文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、『健全な事業活動を通して収益性を高め、役員・社員一丸となって企業の活力ある発展と社会への貢献を達成するため、以下に掲げる「社是」の実践を通して、広く社会から信頼される存在であり続ける』ことを経営理念としております。
〔社是〕
1) ステークホルダーの皆様に「誠実」さを持って接します。
2) 真に豊かな社会の創造を目指して常に「意欲」を持ってチャレンジします。
3) 優れた「技術」と質の高いサービスを提供します。
「社是」の実践を通して収益性を高め継続的に発展すること、そして社会的な信頼を獲得して自社の企業価値の向上を追求すること、環境保全や社会貢献などの活動を通じて収益を還元して社会に対する責任を果たすことが、当社が目指すものであります。
当社は、国内の建設機械関連事業以外の分野拡大を中期的な目標としており、収益性を維持しつつ成長性の確保に取り組み、同事業以外の売上高比率40%を目指しております。また、効率化を推進することにより中期経営計画最終年度の売上高営業利益率5%以上を目標としております。
当社は、建設業に係る周辺事業を経営基盤としておりますが、「成長の実現」をスローガンに掲げ、社会の激しい環境変化に柔軟に対応できる企業力を確立し、長期的・持続的な成長の実現に向け、まずは中期経営基本目標の達成を目指しております。
建設機械関連事業は、ブランドマネジメント思考に基づく営業戦略、ITソリューション活動により、顧客の視点に立った取り組みを深化してまいります。
産業・鉄構機械等関連事業は、メーカーとしての強みを生かして生産性改善に努め、収益性、品質の向上に取り組む一方、戦略的投資により事業拡大を推進します。
介護用品関連事業は、介護用品レンタル及び販売事業の充実を図り、マーケットシェアの確保と経営基盤づくりを推し進めます。
その他事業においては、新分野への取り組みを推進し、新しいビジネス領域の創出を図ります。
さらに、内部統制の充実とCSR戦略の展開により、全てのステークホルダーから信頼される企業づくりを推進することにより、収益力のアップ、企業価値の増大に努めてまいります。
当社、前田建設工業株式会社および前田道路株式会社(以下、「3社」といいます。)が2021年5月14日付で公表した「前田建設工業株式会社、前田道路株式会社および株式会社前田製作所の共同持株会社設立(共同株式移転)に関する経営統合契約書の締結および株式移転計画の作成について」に記載のとおり、3社はグループ全体として永続的成長を遂げることを目的に、中長期的に目指す姿を「総合インフラサービス企業」と定め、3社の従来の事業における強みを活かしつつ、事業領域を拡大し安定的に高収益を上げ続けるビジネスモデルへ転換することや、生産性改革に向けたデジタル化戦略、技術開発および人材育成等の協働推進による経営基盤強化に取り組むことに合意しました。
3社が目指す「総合インフラサービス企業」とは、インフラの企画提案から運営・維持管理に至るまでをワンストップでマネジメントすることで、グループ各社の利益の源泉であるエンジニアリング力をさらに強化しつつ、脱請負を軸としたあらゆるプロジェクトへの対応・拡大による新たな建設サービスの発展を目指すものです。そうした高収益かつ安定的な新たな収益基盤を確立するとともに、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により迅速かつ適正な経営を実現し、社会変化への対応力を強化することで、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指していきます。
これらの実現のため、3社間での協議のもと、中長期経営ビジョンを策定しました。新たに持株会社体制へ移行するにあたっての共同持株会社の「目指す姿」、それを実現するための中長期経営ビジョンの内容は以下のとおりです。
Ⅰ.経営環境認識
新ホールディングス設立の背景にある3社をとりまく現状の経営環境については、以下のとおりと認識しています。
・今後の国内建設投資は大幅な増加は見込めず、財政上の制約から特に新規建設の請負市場は縮小傾向
・一方、その解決策として、官民連携によるインフラの維持管理・修繕・更新や新規建設、さらにカーボンニュートラルへの取り組み等の新たな市場が急速に拡大
・担い手不足への対処として、働き方改革の推進とともに抜本的な生産性改革への取り組みが必須
・中長期的な成長のためESG経営のさらなる推進とともに、さらに高い水準のガバナンス体制が必要
・デジタル技術の急激な進展等、社会変化の速度はますます加速しており、迅速かつ機動的な体制が急務
Ⅱ.我々が目指す姿
新ホールディングスのもと、グループ全体が永続的成長を遂げることを目的に以下を推進し、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指します。
・目指すビジネスモデルを、インフラ運営の上流から下流をワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」と定め、グループ全体戦略として強力に推進することで、外的要因に左右されない「高収益かつ安定的な新たな収益基盤」を設立
・実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により、迅速かつ適正な経営を実現し、「社会変化への対応力」を強化
Ⅲ.戦略三本柱と重点施策
新ホールディングスの「目指す姿」の実現にむけた戦略三本柱とそれぞれの主な重点施策の内容は以下のとおりです。
・生産性改革:付加価値の最大化、固定費・管理コストの適正化、グループ金融戦略の推進
・新たな収益基盤の確立:インフラサービスにおける国内外での地位確立、事業領域のさらなる拡大
・体質強化・改善:グループ人材戦略の推進、ガバナンスの強化
Ⅳ.経営目標数値
新ホールディングスにおける経営目標として、2030年度の目標数値および2021年度からの配当性向を以下のように定めています。
2022年3月期におけるわが国経済は、規模の縮小があるものの東京オリンピック・パラリンピック開催やワクチン接種の開始という経済活動の正常化に向けた動きなどもあり、緩やかな上向き傾向が続くとみられています。また、テレワークの拡大による住宅ニーズの高まりや自宅内消費など新しい生活様式に対応した需要の拡大、5Gの本格的普及、世界経済の回復などへも期待感が膨らんでいます。しかしながら、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の脅威は収まらず、緊急事態宣言発令による活動自粛再要請などの下振れリスクは大きく、今後も先行き不透明な状況が続くと予想されます。
当社グループが関係する建設業界も、関連予算の執行による公共投資の底堅い推移が期待されるとともに、企業の設備投資についても不透明な部分はあるものの、機械投資を中心に持ち直しが期待されますが、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せないことで、先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。
このような経営環境下ではありますが、当社グループは中期3ヵ年経営計画の最終年度となる今期、更なる経営基盤の強化に努めてまいります。
また、当社は今期、大きな変革を迎えようとしています。当社、前田建設工業株式会社および前田道路株式会社の3社は、将来的に経営環境が著しく変化していくと予想するなかで、グループ全体としてシナジーを最大化することが不可欠と考え、共同株式移転の方法により共同持株会社を設立し経営統合することについて、本年2月、基本合意に至りました。これまで以上にグループ内の力を結集することで、収益力の向上と新たな収益基盤の確立、技術開発やビッグデータの有効活用、デジタルツールの開発、人財育成をはじめとした経営資源の更なる強化をグループ全体として進めていく所存であります。
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