業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が断続的に続き、経済活動が制限されました。加えて、新たな新型コロナウイルス変異株の急速な拡大で先行き不透明な状況が続いております。しかしながら、先進国を中心としたワクチン接種の進展に伴い、経済・社会活動の制限が段階的に緩和され、欧米をはじめとして設備投資を中心に経済活動が回復基調となり、後半にかけては持ち直しの傾向となりました。

 このような経済環境のもと、当社グループでは持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、国内需要の取込みと海外市場への積極展開に向けて、オンラインを活用した営業活動を積極的に進めてまいりました。また、新本社工場への生産工場の集約と安定稼働を通じて、生産性・収益性向上への取り組みを継続しております。

 この結果、当連結会計年度の売上高におきましては、世界的な部材不足や物流の停滞といった供給懸念、原材料価格の高騰等により予想数値を少し下回る結果となりましたが、利益におきましては、製造原価の低減と経費削減を継続して行うことにより、予想数値以上の結果を計上することができました。

 主な製品別売上高につきましては、生理用ナプキン製造機械3,754百万円(前期比24.3%増)、小児用紙オムツ製造機械11,118百万円(同16.2%増)、大人用紙オムツ製造機械4,568百万円(同20.8%減)、その他機械1,615百万円(同28.2%減)、部品2,038百万円(同0.8%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高23,580百万円(前期比2.1%増)、営業利益2,145百万円(同13.4%増)、経常利益2,421百万円(同15.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,736百万円(同7.2%増)となりました。

 なお、当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙オムツ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。

b.財政状態の分析

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,887百万円増加し50,213百万円となりました。建設仮勘定が4,807百万円、受取手形及び売掛金が1,417百万円、ソフトウエア仮勘定が255百万円及び原材料及び貯蔵品が101百万円減少いたしましたが、建物及び構築物(純額)が5,834百万円、現金及び預金が3,321百万円、仕掛品が1,961百万円、電子記録債権が1,544百万円、繰延税金資産が253百万円、ソフトウエアが238百万円及び機械装置及び運搬具(純額)が229百万円増加いたしました。

(負債合計)

 前連結会計年度末に比べ5,312百万円増加し20,157百万円となりました。電子記録債務が1,243百万円及び支払手形及び買掛金が342百万円減少いたしましたが、長期借入金が2,750百万円、前受金が2,032百万円、未払法人税等が615百万円、長期未払金が459百万円及び1年内返済予定の長期借入金が250百万円増加いたしました。

(純資産合計)

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,574百万円増加し30,055百万円となりました。利益剰余金が1,278百万円及び為替換算調整勘定が1,253百万円増加いたしました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,647百万円増加し、9,401百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は2,253百万円(前期比24.0%増)となりました。これは主に、仕入債務の減少1,468百万円、たな卸資産の増加1,351百万円、法人税等の支払額373百万円及び未収消費税等の増加368百万円があった一方、税金等調整前当期純利益2,364百万円、前受金の増加1,751百万円及び減価償却費の計上573百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は1,422百万円(前期比85.8%減)となりました。これは主に、定期預金の減少920百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出2,062百万円及び無形固定資産の取得による支出280百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は2,475百万円(前期比46.9%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,000百万円があった一方、配当金の支払額458百万円があったことによるものであります。

 

② 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙オムツ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の生産実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2021年2月21日

至 2022年2月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

生理用ナプキン製造機械

3,754,540

124.3

小児用紙オムツ製造機械

11,118,162

116.2

大人用紙オムツ製造機械

4,568,107

79.2

その他機械

1,615,216

71.8

部品

2,038,061

100.8

その他

486,733

105.6

23,580,821

102.1

 (注)1.金額は、販売価格で表示しております。

2.部品には仕入部品を含んでおります。

3.金額は、外注による生産実績を含んでおります。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙オムツ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の生産実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2021年2月21日

至 2022年2月20日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

生理用ナプキン製造機械

(3,383,319)

3,653,050

(134.1)

