グローバル展開加速に向けた販売体制の確立を重要課題として取り組みを強化してまいります。また、引き続き生産機械事業との連携強化にも取り組んでまいります。

 

(生産機械事業)

当該セグメントの売上高は1,101百万円(前期比363百万円増、同49.3%増)となりました。主な増加要因は、プラント付帯設備や周辺装置の販売実績が増加したことであります。

受注状況については、国内製菓業界における大型設備投資案件は前期並みに推移し、当連結会計年度における受注高は927百万円(前期比1.5%減)、当連結会計年度末における受注残高は915百万円(前期比0.0%減)となっております。当該セグメントにおいては、大型プラント案件の有無により業績が大きく変動する傾向にあります。安定した収益の確保に向けて、新商品の開発、新規顧客の開拓及び包装機械事業との連携を強化し受注の確保に注力してまいります。

 

なお、当社グループは、『連結グループの安定成長基盤整備の時期』と位置づけた第6次中期経営計画(2021年7月期~2023年7月期)において具体的な経営指標の目標数値を定めております。目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

当連結会計年度は、売上高経常利益率13.1%、ROA(総資産経常利益率)10.9%、ROE(自己資本当期純利益率)14.3%となり、第6次中期経営計画の2年目におきましては目標とする経営指標はすべて達成いたしました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は以下のとおりであります。

 

 

2021年7月

2022年7月

自己資本比率(%)

51.9

52.9

時価ベースの自己資本比率(%)

44.3

43.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

35.7

60.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

736.4

400.9

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1  各指標は、いずれも連結ベースの財務数値によって算出しております。

2  株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3  営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書に記載されている営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書に記載されている利息の支払額を使用しております。

 

当社グループの資金需要は、主に製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用などの運転資金及び生産能力強化のための設備投資資金であります。資金の源泉は主に営業活動によるキャッシュ・フローであり、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達を行っております。なお、当社グループは運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行1行と500百万円の当座貸越契約を締結しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択及び適用を行い、決算日における資産、負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りは当社グループにおける過去の実績・現状・将来計画を考慮し、合理的と考えられる事項に基づき判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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