(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比べ24百万円増加し113億65百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比べ2億16百万円減少し25億71百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比べ2億40百万円増加し87億94百万円となりました。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響をうけ、依然として厳しい状況が残っております。また、ロシアのウクライナ侵攻による影響で物価が上昇し、世界経済の先行きは不透明な状態で推移しております。
当社のセグメント別受注状況は、歯車及び歯車装置事業ではバルブ・アクチュエータ、その他増減速機につきま
して受注は減少いたしました。ジャッキ、歯車につきましては、受注は増加いたしました。工事事業では、石油・
ガス向けが増加したことにより受注は増加いたしました。
その結果、当事業年度の受注高は68億64百万円(前事業年度比2.8%減)、売上高は75億68百万円(同1.9%減)
となりました。
損益面につきましては、売上高の減少に伴い、売上原価が52億99百万円(前事業年度比3.4%減)、研究開発費
の増加に伴い、販売費及び一般管理費は21億50百万円(同18.3%増)となりました。これにより、営業利益は1億
18百万円(同71.2%減)、経常利益は1億23百万円(同70.8%減)、当期純利益2億95百万円(同5.3%減)とな
りました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ5億78百万円増加し35億28百万円(前事業年度比19.6%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、8億3百万円(同11.4%増)となりました。これは主に税引前当期純利益4億54百万円、減価償却費2億18百万円、棚卸資産の減少7億37百万円、売上債権の減少1億26百万円の収入に対し、前払年金費用の増加3億1百万円、未払消費税等の減少1億14百万円、法人税等の支払額81百万円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、1億円(同40.7%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出70百万円、無形固定資産の取得による支出26百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、1億25百万円(同54.4%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入2億80百万円に対し、長期借入金の返済による支出3億42百万円、配当金の支払額56百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
歯車及び歯車装置事業(千円) |
5,274,476 |
100.5 |
工事事業(千円) |
- |
- |
合計(千円) |
5,274,476 |
100.5 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.工事事業については、事業の性格上生産高実績は算出しておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
歯車及び歯車装置事業(千円) |
5,273,861 |
94.3 |
工事事業(千円) |
1,590,810 |
108.1 |
合計(千円) |
6,864,671 |
97.2 |
(注)1.金額は受注価格で示してあります。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
歯車及び歯車装置事業(千円) |
6,000,715 |
97.5 |
工事事業(千円) |
1,568,098 |
100.6 |
合計(千円) |
7,568,813 |
98.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産合計)
流動資産は、前事業年度末と比べ1億49百万円減少し81億69百万円となりました。これは主に現金及び預金が5億78百万円増加しましたが、棚卸資産が7億37百万円減少したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末と比べ1億74百万円増加し31億95百万円となりました。これは主に機械及び装置が71百万円、ソフトウエアが27百万円減少しましたが、前払年金費用が3億1百万円、建設仮勘定が20百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
流動負債は、前事業年度末と比べ2億99百万円減少し17億12百万円となりました。これは主に未払金が1億11百万円、賞与引当金が65百万円、未払法人税等が39百万円、1年内返済予定の長期借入金が28百万円、契約負債が24百万円減少したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べ83百万円増加し8億59百万円となりました。これは主に長期借入金が33百万円減少しましたが、繰延税金負債が1億18百万円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
純資産は、前事業年度末と比べ2億40百万円増加し87億94百万円となりました。これは主に利益剰余金が2億38百万円増加したことによるものであります。
②経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は、前事業年度と比べ1億46百万円(前年同期比1.9%)減少し75億68百万円となりました。このうち歯車及び歯車装置事業につきましては、前事業年度と比べ1億55百万円(同2.5%)減少いたしました。これは、バルブ・アクチュエータにつきましては、原子力発電所向けが増加したものの、ジャッキにつきましては、半導体・液晶、上下水道向けが減少し、その他の増減速機につきましては、上下水道、原子力発電所向けが減少したことによるものであります。歯車につきましても、自動車用、特殊車両用が減少したことによるものであります。