114.5

(3,079,437)

3,214,861

(97.7)

96.9

小児用紙オムツ製造機械

(11,398,958)

11,862,894

(115.2)

109.5

(8,758,892)

8,982,678

(118.1)

109.0

大人用紙オムツ製造機械

(655,318)

3,299,133

(14.9)

42.6

(3,135,307)

3,976,165

(84.4)

75.8

その他機械

(2,508,697)

3,597,435

(252.7)

127.7

(2,405,054)

3,149,747

(265.9)

269.8

部品

(1,725,305)

2,038,061

(101.9)

100.8

(-)

(-)

その他

486,733

105.6

(19,671,599)

24,937,309

(100.9)

92.1

(17,378,691)

19,323,452

(114.4)

107.5

 (注)1.括弧内の数字(内書)は海外受注高及び受注残高であり、受注高に対する海外受注高の割合は、当連結会計年度78.9%であります。

2.受注後、値引等のあったものは、受注高で調整しております。

3.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙オムツ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の生産実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2021年2月21日

至 2022年2月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

生理用ナプキン製造機械

(3,456,569)

3,754,540

(14.7%)

15.9%

(150.5)

124.3

小児用紙オムツ製造機械

(10,055,061)

11,118,162

(42.6%)

47.1%

(115.0)

116.2

大人用紙オムツ製造機械

(1,232,792)

4,568,107

(5.2%)

19.4%

(44.8)

79.2

その他機械

(1,008,041)

1,615,216

(4.3%)

6.9%

(221.3)

71.8

部品

(1,725,305)

2,038,061

(7.3%)

8.6%

(101.9)

100.8

その他

486,733

2.1%

105.6

(17,477,770)

23,580,821

(74.1%)

100.0%

(109.6)

102.1

 (注)1.括弧内の数字(内書)は輸出販売高及び輸出割合であります。

2.主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ユニ・チャーム株式会社

4,348,192

18.4

(注)当該割合が100分の10未満については記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針に基づき見積り及び判断を行っており、実際の結果は、見積りによる不確実性のために異なる可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、大人用紙オムツ製造機械の生産及び出荷が減少したものの、小児用紙オムツ製造機械の生産及び出荷が増加したことなどから前連結会計年度と比べ493百万円増加し、23,580百万円となりました。国内売上高は1,040百万円減少し、6,103百万円となりました。海外売上高は1,533百万円増加し、17,477百万円となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は、売上高の増加及び製造原価率の改善に伴い、前連結会計年度に比べ891百万円増加し、5,337百万円となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、研究開発費が増加したことなどから前連結会計年度に比べ637百万円増加し、3,191百万円となりました。

 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ253百万円増加し、2,145百万円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、為替差益が増加したものの、役員退職慰労金戻入が減少したことなどから前連結会計年度に比べ36百万円減少し、311百万円となりました。営業外費用は、為替差損が減少したことから前連結会計年度に比べ101百万円減少し、35百万円となりました。

 以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ318百万円増加し、2,421百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ116百万円増加し、1,736百万円となりました。

 

財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループが主に製造販売している紙オムツ・生理用ナプキン製造機械は個別受注生産によるものであり、個々の案件の受注時期と取引条件が多岐にわたるため、常時キャッシュ・フローの変動が生じます。このような受注環境下においても、販売先のニーズに迅速に対応し、生産工程に即座に着手できる態勢とするため運転資金を常時確保した運営を行っております。

 事業計画上の必要な資金として、設備投資、研究開発投資などがあります。これらは基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増加を図ることを中心としながらも、必要に応じて金融機関からの借入により資金調達することを基本方針としております。また、多額の設備投資については、自己資金、社債、長期借入金による資金調達を行う方針であります。

 資金の流動性につきましては、当社グループにおける余剰資金の有効活用に努めるほか、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態にも備えております。なお、当連結会計年度における社債、長期借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、8,016百万円となっております。また、現金及び現金同等物は9,401百万円となっております。

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