当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは中期3ヵ年経営計画で目指す『成長の実現』に向け、2年目となる当連結会計年度は『変化をチャンスに変える年』をスローガンに掲げ、
Ⅰ.イノベーションの推進による成長と利益の確保
Ⅱ.人財育成と技術の向上
Ⅲ.安全・健康・コンプライアンス
を重点戦略の柱として、常に「改善意識」を持ち「データに基づく行動」を実践することで外部環境の急速な変化を追い風に変える活動をしてまいりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は、前年同期比9.6%減少の33,478百万円余となりました。損益につきましては、連結営業利益は前年同期比23.9%減少の1,411百万円余、連結経常利益は前年同期比21.6%減少の1,515百万円余、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比21.8%減少の998百万円余となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
建設機械関連事業
建設機械関連事業の売上高は、前年同期比2.1%減少の22,402百万円余となりました。
建設機械関連商品は、前年同期比4.9%減少の12,071百万円余、建設機械関連レンタルは、前年同期比2.1%減少の3,940百万円余、建設機械関連サービスにおいては、前年同期比3.5%増加の6,390百万円余となりました。
産業・鉄構機械等関連事業
産業・鉄構機械等関連事業の売上高は、前年同期比25.7%減少の8,875百万円余となりました。
産業機械関連製品は、前年同期比29.5%減少の4,692百万円余、産業機械関連商品は、前年同期比11.3%減少の1,261百万円余となりました。
鉄構機械関連製品においては、前年同期比22.7%減少の1,871百万円余、産業機械関連その他は、前年同期比27.2%減少の1,050百万円余となりました。
介護用品関連事業
介護用品関連事業の売上高は、前年同期比3.9%増加の1,432百万円余となりました。
その他
その他の事業の売上高は、前年同期比8.3%減少の768百万円余となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ679百万円余増加し18,103百万円余となりました。これは主に、たな卸資産が増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,039百万円余増加し13,048百万円余となりました。これは主に、保有株式の市場価格上昇により、投資有価証券が増加したことによるものであります。
これにより、総資産は、前連結会計年度末に比べ1,719百万円余増加し31,151百万円余となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ631百万円余増加し13,031百万円余となりました。これは主に、短期借入金が増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ756百万円余減少し4,146百万円余となりました。これは主に、長期借入金が減少したことによるものであります。
これにより、負債合計は、前連結会計年度末に比べ124百万円余減少し17,177百万円余となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,844百万円余増加し13,973百万円余となりました。これは主に、利益剰余金が839百万円余、その他有価証券評価差額金が804百万円余それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は44.9%(前連結会計年度末は41.2%)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、5,570百万円余と前連結会計年度と比べ334百万円余の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増減額が前年同期比701百万円余減少したものの、仕入債務の増減額が前年同期比2,256百万円余増加したことにより、3,430百万円余と前年同期と比べ収入が976百万円余の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が前年同期比で増加したことにより、△2,446百万円余と前年同期と比べ支出が663百万円余の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額が増加したことにより、△655百万円余と前年同期と比べ支出が746百万円余の減少となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格で表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当社は、仕入販売を併業しているので本表は、各セグメントにおける生産実績に係るものを掲記しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格で表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当社は、仕入販売を併業していること及び産業・鉄構機械等関連事業の一部製品については見込生産を行っているため、各セグメントにおける受注実績に係るものを掲記しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格で表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない状況から世界規模での経済活動の減速が継続し、主に産業・鉄構機械等関連事業における主力自社製品の需要が国内、海外共に減少したことや土木関連、IT関連設備の個別製品の受注低下が大きく影響し、連結売上高は、前年同期比9.6%減少の33,478百万円余となりました。損益につきましては、売上高の減少に加え、自社製品の生産台数減少に伴う生産効率の悪化から利益率が低下したことにより、連結営業利益は前年同期比23.9%減少の1,411百万円余となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
建設機械関連事業
建設機械関連事業の当連結会計年度のセグメント売上高は、建設機械商品の需要減少が影響したことにより、全体では前年同期比2.1%の減少となりました。
