(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループは、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しております。このため、前期と会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明においては売上高の前期比率(%)を記載せずに説明しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要と分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動の自粛と緩和が繰り返される中で、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られましたが、半導体関連部品の供給不足や原材料価格の上昇、また国際情勢の緊迫化などが加わり、世界経済の先行きは再び不透明な状態となりました。
当社のお取引先である国内外の遊園地やテーマパーク、劇場などのエンターテインメント関連業界では新たな変異株の出現に対応した断続的な人流抑制の影響はありましたが、年度後半において入場者数を段階的に引き上げて運営するなど、徐々に回復の動きが出てきています。
このような環境下、遊戯機械・舞台設備・昇降機の各事業部門で、業績の向上に取り組んでまいりました結果、売上高は34,404百万円、営業利益は1,040百万円(前期比26.9%減)、経常利益は1,880百万円(前期比21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,448百万円(前期比92.8%増)と増益となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります
(売上高は、セグメント間の内部売上を含んでおりません)
遊戯機械
前期の受注高減少の影響を受けて国内外で大型案件の工事が減少したことに加え、海外の一部顧客宛ての債権の回収リスクに対し貸倒引当金の計上を行ったこと、販売管理費も嵩んだことなどから、売上高は15,069百万円、セグメント損失は819百万円(前期はセグメント利益385百万円)となりました。
舞台設備
新設の舞台機構については、前期に大型案件が多数竣工した反動で落ち込みましたが、改修案件については大型案件の工事が順調に進捗したことに加え、コンサート・イベント向けの仮設舞台装置の需要も回復したことなどから、売上高は13,253百万円、セグメント利益は2,093百万円(前期比42.3%増)となりました。
昇降機
前期に受注が積み上がった公共施設や集合住宅用の改修工事が着実に進捗したことに加え、公共施設向け主体に期中の受注・売上が伸長したこと、保守・メンテナンス事業が堅調に推移したことなどから、売上高は6,022百万円、セグメント利益は1,204百万円(前期比28.0%増)となりました。
その他
売上高は58百万円、セグメント損失は20百万円となりました。
財政状態について、資産は、前連結会計年度末に比べ1,036百万円減少し、65,401百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,077百万円増加したことに対し、受取手形、売掛金及び契約資産が2,435百万円、無形固定資産が589百万円、それぞれ減少したことなどによります。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,430百万円減少し、32,328百万円となりました。これは主に、契約負債及び前受金が710百万円、未払費用などのその他流動負債が577百万円、それぞれ増加したのに対し、短期借入金が2,292百万円、長期借入金が1,434百万円、それぞれ減少したことなどによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,393百万円増加し、33,073百万円となりました。これは主に、利益剰余金が754百万円、為替換算調整勘定が786百万円、それぞれ増加したことなどによります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,077百万円増加し14,192百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べて6,876百万円増加し6,323百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,541百万円、売上債権の減少2,891百万円、減価償却費1,016百万円、のれん償却額749百万円、貸倒引当金の増額787百万円などであり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額1,257百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べて646百万円減少し11百万円の支出となりました。収入の主な内訳は有形固定資産の売却による収入419百万円、投資有価証券の売却による収入395百万円などであり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出345百万円、投資有価証券の取得による支出261百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べて7,212百万円増加し4,534百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出2,432百万円、長期借入金の返済による支出1,369百万円、配当金の支払いによる支出693百万円などであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
セグメントの「その他」については、受注による生産は行っていないため、a.生産実績、b.受注実績について記載をしておりません。また、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、前期と会計処理等が異なることから、a.生産実績、b.受注実績(受注残高)及びc.販売実績の前期比率(%)は記載しておりません。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によって算出したものであり、研究開発及び固定資産の製作に係るものは含んでおりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループ及びセグメントごとの財政状態及び経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、2022年度を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画において、「We Grow,New“TEAM Sansei”!」をテーマに掲げ、グループ一丸となって一段の進化・成長に注力していく方針であり、業績計画として2024年度の目標値を売上高60,000百万円、経常利益6,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円、経常利益率10%、ROE11%としております。
2022年度については、先般公表した業績予想の通り、売上高40,500百万円、経常利益2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円を計画しております。
当社としましては、国内外の需要回復を確実に取り込むことによる各事業の一段の成長に加えて、新たな事業分野の構築にも積極的に取り組むことで、中長期の持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動の結果得られた資金が6,323百万円の収入となった一方、投資活動の結果使用した資金が11百万円の支出、財務活動の結果使用した資金は4,534百万円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は14,192百万円となりました。このキャッシュ・フローによって、長期かつ安定的な配当金の支払いによる株主還元などの財務活動をはじめ、事業拡大に必要な投資活動及び営業活動を賄っております。また、シンジケート銀行団と30億円のコミットメントライン契約を締結し、不測の流動性リスクに備えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なもの及び新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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