工事事業につきましては、前事業年度と比べほぼ同額となりました。なお、収益認識に関する会計基準を適用したことにより、工事事業の売上高は1億10百万円増加しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の減少に伴い、前事業年度と比べ1億84百万円(同3.4%)減少いたしました。販売費及び一般管理費は、研究開発費が増加したため、前事業年度と比べ3億32百万円(同18.3%)増加いたしました。
この結果、売上総利益は前事業年度と比べ38百万円(同1.7%)増加し22億69百万円となり、営業利益は前事業年度と比べ2億93百万円(同71.2%)減少し1億18百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、前事業年度と比べほぼ同額の22百万円となり、営業外費用も、前事業年度と比べほぼ同額の17百万円となりました。
この結果、経常利益は前事業年度と比べ2億99百万円(同70.8%)減少し1億23百万円となりました。
(特別利益、特別損失)
特別利益は、退職給付制度改定益を計上したことにより2億84百万円(同619.6%)増加し3億30百万円となりました。
この結果、税引前当期純利益は前事業年度と比べ5百万円(同1.2%)増加し4億54百万円となりました。
(法人税、住民税及び事業税)
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額は、前事業年度と比べ21百万円(同16.2%)増加し1億58百万円となりました。
この結果、当期純利益は前事業年度と比べ16百万円(同5.3%)減少し2億95百万円となりました。
③経営に影響を与える要因に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、原材料の価格変動、災害等があります。
市場動向につきましては、当社の事業が関係する市場におきましては、国内外の企業との熾烈な競争が今後も展開されると予想されることから、当社を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、新規市場の開拓及びニーズの深耕により売上の拡大を図るとともに、生産体制のより一層の強化に取り組んでまいります。
原材料の価格変動につきましては、鉄・非鉄金属の市場価格上昇への対応、設計の標準化、部品の共有化、標準品の採用推進等に取り組むほか、3社以上による相見積もりによる価格交渉、密接な情報交換を行い、更なるコスト削減努力を行ってまいります。
災害等につきましては、防火委員会等の活動にて防火対策に取り組んでおります。
④セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(歯車及び歯車装置事業)
a.バルブ・アクチュエータ
受注高は原子力発電所、火力発電所、石油・ガス向けが減少したことにより前事業年度比8.6%減少いたしました。売上高は原子力発電所向けが増加したことにより、前事業年度比3.3%増加いたしました。
b.ジャッキ
受注高は半導体・液晶向けが増加したことにより、前事業年度比24.4%増加いたしました。売上高は半導体・液晶、上下水道向けが増加したことにより、前事業年度比6.2%増加いたしました。
c.その他増減速機
受注高は海外の大型案件の受注時期が来期へ変更となったため、前事業年度比23.5%減少いたしました。売上高は上下水道、原子力発電所向けが減少したことにより、前事業年度比19.5%減少いたしました。
d.歯車
受注高は特殊車両用、鉄道船舶用が増加したことにより、前事業年度比11.6%増加いたしました。売上高は自動車用、特殊車両用が減少したことにより、前事業年度比14.6%減少いたしました。
以上の結果、歯車及び歯車装置事業では、受注高は前事業年度比5.7%減少し、売上高は前事業年度比2.5%減少いたしました。
セグメント資産は、棚卸資産の減少により、前事業年度末に比べ7億23百万円減少し22億61百万円となりました。
(工事事業)
受注高は石油・ガス向けが増加したことにより、前事業年度比8.1%増加いたしました。売上高は、前事業年度と比較してほぼ同額となりました。
セグメント資産は、棚卸資産の減少により、前事業年度末に比べ73百万円減少し7億91百万円となりました。
⑤キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金需要)
当社の資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要があります。
運転資金需要のうち主なものは製品を製造するための材料仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては機械及び装置等の有形固定資産投資に加え、情報処理の為の無形固定資産投資等があります。
(財務政策)
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
長期借入金の調達につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。
また、国内金融機関において合計17億円のコミットメントライン及び当座貸越を設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は6億58百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は35億28百万円となっております。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑦経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、収益性及び効率性の両面から体質を強化することが重要と捉え、「経常利益」及び「当期純利益」を重要な指標として位置付けております。当事業年度における経常利益は1億23百万円となり、経常利益率は1.6%となりました。当期純利益は2億95百万円となり、当期純利益率は3.9%となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
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