建設機械関連商品は、新車販売について下半期は堅調に推移したものの、上半期の販売不振が影響し、前年同期比4.9%減少の12,071百万円余となりました。また、建設機械関連レンタルは、環境・製鉄・林業の分野別売上が減少し、前年同期比2.1%減少の3,940百万円余となりましたが、建設機械関連サービスは、ストック台数の増加に伴い整備売上が年度を通じて堅調に推移したことから、前年同期比3.5%増加の6,390百万円余となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて55百万円余減少し11,541百万円余となりました。これは主に、売掛金の減少によるものであります。
産業・鉄構機械等関連事業
産業・鉄構機械等関連事業の当連結会計年度のセグメント売上高は、自社製品の需要低下や鉄構機械関連製品の受注低下が影響し、全体では前年同期比25.7%の減少となりました。
産業機械関連製品は、主力自社製品のクレーンの販売が落ち込んだことから、前年同期比29.5%減少の4,692百万円余、産業機械関連商品は、OEM商品の高所作業車の販売が減少し、前年同期比11.3%減少の1,261百万円余となりました。
また、鉄構機械関連製品においては、土木機器・IT関連設備の受注が減少したことから、前年同期比22.7%減少の1,871百万円余、産業機械関連その他は、土木機器の整備、レンタル売上が減少し、前年同期比27.2%減少の1,050百万円余となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて30百万円余増加し7,738百万円余となりました。これは主に、たな卸資産の増加によるものであります。
介護用品関連事業
介護用品関連事業の当連結会計年度のセグメント売上高は、マーケットシェアの獲得により、前年同期比3.9%増加の1,432百万円余となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて55百万円余増加し1,675百万円余となりました。これは主に、建物の取得によるものであります。
その他
その他の事業の当連結会計年度のセグメント売上高は、油圧シリンダー製造事業における製品売上が減少したことにより、前年同期比8.3%減少の768百万円余となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて18百万円余減少し1,159百万円余となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少によるものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,719百万円余増加し31,151百万円余となりました。これは主に、たな卸資産が663百万円余、及び保有株式の市場価格上昇に伴い投資有価証券が1,102百万円余それぞれ増加したことによるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ124百万円余減少し17,177百万円余となりました。これは主に、短期借入金が488百万円余増加したものの、長期借入金が673百万円余減少したことによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,844百万円余増加し13,973百万円余となりました。これは主に、保有株式の時価評価に伴いその他有価証券評価差額金が804百万円余、当期純利益998百万円余の計上により利益剰余金が839百万円余それぞれ増加したことによるものであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりでありますが、世界経済に深刻なダメージを与えている新型コロナウイルス感染症は、当社グループのセグメント事業におきましても様々な影響を及ぼし、建設機械関連事業では名古屋地区を中心に、建設機械関連商品の受注環境が悪化しております。また、産業・鉄構機械等関連事業においては、主力自社製品でありますクレーン製品の販売について、国内では主要取引先となる広域レンタル会社を中心に、海外においては主要輸出国となる欧州の経済活動の減速により低迷しており、またこれに伴い、クレーン製品の生産活動に影響を及ぼしております。
しかし、感染拡大には一定の増加抑制がみられ、経済活動においても徐々に回復されはじめた状況を踏まえ、国内景気は緩やかな上昇傾向が継続するものと予測しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備投資資金の一部並びに株主還元等の資金需要は、主として営業活動から得られたキャッシュ・フローによる内部資金又は金融機関(銀行)からの借入によっております。
また、親会社の前田建設工業㈱が導入しているCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)借入により、資金の効率化を推進しているほか、主要取引銀行と手形債権の流動化契約を締結し、手許流動性を確保しております。当連結会計年度末の借入金残高は、前連結会計年度末と比べ185百万円余減少し5,590百万円余となり、このうちCMSによる短期借入金残高は27百万円余であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りが必要な費用につきましては、現在の状況や過去の実績等を勘案し合理的に算定しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社グループで採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は不確定要素が大きく、合理的に将来の事業計画の見込数値に反映させることが困難な要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保できると予想し、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りにより依存しますが、新型コロナウイルス感染症の影響により市況は不透明感はあるものの、翌期の課税所得は見込めるため、当連結会計年度末における会計上の見積りに大きな影響はないと想定しております。しかし、今後において新型コロナウイルス感染症が長期的に当社グループの業績に影響を及ぼすことが予想され、見積り条件や仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産の取り崩しにより税金費用が多額に計上される可能性があります。
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